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近代登山発祥の地!六甲山

標高 | 山頂所在地 | 山域 | 最高気温(6月‐8月) | 最低気温(6月‐8月) |
---|---|---|---|---|
約931m | 兵庫県神戸市 | 兵庫・六甲 | 23.5℃ | 15.9℃ |
六甲山(ろっこうさん)は、神戸市街地の西から北に渡って広がっている山で、日本三百名山やふるさと兵庫50山のひとつに数えられています。
古くは「むこ(武庫)」の山と呼ばれ、後に六甲(むこ)の字が当てられたことで現在の読みになりました。最高峰の西側は平坦で、保養施設やホテル、レジャー施設などが集まり観光スポットとしても有名で、北側には日本三古湯の有馬温泉があります。
近代登山発祥の地

六甲山は近代登山発祥の地といわれています。1874年に3人の外国人パーティがピッケルやナーゲルを用いた近代登山を日本で初めて行ったのが六甲山です。
彼らの登山はそれまで日本中で行われていた、山をご神体として信仰し山頂を訪れる「信仰登山」とは違い、現在のようなスポーツやレジャー的要素を伴ったものでした。以来、日本で現在のような登山が広まっていきました。
六甲山の天気と登山地図
六甲山は初心者向けの山ですが、雨の後は岩場などが滑りやすいため、現地の天気を調べてから行きましょう。また登山道を歩くため、登山地図の携行もしておきましょう。
てんきとくらす|六甲山
昭文社 山と高原地図 六甲・摩耶 須磨アルプス
【初心者の疑問】六甲山は普段着でも大丈夫?
観光地でもある六甲山ですが、今回紹介するのは登山道を歩くルートです。非舗装の道を歩き、運動量も多くなるため、適した服装や装備をしっかりと確認しておきましょう。

芦屋川駅起点コース|奇岩だらけのロックガーデンにびっくり!
最高点の標高: 913 m
最低点の標高: 33 m
累積標高(上り): 1731 m
累積標高(下り): -1409 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:5時間15分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
芦屋川駅から高座の滝まで、30分ほど街中や住宅街の舗装された道を歩きます。本格的な登山道は高座の滝から!高座の滝前にある茶屋で食事ができ、トイレもあります。ここから先、頂上まではトイレがないので注意!

登山道に入ると、登り出しから岩場を登っていきます。ロックガーデンと呼ばれるこの辺りには、よじ登っていく岩場や簡単な鎖場もあります。少し道を逸れれば、奇岩群が横たわるピラーロックへ行くこともできます。ロックガーデンを越えると登山道に突然大きな岩が現れ、標高447mの風吹岩に到着です。

風吹岩を越えると、しばらくはなだらかで木々が生い茂る森の中を登っていきます。途中、小さな沢の渡渉やゴルフ場の舗装道を横切ったりと、変化のある道です。雨ヶ峠の手前には飲用水として使用できる水場があります。

雨ヶ峠から頂上までは急勾配の登りが待っているので、雨ヶ峠に着いたら少し一息入れましょう。頂上手前には一軒茶屋があり、食事やトイレ休憩を挟むことができます。舗装道を少し登ると六甲山の最高峰に到着です。神戸の街並みを見渡せる眺望を堪能しましょう。

山頂を後にしたら、山頂へ上がってきた道を少し戻って有馬温泉へ下る道へ入ります。それほど脚に負担がかからないなだらかな下りとなります。木々が生い茂る道をハイキング気分で歩くことができます。紅葉の季節に来ると、色付く木々の合間に落ち葉を敷き詰めた道ができ、色彩豊かな景色を楽しみながら歩けますよ!

山道を抜けるとやがて一般道に出て温泉街へ辿り着きます。さまざまな温泉や食事処が軒を連ねており、下山後も目一杯楽しむことができます。
岡本駅起点コース|春には梅&桜も!出だしのんびりハイキング
最高点の標高: 913 m
最低点の標高: 33 m
累積標高(上り): 1920 m
累積標高(下り): -1602 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:5時間10分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
阪急岡本駅から北に向けて住宅街の舗装された道を歩きます。保久良神社へ続く道から登山道となりますが、風吹岩までコース全般平坦な道が多く、ハイキング気分で歩けるでしょう。

道中の岡本公園や金鳥山・保久良山の中腹辺りには、2月から3月頃の春先に花を咲かせる数百本もの梅の木が立ち並んでおり、見ごたえがあります。高度を上げるにつれ背後には神戸の街並みが姿を見せ、見晴台や所々に用意された休憩場所からその眺望を堪能できます。

風吹岩から先は、①のコースと同じ道を辿り山頂へ。下山も同じく、有馬温泉へと下るコースとなります。
有馬温泉往復コース|急登して山頂まで!短時間で登頂コース
最高点の標高: 913 m
最低点の標高: 352 m
累積標高(上り): 1498 m
累積標高(下り): -1498 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:3時間20分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
有馬温泉側から六甲山最高峰を目指す魚屋道ルートと呼ばれるコースです。魚屋道登山口からおよそ3kmの登りとなります。3kmの距離でおよそ500m登るため、なかなかの勾配で体力が必要です。

駅を出て、温泉寺など街なかを歩きながら登山道へと向かいます。”六甲を越え有馬に着く頃には足腰がしっかりして杖が要らなくなる”という名言のある杖捨て場から杖を拝借するのも良し!
ほかののコースに比べ、幅が広く、迷うこともないはっきりした道を登っていくことになります。

有馬温泉からの往復コース紹介ですが、山頂を後にしたら芦屋川駅や岡本駅の海側へ下っていくのもおすすめですよ。
さらに、上記の登山コースのみならず周辺の観光施設も充実している六甲山。ファミリーや初心者にはこんなモデルコースもおすすめです!
六甲山登山口へのアクセス

ここでは、紹介したコースの登山口までのアクセス方法を紹介します。いずれも鉄道駅が出発点となります。クルマの場合は行き帰り同じ道での登山になるため、公共交通機関のほうがより山歩きを楽しめます。
阪急神戸線「芦屋川」駅へのアクセス
阪神高速3号神戸線「芦屋」料金所-国道43号線-芦屋川駅
※市街地のため、コインパーキングの利用となります
阪急神戸線「岡本」駅へのアクセス
阪神高速3号神戸線「芦屋」料金所-国道43号線-岡本駅
※市街地のため、コインパーキングの利用となります
神戸電鉄有馬線「有馬温泉」駅へのアクセス
阪神高速7号北神戸線「西宮山口南」IC-県道98号線-有馬温泉
※有馬温泉付近の駐車場情報は、公式サイトを確認してください。
有馬温泉|駐車場情報
登山後には名湯・有馬温泉でさっぱり!

六甲山の北側には有馬温泉があります。こちらを下山口にすれば、登山でかいた汗を流してさっぱりできます。多くの温泉宿がありますが、ここでは気軽に立ち寄れる公共温泉の「金の湯」「銀の湯」を紹介します。
有馬温泉とは日本三古湯のひとつで、太閤秀吉も湯治のために度々訪れたことでも知られています。日本神話に登場する二柱の神が発見したという伝説もあり、奈良時代には行基菩薩が温泉寺を建立、江戸時代の温泉番付では最高位に格付けされるなど、非常に古くから長きに渡って親しまれていた湯です。療養泉として指定されている9つの主成分のうち7つが含まれ、多くの成分が含まれた世界的にみても珍しい温泉でもあります。
金の湯

銀の湯

その他日帰り温泉情報はこちら
気軽に登れていっぱい楽しめる六甲山へ行ってみよう!

六甲山は、駅からのアクセスのしやすさ、よく整備された登山道、周辺観光スポットの豊富さ、下山後に名湯の有馬温泉へ行くことができることなどから、初心者にとって気軽に登れて目一杯楽しめる山となっています。ぜひ、家族やカップル、友人たちとみんなで楽しみながら、六甲山へ登ってみて下さい!