日本百名山って、何だ?
文筆家であり登山家の深田久弥氏が選定した100座を「日本百名山」と呼んでいます。もともとは1964年に出版された同氏の山岳随筆のタイトルで、自ら登頂した日本各地の数々の山の中から自身が定めた基準で選定した山々を主題とした随筆集になっています。
百名山の基準って?
数多くの日本の山の登頂を果たした深田氏の経験から、「品格・歴史・個性を兼ね備え、かつ原則として標高1,500m以上の山」という基準で日本百名山を選定したと言われています。以下3点は1961年にウェストン祭(上高地の開山祭)の講演で披露された選定基準です。
◆山の品格
人には人格があるように、山には「山格」のようなものがあるとし、誰が見ても立派な山だと感嘆する山であることを、第一の基準とした。◆山の歴史
昔から人間との関わりが深く、崇拝され山頂に祠が祀られている山であるというような山の歴史を尊重し、第二の基準とした。◆個性のある山
芸術作品と同様に、山容・現象・伝統など他にはないような顕著な個性をもっていることを、第三の基準とした。
百名山を登るのって……難しいんじゃないの?
選定基準を見るとわかるように、難易度の高い山ばかりが選定されているわけではありません。品格・歴史・個性を兼ね備えた日本百名山には初心者の方でも気軽にチャレンジできる峰も選出されているのです。
初心者でもチャレンジできる!登りやすい百名山9座
美しく個性的な景色を楽しめる日本百名山。今回は初心者でも楽しめる9座を標高順に紹介します。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
1.筑波山(北関東)877m
万葉集の時代、富士山と並んで東国の名山と呼ばれたという筑波山(つくばさん)。山頂は男体山(870m)と女体山(876m)の双耳峰になっています。ガマ石などの奇岩を見られる整備された登山道はファミリーの姿も多く見られます。東側にはロープウェイ、西側にはケーブルカーがあり、歩かなくても山頂付近まで行ける手軽さで、観光客にも人気です。
2.開聞岳(九州)922m
美しい三角錐の姿で薩摩富士とも呼ばれる開聞岳(かいもんだけ)は薩摩半島最高峰。登山口から緩やかな登山道を2時間程度で山頂に立つことができます。頂上からの景色は圧巻の大パノラマ!海側には霧島や屋久島を、春の陸側には菜の花畑を見ることができます。
3.阿寒岳(北海道)1,499m
正式名称は雌阿寒岳(めあかんだけ)で、対峙する雄阿寒岳(おあかんだけ)と夫婦山として親しまれています。登山口から山頂までは約3時間。ハイマツ林を抜けると広大な山肌を見ながらの気持ちの良いルートになっています。2006年にも小規模な噴火のあった活火山なので、登山規制には注意しましょう。