山から帰ってきたら、疲れてそのまましまってない?
登山から帰ってくると、ヘトヘトでもう動けないとすぐにベッドへダイブしている皆さん。そのまま放置された登山道具たちが、嘆いていますよ。
登山道具は帰ってすぐメンテナンスと保管をしないと、劣化が早くなってしまうのです!せっかく買った高いギアたち、できることなら長く大切に使いたいですよね。
現役の山岳ガイドがお手入れ方法をご紹介
そこで少しでも道具を長持ちさせる為に、山岳ガイド直伝の自宅でできる手入れ方法を紹介します。今回はとくにその日中に行いたい《登山靴・レインウェア・シュラフ》の3アイテムをピックアップ。それでは詳しくみていきましょう!
①登山靴のメンテナンス方法
使用後の放置は絶対NG!山を歩くとアウトソール(靴底)には泥や小石がつまり、アッパー(靴の表側)には細かい汚れが付着しています。それらを取り除くことで、早期劣化を防ぐことが可能。
靴が汚れたまま放置すると、アウトソールの剥がれや、アッパー素材の性能を低下させる原因になります。靴は快適登山の要。適切な手入れ方法を紹介していきますよ。
登山靴の手入れ方法
①靴紐を取り外す
➤洗濯機で洗う
②インソールを抜き出す
➤ブラシと中性洗剤で水洗い
③アウトソールの水洗い
➤歯ブラシなどを使って、泥や小石を取り除く
④アッパー部の洗浄
➤靴用ブラシ等で汚れを落とす。頑固な汚れは水洗いする。その後日陰で乾燥させる。靴専用のクリーナーを使用しても可(説明書をよくお読みください)
⑤撥水スプレーを吹きかける
⑥最後に靴紐とインソールを戻す
登山靴保管方法
型崩れを防ぐ為に、靴紐は上まで結びあげ、風通しがよく、直射日光が当らない所で保管します。ビニル袋や購入時の箱には入れないようにしてください。また自動車内など高温になる所も避けましょう。
②レインウェアの手入れ方法
汚れたらどんどん洗濯するのがポイント。レインウェアを洗わずに使用していると、さまざまな汚れが生地の小さな穴に入り込み、撥水性が失われていきます。また、撥水性が失われると防水透湿性も十分に機能しなくなりがち。
泥がついたり、長期山行に出かけり、汚れが目立つ時はしっかり洗いましょう。
レインウェアの洗濯方法
①洗濯機で洗濯する
※脱水はしない:防水製品を脱水すると、生地が水を通さない為、洗濯機に大きな遠心力が加わり、故障の原因となります
②すすぎは通常の衣服より多く行う(レインウェアから完全に洗剤をすすぎ落とす必要があります。3回はすすぎをしましょう)
③ハンガーなどに吊り下げて乾燥させる
④アイロンがけをする
低温設定で、当て布を使います。アイロンがけをすると撥水性能が蘇ります(アイロンがけをすることで、生地の微細な繊維が毛羽立ち、撥水性が復活します)
※塩素系のハイターなどは、素材を傷めるので使用しないでください
▼専用の洗剤や撥水剤を使うことで撥水性もアップ
グランジャーズ パフォーマンスウォッシュ
グランジャーズ クロージングリペル
レインウェアの保管方法
レインウェアも高温多湿・直射日光を避けて保管します。スタッフバッグに入れておかず、ハンガーにかけるなどして、風通しのいいクローゼットにかけておくのがベストです。湿気吸い取り製品をクローゼット内に据えておくと尚よし。
③シュラフの手入れ方法
シュラフを手入れしないと、皮脂などの汚れが中綿に染み込み、保温性が低下。また、残った水分によりカビが発生することもあります。
長期山行の後や、季節の変わり目に洗濯するようにしましょう。洗濯するとふわふわになり、保温性が格段にUP。シュラフには中わたに種類(化繊とダウン)があり、それぞれ洗濯方法が異なりるので、両方紹介していきますよ!
化繊シュラフの手入れ
洗濯機で洗います。中性洗剤を薄めに入れて、柔らかコースで洗いましょう。
(製品によっては、ダウン製と同様な手順を必要とするものがあります。洗濯表示をご確認ください。)
その後は陰干しをして終了です。
ダウンシュラフの手入れ
ダウン製の場合は、できるだけダウン用の洗剤を使用します。バスタブやタライにぬるま湯を入れて、手洗いをしましょう。よーくすすいだら、ここでポイントとなるのがドライヤーボールと一緒に乾燥機へ入れること。ドライヤーボールがダウンをポンポンと叩いて、ダウンのふくらみを復活させてくれるのです。
シュラフの保管
シュラフは購入時のスタッフバッグには入れず、通気性のいい保管用のネットバッグに入れるようにしましょう。、高温多湿・直射日光を避けて保管します。大きなネットバッグは山道具専門店で入手可能です。
▼販売している保存袋をチェック
●モンベル
通気性がいいメッシュタイプ|ストリージバッグ メッシュ
・サイズ:∅34×83cm
・素材:側面:ポリエステルメッシュ、底:40デニール・ナイロン・タフタ
ホコリが入らないタイプ|ストリージバッグ タフタ
・サイズ:∅34×83cm
・素材:45デニール・ナイロン・タフタ
ストリージバッグ メッシュストリージバッグ タフタ
●イスカ(ISUKA)
イスカ コットンストリージバッグ
●ナンガ(NANGA)
適切な洗濯と保管で長持ち
山道具は適切に選択・保管することで、性能を高く保ち続けられます。性能を最大限に発揮させるために、手入れは欠かせません。
どの道具にもいえることは、洗濯・乾燥・保管が重要なカギだということです。
洗濯は毎度行わなくても、適切な乾燥・保管方法で、寿命はかなり延びます。みなさんもぜひ今日からはじめてみてくださいね。
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