BtoBマーケティングで質の高い商談を創出するには、問い合わせ数を増やすことが重要だ。では、リードナーチャリングでそれを突破することはできるのだろうか。トライバルメディアハウス 代表取締役社長の池田紀行氏は、自社での実体験からBtoBマーケティングこそ第一想起ポジションを狙うべきだと説く。本記事ではニーズが顕在化したとき、想起される企業になるにはどうしたらよいか解説する。
今回、日経クロストレンドの記事の中から取り上げたいのは『「タイミング」より「頻度」を意識 メルマガは送りすぎても嫌われない?』です。
▼関連記事 「タイミング」より「頻度」を意識 メルマガは送りすぎても嫌われない?上記の記事の著者であるエスプーマ(横浜市)代表でメールマーケティング・エバンジェリストの安藤健作氏は、ラクスの「配配メール」事業責任者や、BtoBマーケティングに強いWACUL(ワカル)執行役員CMO(最高マーケティング責任者)を務めたメールマーケティングのスペシャリストです。
安藤氏は「メールを送りすぎてしまうと、ウザがられて購読解除率が上がってしまうのでは?」というよくある不安や疑問に対し、「配信頻度は関係ない(配信量が多くても購読解除率は上がらない)」「購読解除率が高い場合の真の理由は、送られてくる情報の質が悪いからだ」と喝破しています。
1日に1社から大量のメールが届くことに対してそれなりの不快感を覚える私は、安藤氏が示すデータに驚きを隠せませんでした。BtoBマーケティング、まだまだ知らないことだらけです。
私は戦略とSNS活用支援に強みを持つトライバルメディアハウス(東京・中央)というマーケティング会社を経営しています。主要クライアントは大手企業の宣伝部、広報部、マーケティング部のため、創業以来、安定的かつ質の高い「案件」を獲得し続けるため、メールマーケティングを含むBtoBマーケティングを実施してきました。
BtoBマーケティングは、WebサイトやLP(ランディングページ)、SEO(検索エンジン最適化)、広告、ホワイトペーパーを含むお役立ち資料、メルマガ、セミナーなど、「打ち手」のバラエティーが限定的です。
また、リードナーチャリング(見込み客の商談・契約意向を高めるマーケティング活動)という概念はあるものの、現場では今期中の受注に向けた短期的かつ効率的なSQL(営業が判断した受注確度が高い見込み顧客)獲得が重視されるため、施策が近視眼的になりがちです。
しかし、自社の経営活動としてBtoBマーケティングを18年間実施してきた私自身の経験からすると、(セールスではなく)マーケティング活動によって短期的なSQL獲得効果を出すことは至難の業です。
そもそも、BtoBマーケティングは、その言葉の通り「マーケティング」なのですから、短期的成果の最大化を目指すBtoBセールスとは目的と目標を明確に分けるべきです。
今回は、私の実体験から得た、皆さんにも少しだけ参考になるだろうBtoBマーケティングのヒントをお伝えします。
質の高い商談は問い合わせから生まれる
BtoBマーケティングの特徴はあまたありますが、ここでは「タイミング」について取り上げます。
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