NTT東日本が,Android搭載のデジタル・フォトフレーム「光iフレーム」(仮称)を端末とする情報配信サービスの実証実験を始めた(関連記事)。同サービスでは,ウィジェットを使って最新情報の自動配信などを提供する。光iフレームは無線LAN機能を搭載するが,利用する回線は「フレッツ光」。ウィジェットを使った携帯向け情報サービスの固定通信版といった趣がある。
NTT東西で携帯サービスの固定版と言えば,2001年開始の「Lモード」を思い出す。FAX一体型端末などを使い,NTTドコモの「iモード」と同じような電子メール送受信や各種情報検索ができるサービスだ。しかし通常のFAX機よりも高価な端末の購入が必要だったことなどから加入者が伸び悩み,2010年3月末にはサービスを終了する。光iフレームはLモードの二の舞にならないのか。
これに対して,NTT東日本の中村浩ブロードバンドサービス部アライアンス推進担当部長は,「Lモードとは全く違う」と力説する。その根拠の一つがオープンな仕様の端末。「光iフレームにはNTTロゴが付いていない。仕様は公開するので,端末は誰が作って売ってもいい」(中村担当部長)と言う。
確かに,複数メーカーの競合などによって安価な端末が登場する可能性はある。ただ,携帯電話の新規契約者にフォトフレーム型端末を無償配布するなどしたソフトバンクモバイルのような手法を取るかと問えば,「まだ分からない」(同)と慎重な回答。むしろ,コンテンツ事業者が会員などに配布することに期待すると言う。
しかし光iフレームを本当に普及させたいのなら,NTT東日本自らがフレッツ光の新規加入者にタダで配るくらいの思い切った策が必要なのではないだろうか。