※ 記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります。
「Eclipse Monkey」はJavaScriptなどの動的言語を使って,統合開発環境「Eclipse」での定型的な作業を自動化するプラグインです。本稿執筆時点(2008年5月中旬)の最新バージョンは1.0ですが,これは「Incubation Project(培養中のプロジェクト)」という位置付けで,正式版ではありません。ちなみに,7月25日にはバージョン1.1が登場する予定です*1。
Eclipse Monkeyはそれぞれの言語に対応するプラグインをインストールすれば,PythonやGroovyといった言語でスクリプトを記述することもできますが,標準の言語はJavaScriptです。Eclipse MonkeyはEclipse上でJavaScriptを動作させるために,Java仮想マシン(Java VM)上で動作するJavaScript実装である「Mozilla Rhino」を利用しています。Mozilla RhinoはEclipse Monkeyをインストールするときに一緒にインストールできます。今回は,標準の言語であるJavaScriptでEclipse Monkeyを利用する方法を解説していきます。
インストールしたらサンプルを開いてみよう
JDK(Java SE Development Kit),Eclipse,Eclipse日本語化プラグインである「Pleiades」を導入してあるものとして説明を進めます。Pleiadesの導入が面倒だという方は,PleiadesのWebサイトで配布している「Pleiades All in One日本語ディストリビューション」を使うとよいでしょう*2。最新版のEclipseに,Pleiadesのほか様々なプラグインを導入してZIPで圧縮したパッケージです。JDKをインストールしてあれば,ダウンロードして解凍するとすぐに使えます。JDKとPleiadesのインストールについては2008年6月号42ページの記事で解説しています。
Eclipse Monkeyは,ほかのEclipseプラグインと同様に,Eclipseのソフトウエア更新機能でダウンロードとインストールが可能です。Eclipseを起動したら,「ヘルプ」メニューの「ソフトウエア更新」→「検索およびインストール」をクリックしましょう。するとインストール済みのプラグインの更新を検索するか,全く新しいプラグインをインストールするかを選ぶダイアログ(図1)が現れます。ここでは「インストールする新規フィーチャーを検索」を選んで「次へ」をクリックしてください。
すると「更新アクセス先サイト」というダイアログが現れます。ダイアログ右上にある「新規リモート・サイト」というボタンをクリックすると,「新規更新サイト」という小さなダイアログが現れます(図2)。ここで,名前の欄には任意の名前を(今回は「Eclipse Monkey」としました),URLの欄には「http://download.eclipse.org/technology/dash/update/」と入力して「OK」ボタンを押してください。
ボタンを押すと先ほどの更新アクセス先サイトというダイアログに戻ります(図3)。「検索に含めるサイト」の欄に,先ほど登録したサイトがあることと,そのチェックボックスにチェックが入っていることを確認してください。確認できたら「終了」ボタンをクリックしましょう。Eclipseが先ほど指定したURLへアクセスし,プラグインの有無を確かめます。
しばらくすると,図4の「検索結果」ダイアログが現れます。「インストールするフィーチャーの選択」欄にあるツリーを開き,「Eclipse Monkey」と「Mozilla Rhino」のチェックボックスにチェックを入れて「次へ」を押してください。あとは,ライセンスの確認とインストールするプラグインの最終確認です。「次へ」と「終了」を押すとダウンロードが始まります。
ダウンロードが済むと,署名なしのプラグインをインストールしようとしていることを知らせるダイアログが現れます。ここでは「すべてインストール」をクリックしてください。インストールが済むと,Eclipseの再起動を求めるダイアログが現れますので,再起動してください。
再起動したら,メニュー項目を確認しましょう。図5のようにメイン・メニューに「スクリプト」という項目があればインストール成功です。「スクリプト」→「サンプル」を選択してみましょう。左側にあるパッケージ・エクスプローラーに「Eclipse Monkey Examples」というプロジェクトが現れます(図6)。ツリーを開いていくとサンプル・コードが八つ入っています。