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Java言語と統合開発環境「Eclipse」の組み合わせ,それはこれからプログラミングをする人のための定番と呼べそうな存在です。Eclipseは豊富な機能が何よりの魅力。コードの品質を高めるLimy/Checkstyle/FindBugs,バージョン管理の方法も解説します。
Javaによる開発の魅力の一つは,便利で豊富な開発環境です。コードの編集やテストなどを行う統合開発環境としては,Eclipse,JDeveloper,NetBeansなどがあります(表1)。2001年にオープンソース化されたEclipseは,Javaの開発環境として最も多くの開発者に使われていると言ってよいでしょう。
Eclipseの大きな特徴の一つは「プラグイン」によって拡張可能なことです。EclipseはオープンソースなのでEclipse本体のソースコードが参照でき,プラグインの開発を行いやすいのです。プラグインは,無償,有償の両方があります*1。Eclipse.org,EclipsePlugins,SourceForge,Eclipse Plugin CentralといったWebサイトには非常に多くのプラグインがあり,いろいろ見ているとEclipseで何でもできると感じてしまうほどです。
JDKとEclipseをインストール
最初にJavaの開発キット「Java SE Development Kit(JDK)6 update 5」をインストールしましょう。「jdk-6u5-windows-i586-p.exe」を実行してインストールします。
Eclipseは本家のEclipse.orgに公開されている配布パッケージを利用してもよいのですが,今回は「pleiades-all-in-one-java-wtp_20080303.zip」を利用してみましょう。これはPleiades All in One日本語ディストリビューションと呼ばれるものの一つです。Pleiades All in Oneを使うと,日本語化されたEclipseと,よく使われる無償のプラグインを一気に入手できます。
Pleiades All in Oneには,Ultimate,JavaWTP,JavaETL,C/C++,PHP,Ruby,Python,Perlの合計8種類のパッケージがあり,それぞれ収録しているプラグインの構成が違います。すべての機能を使いたいならUltimateがよいのですが,プラグインは多くなればなるほどメニューが複雑になり,動作が遅くなるものです。Java開発にはJavaWTPかJavaETLを利用するのがよいでしょう。
Pleiades All in Oneの配布ファイルには,JRE(Java Runtime)付きとJREなしのファイルがあります*2。前述した「pleiades-all-in-one-java-wtp_20080303.zip」はJavaWTPのJREなしです。先ほどJDKをインストールしたのはそのためです。
Pleiades All in Oneのインストールは簡単です。前述したZIPファイルの中身を任意のフォルダに展開するだけです。ここでは,C:\eclipseフォルダに展開したものとして話を進めます。
Eclipseの実行ファイル(C:\eclipse\eclipse.exe)を実行すると,図1の画面が現れます。これから作成するファイルを保管する「ワークスペース」のフォルダを尋ねてきます。ここでは,「C:\eclipse\workspace」としてOKを押しましょう。「ようこそ」画面が表示されるはずです。
開発を始めるには,ようこそ画面の右側の「ワークベンチ」をクリックします。図2の画面が出てきます。この全体を「ワークベンチ・ウィンドウ」と呼びます。右上には「パースペクティブ」を操作するアイコンとボタンが見えます。デフォルトのパースペクティブは「Java EE」ですが,アイコンをクリックして「その他」を選択すると,他にも多くのパースペクティブがあることが分かります。パースペクティブの中にはたくさんの「ビュー」があります。Eclipseのメニューで「ウィンドウ」→「ビューの表示」を使うと,ビューの呼び出しが可能です。