TISとピクセルインテリジェンス、ホット沖縄総合研究所は、沖縄県名護市のリゾート施設「カヌチャリゾート」で自動運転車「Robo-Shop」を活用した無人移動販売の実証実験を行った。
Robo-Shopはピクセルインテリジェンスが提供する自動運転車。3Dプリント技術を用いて設計している。特定の条件の下で人間が介在しない自動運転が可能なレベル4(L4)の自動運転機能とマルチセンサー融合技術を組み合わせており、自律走行とナビゲーションが可能だという。
カヌチャリゾート内のフロント棟付近、ガーデンプール付近、ショップ周辺などの複数エリアにおいて、物販需要が見込める時間帯にRobo-Shopを移動させ、宿泊客を対象に軽食やドリンクを販売する無人移動販売の有用性を検証する。
実証実験は2024年12月23日から2025年1月23日の1カ月間で、1台で実施する。8時ごろから23時ごろまで稼働予定だ。冷蔵庫から欲しい商品を取り出し、セルフレジで商品登録後、代金を支払う。支払い方法はキャッシュレス(クレジットカード、各種電子決済、2次元コード、デビットカード)のみで現金は不可だ。
背景にはコロナ禍以降の沖縄県に訪れる観光客が急増する一方で、宿泊施設の人手が不足しているという課題がある。グループ会社が運営するカヌチャリゾート内でレンタルカート事業などを手掛けるホット沖縄総合研究所も、施設内でいかに人手を増やさずに宿泊客が便利にショップを利用できる環境を整備するかを課題としていた。
そこで、沖縄県での観光の利便性向上などの実績を持つTISと、自動運転に関するノウハウを持つピクセルインテリジェンスと共同で、無人移動販売の実証実験を実施することにした。
3者はまず、今回の実証実験において、「宿泊客の利便性向上とカヌチャリゾートの物販売り上げ向上を目指し、ビジネスの有用性を検証する」という。今後について、「自動運転技術を活用した無人移動販売のノウハウの蓄積や需要把握、課題抽出に取り組み、今後さまざまな地域および施設において『移動コンビニ』としての機能を兼ね備えたサービスの拡大を目指す」とし、「公道を利用した無人移動販売の提供についても検討を進め、実現に向けて取り組みを推進していく」とした。