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 データセンター(DC)の建設ラッシュは2025年も続く。日経コンピュータがDC事業を手掛ける約70社に対し、2024年から2027年にかけてのDCの新設・増設の予定を調査したところ、「予定がある」と回答した企業は20社あった。

 新設・増設の予定があり、名前や所在地が判明している施設数は29件。昨年の同調査に比べて、件数は11件も増えた。

表 2025年以降に開業する主なデータセンター
液冷対応AIデータセンターが続々開業
表 2025年以降に開業する主なデータセンター
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 29件のうち東京都、神奈川県、千葉県など東京圏での予定は15件、大阪府・京都府など関西圏では9件と、この2エリアで約8割を占める。残り5件のうち4件は北海道だ。

 DC建設ラッシュの背景にあるのは、旺盛なAI(人工知能)需要だ。AIに欠かせない高性能GPU(画像処理半導体)サーバーは消費電力が大きいため、液体冷却が必須になり始めている。そのため今後開業するDCの多くが液冷対応をうたう。今回の調査では29件のDCのうち10件のDCが、液冷に対応するとした。また3件のDCが液冷を検討中と回答している。

 海外勢の日本進出も一段と活発だ。2025年には、シンガポールに本拠を置くプリンストン・デジタル・グループにとって日本初となる「TY1」DCがさいたま市に開業する。IT機器向けの受電容量が最終的には96メガワット(MW)にも達する巨大DCだ。

 同じくシンガポールに本拠を置くSTテレメディア・グローバル・データセンターズが千葉県印西市に建設を進める「STT Tokyo 1」も2025年に開業する。

 シンガポールを本拠とするもう1社、スタックインフラストラクチャーも2024年に印西市にDCを開業したのに続き、他にも4件のDC建設計画を日本国内で進める。