大塚商会のホスティングサービス「アルファメール」を利用する5000近い顧客企業のWebサイトが一気に改ざんされた。同社がこの事件について把握し対処したのは、2019年1月20日午前1時。そこから遡ること約半日、テキストデータ共有サイト「Pastebin(ペイストビン)」には1月19日の午後1時ごろに、この事件に関係する不審な書き込みがあったことが確認されている。
「日本のホスティングサービスをハイジャックした」という声明とともに、企業など5000組織以上のドメイン名が書かれていた。これらのサイトはほとんどがアルファメールを利用していたWebサイトだった。
大塚商会は1月23日、アルファメールに改ざん被害があったことを明らかにし、同25日には不正アクセスの内容を発表した。その内容だけでは攻撃の詳細までは分からなかったが、関係者や別のホスティング事業者、セキュリティー専門家への独自取材で、原因や攻撃の流れが見えてきた。どんな攻撃だったのか検証していこう。
改ざんを誇示するコンテンツを置いていく
大塚商会の発表では、改ざんは各Webサイトに攻撃者が用意した静的コンテンツを置くというものだった。Webサイトにアクセスした人をウイルスに感染させるような改ざんやユーザーコンテンツの変更といった被害はなかったという。では具体的にどんな改ざんだったのか。