ウクライナでは、旧ソビエト時代の1932年から翌年にかけて大飢きんによって多くの人が亡くなったとされ、ウクライナ政府は、当時のソビエトのスターリン政権が、人々から穀物を没収するなどして人為的に引き起こした「飢えによる虐殺」、ウクライナ語で「ホロドモール」と呼んで非難しています。
約90年前のウクライナ「飢えによる虐殺」犠牲者を都内で追悼
およそ90年前、当時のソビエトがウクライナで人為的に引き起こしたとされる大飢きんの犠牲者を追悼する式典が、都内で開かれました。
11月下旬の「ホロドモール」の犠牲者を追悼する日を前に、16日に都内の教会で追悼式が行われました。
式には、日本で暮らすウクライナ人や、ウクライナからの避難民の支援者など、およそ70人が参加しました。
「ホロドモール」を、ロシアによる軍事侵攻と重ね合わせる人も多く、参加者たちは、聖職者とともに祈りのことばを唱えるなどして、「ホロドモール」や軍事侵攻の犠牲者を悼みました。
ウクライナのコルスンスキー駐日大使は、11月19日でロシアによる軍事侵攻から1000日となるとしたうえで、「ロシアの目標は、当時と変わらずウクライナ人を殺し、文化を消すことだ。あのときの犯罪の記憶もウクライナの兵士たちに力を与えている。ウクライナは必ず勝利する」と述べました。
式典に参加したウクライナ出身の女性は「ホロドモールといい、いま起きている侵攻といい、一番悲しいことが繰り返されている。早く平和になってほしい」と話していました。