原子力規制庁によりますと、茨城県にある「日本核燃料開発」は、放射性物質を含む廃液を扱うタンクや建物の給排気設備など5つの設備の点検について、実際には行っていないにもかかわらず、実施したとする虚偽の内容を点検簿に記録していたということです。
もっとも長いケースでは、2009年度から14年間にわたって不正な記録が行われ、いずれも同じ担当者が行っていたということです。
この企業は、3年前にも、点検していない火災感知器について、20年余りの間、消防に正常だと報告していたため、施設の運営ルールなどを定める保安規定の違反が認定されていて、新たな不正は去年、改善状況を調べる検査の中で発覚したということです。
「日本核燃料開発」虚偽内容を点検簿に記録 長期間繰り返す
核燃料の研究や開発を手がける企業「日本核燃料開発」が、放射性物質を扱う設備などの点検を実際には行っていないにもかかわらず、実施したことにする不正を長期間繰り返していたことが原子力規制庁の検査でわかりました。この企業は3年前にも、必要な点検を行っていなかったとして原子力規制委員会から違反を認定されていました。
12日開かれた原子力規制委員会の会合では、不正の背景として
▽職員数と検査業務の量のバランスが取れていないことや
▽上司や管理職も追加の人員配置など、是正に向けた有効な対策を取れていなかったことなどが指摘されました。
そのうえで「組織としての改善が不十分だ」として、前回より深刻な違反だと認定し、改善状況を厳しく確認していくことを決めました。