ワクチン2回接種どうし 少人数で会食も全員感染 新型コロナ

ワクチンを2回接種した人どうしで、少人数で飲みに行ったあと全員の感染が分かったケースもあります。

東京 品川区に住む28歳の男性は、今月14日に同僚2人と居酒屋に飲みに行きました。

体調の異変を感じたのは3日後の今月17日。
仕事中にけん怠感と悪寒を感じ、夜には38度7分の高熱が出ました。

翌朝になっても熱は下がらず、都の発熱相談センターに紹介してもらった病院でPCR検査を受け、その日のうちに感染が確認されました。

その後、同僚2人も検査で陽性となりました。
このうち34歳の男性は、5日後の19日に発熱。
38歳の男性は、今も症状はありません。

3人が訪れた店は、入り口に消毒液が置かれ、換気も行われていました。
また来店したとき、ほかの客は4人のグループだけで、店内はすいていたといいます。

男性と同僚2人は、このグループとは2メートル以上離れた場所に座っていたほか、テーブルの端にはほかの客と仕切るためのアクリル板も置かれていました。

ただテーブルは直径1メートル程度の円卓で比較的小さく、男性と同僚の間を仕切るものは無かったということです。

男性は「みんなワクチン2回打っていて、ふだんから(感染対策を)気にしては過ごしているメンバーではありました。それでもかかってしまうので、対策をしていても防ぎようが無くなってきているのかなと思います」と話しています。

男性の熱は1日で下がり、そのほかに症状はありません。
発熱したもう1人の同僚も症状は軽いということです。

一方で、仕事への影響は大きく、感染した3人とも10日間ほど休まざるを得なくなりました。

また発症するまでの数日間はいつもどおり出勤していたことから、男性が働く会社では、発熱したという連絡を受けた時点で社員全員に備蓄していた抗原検査キットを使うなどして検査を行うなど対応に追われたということです。

男性は「いつどこでかかるか、どこに陽性の方がいるか分からない。そういう意識を持ってできるだけ人が集まる場所は行くのを控えて過ごすしか対策としては無いのかなと思いました」と話していました。

専門家「ブレイクスルー感染多数確認」

厚生労働省の専門家会合のメンバーで、国際医療福祉大学の和田耕治教授は、「オミクロン株ではワクチンを接種していても免疫を回避して感染するブレイクスルー感染がすでに国内でも多数確認されています。さらにデルタ株よりも感染の伝ぱもしやすいことからこれまで以上に感染が広がりやすいと言えます。高齢者などに広まると、一定の確率で重症化することが国内でも見えてきているので、特に感染が拡大している時は会食は少人数でなるべく短時間にするなど、できるだけ感染を広げないように行動する必要があります」と話しています。