岡山出身 体操・岡慎之助選手がパリ五輪代表内定

パリオリンピックの代表選考を兼ねた体操のNHK杯で、岡山市南区出身で20歳の岡慎之助選手が初優勝を果たし、代表に内定しました。

体操のNHK杯は、4月の全日本選手権の得点を持ち点に、男女ともに2日間の演技で争われ、このうち男子は、すでに内定しているエースの橋本大輝選手を除く個人総合の上位2人と、団体総合で得点に貢献できる2人の合わせて4人がパリオリンピックの代表に内定します。
19日は男子の2日目の競技が行われ、右手の中指を痛めた橋本選手は大会を棄権し、エース不在の争いとなりました。
1日目を終えてトップに立った20歳の岡選手は、落下が続いている2種目目のあん馬でミスが出て12.466と得点を伸ばせず、2位の萱和磨選手に0.3あまりまで迫られました。
それでも、続くつり輪では、力を入れてきた取り組んできた「中水平」を力強くこなすと、着地を完璧に止めて14.366と立て直しました。
5種目目、得意の平行棒ではつま先まで伸びた美しい倒立姿勢を見せるなど、14.466をマークして一度もトップをゆずることなく最終種目の鉄棒を迎えました。
鉄棒でもコールマンなどの手放し技を成功させると、最後の着地まで完璧に決め、全日本選手権との合計得点を342.727として初優勝を果たし、初めてのオリンピック代表に内定しました。
岡選手は「目標にしていたパリの代表を勝ち取ることができてほっとしている。ケガをしても『絶対パリに自分が行く』という思いがあったから前を向くことができたし、きついトレーニングばかりだったが、それを乗り越えて結果を出せてうれしい。乗り越えてよかった」と話しました。
オリンピックに向けては「まずはチーム全員で力を合わせて団体の金メダルを絶対に取るということと、個人でも種目別の平行棒で金メダルを取れるように頑張りたい」と意気込んでいました。
岡選手は、岡山市南区出身の20歳。
4歳で体操を始め、柔軟性のある美しい体操を持ち味に、15歳で世界ジュニア選手権の個人総合を制した次世代のホープです。
中学を卒業したあと、アテネオリンピック男子団体金メダリストの米田功さんが監督を務める「徳洲会体操クラブ」に所属しました。
しかし、おととし(2022年)の全日本選手権で予選3位で決勝に進みましたが、4種目目の跳馬で着地に失敗し、右ひざの前十字じん帯を断裂して全治8か月の大けがをしました。
手術後、リハビリに励みながら苦手な「つり輪」の克服に取り組み、技の難しさを示す「Dスコア」を大きく上げるなど、4月の全日本選手権では得意種目の「平行棒」に加え「つり輪」でも高得点をマークしました。