上にある記事の通り、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」のフレグランスが売れ続けていますが、特に若い世代を惹きつけている理由には、ポジティブだったり完璧だったりしなくても良い「寛容な内省性」があるのではないか?と思っています。つまり若い世代の共感を誘うには、こうした「寛容な内省性」が必要なのです。
例えば、「メゾン マルジェラ」の中で一番売れている”レイジー サンデー モーニング”という香水を考えてみましょう。この香水は、レイジー(lazy)、つまりちょっと怠けちゃった日曜朝のベッドルームが舞台です。私がイメージするのは、午前10時とか11時くらい。そんな時間だから、もうカーテンからは陽の光が差し込んでいます。「あぁ、起きなきゃ」とは思っているけれど、「休みだし、いっか」とも思っていて、「あと30分!」とか言いながらゴロゴロしている時の、ベッドリネンの心地よい香りが”レイジー サンデー モーニング”。そんなイメージでしょうか?
「メゾン マルジェラ」は、正直ここまでシチュエーションを詳細には語りません。だからレイジーと言っても、人によっては朝9時くらいかもしれないし、隣にはパートナーがいるかもしれない。「あぁ、起きなきゃ」なんて思ってないかもしれないし、下手したらパジャマのままでベッドの上でブランチしているかもしれません。大事なのは、製品によって、個々人がそれぞれの記憶を呼び起こすこと。特にマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)の世界を表現した“白ラベル”は、そんなコンセプトで製品を開発しています。
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