tenor
「tenor」の意味・「tenor」とは
「tenor」は、音楽の分野でよく使われる言葉である。具体的には、男性の歌声の中で比較的高音域を担当する声域を指す。オペラやクラシック音楽においては、テノールは主役級の役割を担うことが多い。また、楽器の中でも「テノール」という名前がついているものがあり、それらは一般的に中音域を担当する楽器である。「tenor」の発音・読み方
「tenor」の発音は、IPA表記では /ˈtɛnər/ となる。IPAのカタカナ読みでは「テナー」となり、日本人が発音する際のカタカナ英語では「テナー」と読む。この単語は発音によって意味や品詞が変わるものではない。「tenor」の定義を英語で解説
英語での「tenor」の定義は次の通りである。「A singing voice that is the second highest in range, above the baritone and below the alto.」これを日本語に訳すと、「バリトンより高く、アルトより低い範囲の歌声」を意味する。「tenor」の類語
「tenor」の類語としては、「soprano」、「alto」、「bass」などがある。これらは全て音楽の分野で使われる言葉で、それぞれ異なる声域を指す。「tenor」に関連する用語・表現
「tenor」に関連する用語としては、「opera」、「symphony」、「concert」などがある。これらは全て音楽や演奏に関連する表現で、「tenor」が使われる場面と重なることが多い。「tenor」の例文
以下に「tenor」を用いた例文を10個示す。 1. His voice has the range of a tenor.(彼の声域はテノールである)2. The tenor sang an aria from the opera.(テノールはオペラのアリアを歌った)
3. He is the lead tenor in the choir.(彼は合唱団の主要なテノールである)
4. The tenor saxophone has a rich, deep sound.(テノールサクソフォンは豊かで深い音色を持つ)
5. The tenor of the meeting was serious.(会議の全体的な趣旨は真剣であった)
6. The tenor solo was particularly impressive.(テノールのソロは特に印象的であった)
7. The tenor part in this song is difficult.(この曲のテノールパートは難しい)
8. He is known as a talented tenor.(彼は才能あるテノールとして知られている)
9. The tenor's performance was met with applause.(テノールの演奏は拍手で迎えられた)
10. The tenor of his speech was hopeful.(彼のスピーチの全体的な趣旨は希望に満ちていた)
テナー【tenor】
テノール【(ドイツ)Tenor】
Tenor
テノール
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テノール、またはテナー(英: tenor、仏: ténor、独: Tenor、伊: tenore)は、高い声域の男声歌手(カウンターテナーほど高くはない)あるいはその声域のことである。
概要
4声体和声、混声四部合唱においては、2番目に低い声部で、バスより高くアルトより低い。4声体和声や合唱ではC3〜A4くらいの音域である。ソロも含めてのより一般的なテノールの音域は概ねC3〜C5の範囲とされる[1]。音色は、透明感のある明るい声が特徴である。裏声(ファルセット)は通常使用しない(ファルセットを常用するのがカウンターテナーである)。混声四部合唱ではソプラノと合わせて高声、アルトと合わせて内声とよばれる。
声楽においては、テノールはト音記号のヴァイオリン記号を用いて記譜されることが多い。その場合は実音表記ではなく、1オクターブ下げて読む(そうであることを明確にするために、ト音記号の下に数字の8をつけることがある)。合唱の譜面において、バスと同じ五線上に書く時にはヘ音記号のバス記号が用いられる。また、現在では少ないものの、アルト記号が用いられることもある(近年の使用例として、ショスタコーヴィチ「忠誠」)。古くはテノール記号が使われていた。
しばしば楽器に用いて、同グループの異なる楽器との関係で音域を示すのに用いられる。一例としてはテナーサックス(テノール・サクソフォーン)がある。
「テノール」の呼び名は「保つ」を意味するラテン語のtenereからとられた。「(主旋律を)保つ者」の意で、元々グレゴリオ聖歌の長く延ばして歌う部分を指した。中世からルネッサンス期初頭のポリフォニー音楽においては、テノール声部は常に主旋律(定旋律、羅: cantus firmus、カントゥス・フィルムス)を与えられた。他の声部はテノールに対し和声あるいは対旋律を加えた。
4声の男声合唱においては、テノールはさらにトップとセカンドにわかれる。トップが主旋律、セカンドが対旋律を担うことが多い。
なお、近年のJ-POPにおいては高い音域を取り入れる楽曲が主流のため、テノールの音域もしくはこれより高い音域で歌われているものが大半を占めており、裏声を除けばA4付近を最高音とする楽曲が多い。
分類
オペラにおいてテノールの声質を以下のように分類、形容することがある。上の方の声質は「軽い、柔かい、若々しい」印象を、下の方はより「重い、たくましい」印象を与える。
- レッジェーロ
- リリコ
- リリコ・スピント
- ドラマティコ
一人の歌手の声質が加齢とともに変化していくことも多く、殆どの場合それは「軽い→重い」の方向となる。
これとは別の概念として、ヴァーグナー作曲の歌劇・楽劇における英雄的な役どころを演じるのに適した声質をもつテノールのことを「ヘルデンテノール 」(独: Heldentenorから)と称することもある。
著名なテノール
日本国外
- あ行
- ヴラディーミル・アトラントフ
- ウルス・ブーラー (Il Divo)
- フランシスコ・アライサ
- ジャコモ・アラガル
- ロベルト・アラーニャ
- ルイジ・アルヴァ
- マルセロ・アルバレス
- ジュゼッペ・アンセルミ
- ペーター・アンダース
- ジークフリート・イェルザレム
- ラモン・ヴァルガス
- チェーザレ・ヴァレッティ
- アラン・ヴァンゾ
- ジョン・ヴィッカーズ
- ラモン・ヴィナイ
- ヴォルフガング・ヴィントガッセン
- フリッツ・ウール
- フリッツ・ヴンダーリッヒ
- クルト・エクウィルツ
- ロタール・オディニウス
- か行
- ヨナス・カウフマン
- ロベルト・ディ・カンディド
- ウラジミール・ガルーシン
- エンリコ・カルーソー
- ホセ・カレーラス
- ジェームス・キング
- アルベルト・クピード
- ホセ・クーラ
- アルフレード・クラウス
- アラン・グラスマン
- リチャード・クルックス
- エドモン・クレマン
- グレゴリー・クンデ
- ニコライ・ゲッダ
- イワン・コズロフスキー
- フランコ・コレッリ
- ルネ・コロ
- さ行
- ジュゼッペ・サッバティーニ
- レナート・ザネッリ
- ジュゼッペ・ザンピエーリ
- ベニャミーノ・ジーリ
- ニール・シコフ
- ジュゼッペ・ジャコミーニ
- ヨーゼフ・シュミット
- ペーター・シュライアー
- ルドルフ・ショック
- ラウル・ジョバン
- エドワード・ジョンソン
- アントニーノ・シラグーザ
- ティート・スキーパ
- ルートヴィヒ・ズートハウス
- レオ・スレザーク
- ブルース・スレッジ
- ジョヴァンニ・ゼナテッロ
- ミシェル・セネシャル
- た行
- リヒャルト・タウバー
- リチャード・タッカー
- アドルフ・ダッラポッツァ
- フランチェスコ・タマーニョ
- フェルッチョ・タリアヴィーニ
- レナート・チオーニ
- ハインツ・ツェドニク
- イゴル・ツクロヴ
- ジュゼッペ・ディ・ステファーノ
- ジョルジュ・ティル
- ピエロ・デ・パルマ
- ベルナルド・デ・ムーロ
- フェルナンド・デ・ルチア
- アントン・デルモータ
- マリオ・デル=モナコ
- 田大成
- アルマンド・トカチャン
- ジェス・トーマス
- プラシド・ドミンゴ
- ジャン・ド・レシュケ
- な行
- は行
- ルチアーノ・パヴァロッティ
- ジェリー・ハドレー
- ダニエーレ・バリオーニ
- ランド・バルトリーニ
- スチュアート・バロウズ
- ジャン・ピアース
- ピーター・ピアーズ
- ラウル・ヒメネス
- ユッシ・ビョルリング
- マリオ・フィリッペスキ
- フランツ・フェルカー
- クリストフ・プレガルディエン
- シャルル・ブルレ
- ブルーノ・プレヴェディ
- ミゲル・フレータ
- ヤン・ブロン
- ファン・ディエゴ・フローレス
- ウーゴ・ベネッリ
- エルンスト・ヘフリガー
- カルロ・ベルゴンツィ
- バンジャマン・ベルナイム
- アウレリアーノ・ペルティーレ
- アンドレア・ボチェッリ
- ハンス・ホップ
- フランコ・ボニゾッリ
- ペーター・ホフマン
- アレッサンドロ・ボンチ
- ま行
- ジョン・マコーマック
- ジェームス・マックラッケン
- ウィリアム・マッテウッツィ
- ニーノ・マルティーニ
- ジョヴァンニ・マルティネッリ
- ギ・ド・メ
- クリス・メリット
- ジェームズ・メルトン
- ラウリッツ・メルヒオール
- ニコラ・モンティ
- や行
- ら行
- アントニー・ラチューラ
- ジャンニ・ライモンディ
- ジャコモ・ラウリ=ヴォルピ
- イポリト・ラサロ
- フラヴィアーノ・ラボー
- マリオ・ランツァ
- アルベール・ランス
- サルヴァトーレ・リチートラ
- セルゲイ・レメシェフ
- ヘルゲ・ロスヴェンゲ
- アンジェロ・ロフォレーゼ
- マックス・ローレンツ
- わ行
日本
- あ行
- か行
- さ行
- た行
- な行
- は行
- ま行
- や行
- わ行
他の声域
脚注
- ^ フレデリック・フースラー/イヴォンヌ・ロッド=マーリング 『うたうこと 発声器官の肉体的特質』 須永義雄・大熊文子訳 音楽之友社、2000年、111頁。ISBN 4-276-14252-0
- ^ 高橋達也
関連項目
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