phraseとは? わかりやすく解説

phrase

別表記:フレーズ

「phrase」とは、句・言い回し決まり文句のことを意味する表現である。

「phrase」とは・「phrase」の意味

「phrase」は、文法用語として使われる場合には、「2個以上の単語組み合わされた、なんらかの意味を持つ単語集まり」のことを意味する。この単語集まり中には、「S(主語)+V(動詞)」の形の集まりは、含まれてはいない。訳せば、「句」ということになる。また、言い回し決まり文句表現」という意味でも使われる。さらに、音楽場合には、「ある曲の流れの中で自然と区切りがつくまとまりのこと」を「phrase」という。ダンス一連の動きを表すこともある。ちなみに、「phrase」は、数えることのできる可算名詞なので、複数形にすることができる。複数形は、「phrases」となる。

「phrase」は、「~を言葉で)表現する」という意味で、動詞として使われることもある。音楽場面で使われる時には、「曲をまとまりフレーズ)ごとに区切る」「曲をまとまりフレーズ)ごとに区切って演奏する」という意味になる。

「phrase」の発音・読み方

「phrase」の発音記号は、[fréɪz] である。これをカタカナで表すなら、「フレイズ」が発音に近い表記となる。

「phrase」の語源・由来

「phrase」は、「話す」という意味の 古代ギリシア語 phrazo に「ーこと」という意味の -sisがついた言葉由来していると考えられている。それが、ラテン語で「phrasis(話し方)」となり、やがて「phrase」となった

「phrase」を含む英熟語・英語表現

「In a phrase」とは


In a phrase」は、「一口で言うと・一言言えば」と訳すことのできる決まり文句だ。「短い言葉簡単に言うと」という意味で使われる

「phrase」に関連する用語の解説

「words and phrases」とは


words and phrasesの意味は、「語句」である。単語連語成句など、言葉のことを指している。

「phrasal verb」とは


phrasal は、形容詞で「句の、句からなる」という意味である。また、verb は、名詞で「動詞」という意味を持つ。「phrasal verb 」で、「句動詞」という意味になる。句動詞とは、2個以上の単語集まって成り立っている動詞の意味を持つ言葉だ。役割は、あくまでも動詞として働く。たとえば、get up起きる・起き上がる)、 take off離陸する・脱ぐ)、look for探す)、look out気をつける)などがある。

「verb phrase」・「verbal phrase」とは


2個の表現仕方があるが、どちらも動詞句」と訳されている。英語表記日本語表記も「phrasal verb句動詞)」と似ているが、意味も働きも違う。「動詞句」は、動詞使われている2語以上の集まりのことだ。こちらは、「句動詞」とは違い動詞的役割を果たすものではなく名詞的な役割形容詞的役割副詞的な役割を果たす

「coin a phrase」とは


coin は、「硬貨」という名詞の意味もあるが、「新語などを造り出す」という動詞として使われることもある単語だ。そこから、「coin a phrase」とは、古くからある決まり文句を少し変えたりして、ユーモア交えて言う場合に使うようになった。「新し言い方をすれば」という意味である。

「catchy phrases」とは


興味引きつけそうな言い回し」のことだ。「catch phraseとなるとキャッチフレーズ、人の関心引きつけるために特徴良いところ強調していう言葉、うたい文句という意味になる。

「phrase book」とは


外国語会話表現集のことだ。旅行で使う会話表現慣用表現載っている。海外旅行に行く時や、海外から来た人と会話をする時に役に立つ

「phrase」の使い方・例文

・I bought a phrase book yesterday. I'm going to America next month.(ぼくは昨日旅行会話表現集を買った。来月アメリカに行くんだ。)
・That phrase was so cool.(あの言い回しは、とてもステキだった。)
What kind of phrases will he like? (どんな言い回しをしたら、彼は気に入ってくれるのかな?)
I thought of some catch phrases. (ぼくは、いくつかのキャッチフレーズ考えた。)
Have you ever heard of the phrase "Oni ha soto"? It means "demon go away".(あなたは、「鬼は外」というフレーズ聞いたことがある?それは、「邪悪なものは出て行け」という意味よ。)

フレーズ【phrase】

読み方:ふれーず

句。成句。「キャッチ—」

音楽で、楽句


フレーズ[phrase]

楽句または楽節と呼ぶ。区切り良い所区切られた短いメロディ・ラインのこと。クラシックでは4小節であることが多い。

(phrase から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/20 04:28 UTC 版)

(く、英: phrase)とは、1つ以上のの組み合わせからなる文法単位である[注 1][注 2]。複数の句を組み合わせることでできると、1つ以上の節を組み合わせることでできるとは区別される[2]

概要

句は、1つ以上の語の組み合わせであり、必ず主要部と呼ばれる語を含まなければならない。例として、名詞句は必ず名詞に分類される語を含み、動詞句は必ず動詞に分類される語を含む。したがって、句は必ず主要部の語の品詞の性質を継承する[注 3] (すなわち、形容詞句と名詞が組み合わさり形容詞句 (=述語) になることはなく、必ず名詞句となる)。句を作るための語の組み合わせはその語の性質により決まっており、例えば他動詞の「吸う」であれば、「何を吸うか」を表す目的語の名詞句があって初めて実用的な意味を成すことができる。これは、「吸う」という語は1つの名詞句と組み合わされることで動詞句を作ることを意味している。

  • 「(主語は) たばこを吸う。」
  • [動詞 吸う]
  • [名詞句 [名詞 たばこ] を]
  • [動詞句 [名詞句 たばこを] 吸う][注 4]

一方、動詞が自動詞の場合は、目的語をとらないためその動詞自体が句を構成する。

  • 「(主語が) 泣く。」
  • [動詞句 [動詞 泣く]][注 5]

このように、句とは語の次に大きい文法単位である。

種類

句には様々なタイプがあり、学校文法上では概ね名詞句、動詞句、前/後置詞句、形容詞句、副詞句などが主流である。なお、より専門的な言語学統語論では、時制句決定詞句英語版などをはじめとした、無数の種類がある[注 6]

  • 名詞句 (英: noun phrase、統語論: NP)
名詞を主要部とする句。主要部である名詞の特性を引き継ぎ、事・物・人などを指し示す[注 3][注 7]。名詞句は、指示対象を詳述する語と名詞により構成され[注 8]、原則動作や状態は表さないため、動作・状態を詳述する副詞句とでは構成できない[注 9]。日本語は名詞の数 (すう) を英語のように区別しないため、「語」である名詞自体が名詞「句」となることも多い。
  • 「太郎は [名詞句 コーヒーを] 飲んだ」、「Taro drank [名詞句 coffee]」 (語が単体で名詞句となる例)
  • 「花子は [名詞句 その [名詞 パン] を] 食べた」、「Hanako ate [名詞句 the [名詞 bread]]」 (冠詞+名詞で名詞句となる例)
  • 「[名詞句 [形容詞句 きれいな] [名詞 花]]」、「[名詞句 [形容詞句 beautiful] [名詞 flower]]」 (形容詞句+名詞で名詞句となる例)
  • 「✗[名詞句 [副詞句 きれい] [名詞 花]]」、「✗[名詞句 [副詞句 beautifully] [名詞 flower]]」 (副詞句+名詞で名詞句を作れない例)
  • 動詞句 (英: verb phrase、統語論: VP)
動詞を主要部とする句。主要部である動詞の特性を引き継ぎ、動作や状態を表す[6]。前述の通り、動詞は目的語をとらない自動詞と目的語をとる他動詞に区分されるため、動詞句自体も自動詞句と他動詞句のような下位区分を持つ。
  • 「太郎が [動詞句 [動詞 叫ぶ]]」、「Taro [動詞句 [動詞 shouts]]」 (自動詞が単体で動詞句となる例)
  • 「花子は [動詞句 [名詞句 手紙を] [動詞 書いた]]」、「Hanako [動詞句 [動詞 wrote] [名詞句 a letter]]」 (他動詞+名詞句で動詞句となる例)
  • 「[動詞句 [副詞句 速く] [動詞 走る]]」、「[動詞句 [動詞 run(s)] [副詞句 fast]]」 (動詞+副詞句で動詞句となる例)
  • 接置詞句 (英: adpositional phrase)
名詞句と結びつき、場所・方向・手段などを表す[注 10]。英語などの主要部先導型 (英: head-initial) 言語では前置詞句 (英: prepositional phrase、統語論: PP) となり、日本語などの主要部終端型 (英: head-final) 言語では後置詞句 (英: postpositional phrase、統語論: PP) となる。
  • 「[後置詞句 [名詞句 学校] [後置詞 へ]] 行く」、「go [前置詞句 [前置詞 to] [名詞句 school]]」
  • 「[後置詞句 [名詞句 ペン] [後置詞 で]] 書く」、「write [前置詞句 [前置詞 with] [名詞句 a pen]]」


  • 形容詞句 (英: adjective phrase、統語論: AP)
形容詞を主要部とし、名詞句の性質・状態・心情等を表す[8]。主語名詞句の述語として機能する場合と、任意の名詞句の修飾語として機能する場合の二種類がある。
  • 「太郎は [形容詞句 [形容詞 忙しい]]」、「Taro is [形容詞句 [形容詞 busy]]」 (述語として機能する例)
  • 「[形容詞句 [形容詞 良い]] 人」、「(a) [形容詞句 [形容詞 nice]] person」 (修飾語として機能する例)


  • 副詞句 (英: adverb phrase、統語論: AdvP)
副詞を主要部とし、動作や状態を表す語句を修飾し意味を付け足す働きをもつ[注 11]。よって、述語 (動詞句、形容詞句) や文を修飾するが、別の副詞句を修飾する場合もある。[注 12]
  • 「[副詞句 [副詞 とても]] [形容詞句 きれい]」、「[副詞句 [副詞 very]] [形容詞句 beautiful]」 (形容詞句を修飾する例)
  • 「[副詞句 [副詞 おそらく]] [ 太郎は医者だ]」、「[副詞句 [副詞 Probably,]] [ Taro is a doctor]」 (文を修飾する例)
  • 「[副詞句 [副詞 非常に]] [副詞句 うるさく]」、「[副詞句 [副詞 very]] [副詞句 loudly]」 (別の副詞を修飾する例)

注釈

  1. ^ この組み合わせは恣意的なものであってはならず、一定のルールが存在する。例として、冠詞「the」と名詞「table」を組み合わせると名詞句「the table」ができるが、名詞「table」と副詞「really」を組み合わせると「table really」となり、名詞句とはならない。言語学においては、このような組み合わせのルールは句構造規則と呼ばれる。
  2. ^ 理論言語学における統語論 (特にミニマリスト・プログラム英語版ではない生成文法 (Xバー理論)) の用語では、指定部主要部補部付加部の組み合わせとして定義され[1]、一部の非終端節点(英語版)または構成素がこれに該当する。より厳密には、一般用語上の「句」とは統語論上の「最大投射」である。
  3. ^ a b 参考: 名詞句 - 広辞苑[3]
  4. ^ さらに、動詞句が主語の名詞句と組み合わさると、ができる。
    • 「太郎はたばこを吸う。」
    • [名詞句 [名詞 太郎] は]
    • [ [名詞句 太郎は] [動詞句 たばこを吸う]]
    「太郎はたばこを吸う」は単文 (1つの節からなる文) であるため、この節自体が文を構成する。
    • [ [ 太郎はたばこを吸う]]
    一方、複文は2個以上の節が組み合わさることによってできる文である。
    • 「私は太郎がたばこを吸うと思った。」
    • [ [ 私は [ 太郎がたばこを吸う(と)] 思った]]
  5. ^ 「〇〇がたばこを吸う」と同様に、さらにこの動詞句が主語と組み合わさると節、ないし文ができる。
    • 「赤ちゃんが泣く。」
    • [ [ [名詞句 赤ちゃんが] [動詞句 泣く]]]
  6. ^ 参考: Rizzi (1997)[4]、Cinque (1999)[5]など。
  7. ^ 代名詞も名詞の一種であるが、それ自身が指し示す対象を持たず、文脈や他の名詞句に対応して別途指示対象を割り当てられなければならないという点で特殊である。
  8. ^ 例えば、「きれいな花」は花であるが、花のなかでもきれいなものに限定される。
  9. ^ 英語における動名詞など、動詞が名詞化されたものはこの限りではない。
  10. ^ 参考: 前置詞 - 広辞苑[7]
  11. ^ 参考: 副詞 - 広辞苑[9]
  12. ^ 前述の通り、原則動作や状態を表さない名詞句は修飾できない。

出典

  1. ^ 原口・中村・金子 (編) (2016),「増補版チョムスキー理論辞典」, pp.521-523.
  2. ^ 句 - 広辞苑、2021年9月30日閲覧。
  3. ^ 名詞句 - 広辞苑
  4. ^ Rizzi, Luigi (1997) “The Fine Structure of the Left Periphery,” Elements of Grammar: Handbook in Generative Syntax, ed. by Liliane Haegeman, 281-337, Kluwer Academic Publishers.
  5. ^ Cinque, Guglielmo (1999) Adverbs and Functional Heads: A Cross-Linguistic Perspective, Oxford University Press, Oxford.
  6. ^ 動詞 - 広辞苑
  7. ^ 前置詞 - 広辞苑
  8. ^ 形容詞 - 広辞苑
  9. ^ 副詞 - 広辞苑 

関連項目



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