ZX Spectrum 128
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 01:25 UTC 版)
「ZX Spectrum」の記事における「ZX Spectrum 128」の解説
ZX Spectrum 128(コード名「ダービー」)は、スペインの流通業者 Investrónica と共同でシンクレアが開発した。スペイン政府がメモリ容量64KB以下のあらゆるコンピュータに特別な税をかけ、スペイン国内で販売するあらゆるコンピュータはスペイン語のアルファベットをサポートし、スペイン語のメッセージを表示すべしという法律を制定したため、その際に ZX Spectrum+ のスペイン市場への適応を助けたのが Investrónica である。 外観は ZX Spectrum+ とよく似ているが、ケース右端に電圧レギュレータ 7805 の冷却用の大きなヒートシンクを設けた点が異なる(従来は内蔵ヒートシンクだった)。 新しい機能としては128KB RAM、PSG(AY-3-8912)による3チャネルオーディオ、MIDI互換性、RS-232シリアルポート、RGBモニタポート、改善されたBASICエディタを含む32KBのROM、および外部キーパッドがある。 スペインのマドリッドで開催された見本市 SIMO '85 で発表され、スペインで44,250ペセタで発売された。Spectrum+の在庫が多数残っていたため、イギリス国内でこの新機種が発売されたのは1986年1月のことで、価格は£179.95とされた。イギリスでは外部キーパッドは用意されず、その端子は急遽「AUX」と改名されて発売された。ただし、外部キーパッド用ROMルーチンも残っていたので接続すれば使える状態だった。 Spectrumが使っているZ80はアドレスバスが16ビットなので、一度に使用可能なメモリは64KBまでである。はみ出している80KBのRAMを使用するため、それをアドレス空間の先頭16KBにマッピングできるようバンク切り換え技術を採用して設計された。同様に、16KBのBASICのROMと新たに追加されたエディタ用の16KBのROMも切り替えて使用されるようになっている。 新しいサウンドチップとMIDI出力機能のために BASIC に PLAYコマンドが追加された。また、従来互換の48KBモードに移行するコマンドとして SPECTRUM も追加されている(従来互換モードから128KBモードに戻るコマンドは存在しない)。BASICプログラミングで追加されたRAMを有効利用するために、RAMディスクにプログラムを保持できるようになっている。これらの新たなコマンドはユーザー定義文字の領域を使っていたため、いくつかのBASICプログラムでは互換性問題が発生した。 従来機種とは異なりスピーカーを内蔵していない。音はテレビのスピーカーから出るようになっている。 スペイン版では右下の "128K" のロゴが白になっていたが、イギリス版では赤になっていた。
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