YB25
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/06/20 13:45 UTC 版)
B/Yの比が25以上であるホウ化イットリウムは、B12二十面体を基にした構造を持つ。YB25のホウ素骨格は、二十面体からなるホウ化物としては最も単純なもので、1種類の二十面体と、それを橋渡しをしているホウ素原子からなる。'橋渡しホウ素'は、4つのホウ素と四面体方向に結合している。そのうち1つは別の橋渡しホウ素で、他の3つは二十面体ホウ素である。イットリウムは空間的に60-70%を占めていて、組成式YB25は原子数の比を単純に反映させたにすぎない。Y原子とB12二十面体はx軸方向にジグザグに配置している。橋渡しホウ素は、3つの二十面体ホウ素と結合していて、これは互いに平行ないくつもの (101) 結晶平面(図のxz平面)を成す。橋渡しホウ素と二十面体ホウ素の結合距離は0.1755 nmで、これは典型的なB-B共有結合のものと同じである。一方、橋渡しホウ素同士の結合距離は0.2041 nmと大きいので、平面同士の結合力は弱い。 圧縮されたイットリア (Y2O3) の球粒とホウ素粉末を1700 ºCまで加熱すると、YB25結晶が生成する。YB25相は1850 ºCまで安定である。さらに高温になると、融解せずにYB12やYB66へ転移する。このことは、YB25単結晶を成長させるのを難しくしている。
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