X-33
名称:X-33
打上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
開発機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)
運用機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)
打上げ場所: エドワーズ空軍基地解説:X-33は、スペースシャトルの後継となるはずの宇宙輸送システムRLV(Re-usable Launch Vehicle)の有人小型試験機でした。RLV計画では、軌道にペイロードを送るコストを現在のシャトルの10分の1の1000ドル/ポンドにすることを目指し、そのために使い捨てる部分のない単段軌道直行式SSTO(Single Stage To Orbit)の打上げシステムを開発しようとしていました。X-33実験機には衛星軌道に到達する能力はありませんが、実験がうまく行けば次には大型の実用SSTO打上げ機が製作される予定でした。X-33計画に対しては、マクドネル・ダグラス、ロックウェル・インターナショナル、ロッキード・マーティンの3社が提案を行ない、1996年7月ロッキード・マーティン案が選ばれました。ロッキード・マーティンX-33は、リニア・エアロスパアイク・ノズルという新しい概念を採用したロケット・エンジンが取り付けられ、シャトルのセラミック・タイルの代わりに耐熱金属で機体表面を覆っているのが特徴です。X-33は1999年3月に初飛行する予定でしたが、技術的問題と予算オーバーのため2001年3月にNASAは開発費の提供を打ち切りました。
X-33をよく知るためのアラカルト
どんな形をして、どんな性能を持っているの?
打上げや飛行の順序はどうなっているの?
どんなものを打ち上げたの?
どのくらい成功しているの?
この他に、同じシリーズでどんな機種があるの?
分類:ロケットX-33をよく知るためのアラカルト
どんな形をし、どんな性能を持っているの?
打上げや飛行の順序はどうなっているの?
どんなものを打ち上げたの?
どのくらい成功しているの?
この他に、同じシリーズでどんな機種があるの?1.どんな形をし、どんな性能を持っているの?
ロッキード・マーティンX-33は、べンチャースターの半円錐を基本としたリフティング・ボディ形態で、2枚の水平尾翼と斜め向きの2枚の垂直尾翼があります。胴体の後端は全体がロケット・エンジンのノズルとなっていて、液体水素を燃料とする2基のロケットダインJ-2Sエンジンの排気が、胴体から突き出たエアロスパイクの表面に沿って膨張しながら流れるようになっています。エンジンの合計推力は、離床時で186トンになります。X-33の全幅は20.73m、全長は20.42mで、実用型であるべンチャースターのほぼ半分の大きさになっています。離床総重量は123,966キログラムで、自重(乾燥重量)は28,440キログラムになります。
2.打上げや飛行の順序はどうなっているの?
X-33実験機は、エドワーズ空軍基地から垂直に発進し、大きな弾道を描いて上昇した後、次第に高度と速度を上げて、最終的には高度約70kmを達成、その後滑空しながら下降して約1,500kmはなれたマールストローム基地に着陸します。着陸したX-33は、1回毎にボーイング747改造機の背中に載せてエドワーズに戻されます。
3.どんなものを打ち上げたの?
ペイロードの代わりに試験機器を搭載する予定でした。4.どのくらい成功しているの?
2001年3月、NASAは開発費の提供を打ち切り計画は事実上の中止となりました。5.この他に、同じシリーズでどんな機種があるの?
べンチャースター(Venture Star)があります。
X-33 (航空機)
(X-33 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/20 15:06 UTC 版)
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X-33(想像図)
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|
基本データ | |
---|---|
運用国 | アメリカ合衆国 |
開発者 | ロッキード・マーティン |
使用期間 | 開発中止 |
開発費用 | 9億2200万ドル(未完成) |
発展型 | ベンチャースター |
物理的特徴 | |
段数 | 1 |
総質量 | 129 t (285,000 lb)[1] |
全長 | 21 m (69 ft)[1] |
直径 | 23 m (77 ft)(全幅)[1] |
X-33はアメリカ合衆国が開発していた再使用型宇宙往還機の無人実験機。アメリカ航空宇宙局 (NASA) とロッキード・マーティンが開発していた。スペースシャトルの後継機の一案であるベンチャースターの実証モデルであった。開発中止となり実機は完成しなかった。
概要
1990年代にNASAは、スペースシャトルの後継として単段式宇宙往還機 (SSTO) を構想し、ベンチャースターと呼ばれる宇宙往還機の開発検討がなされた。ベンチャースターの開発には、新しいロケットエンジンや耐熱素材の新規研究を行う必要があり、2分の1スケールの無人実験機を設計した。この無人実験機がX-33である。
X-33はリフティングボディであるために主翼がなく、垂直尾翼2枚とV字尾翼2枚を持つ。エンジンは液体酸素・液体水素を用いるリニアエアロスパイクエンジンである。垂直打上げを行い、水平飛行により着陸が行なわれる。試験はエドワーズ空軍基地に専用施設を建設し、そこで打ち上げを行なうことが予定され[2]、15回の飛行が計画されていた。実験機であるために、軌道到達能力は有する計画ではなかった。また、信頼性もスペースシャトルより高いものを求めた。
開発・設計は1996年2月よりスカンクワークスにおいて開始されたが、重量過多と技術的困難なために2001年3月に中止された。組み立ては85%、部品は96%、打上げ施設は100%の進捗状況であった[2] 。複合材製の液体水素タンクの性能に問題があり、従来のアルミニウム製のタンクと比較してもSSTOの実現に必要なほど軽量化が行なえなかった[3]。
NASAはキャンセルまでに、9億2200万ドルを費やしている。
脚注
- ^ a b c “X-33 Advanced Technology Demonstrator”. Marshall Space Flight Center Archived Historical Fact Sheets. NASA. 2012年6月3日閲覧。
- ^ a b “X-33 Launch Complex (Area 1-54)” (PDF). USAF. 2011年3月6日閲覧。
- ^ Bergin, Chris (2006年1月4日). “X-33/VentureStar - What really happened”. NASASpaceFlight.com. 2011年3月6日閲覧。
関連項目
外部リンク
- (旧)宇宙開発事業団 - 米国の次世代再使用型宇宙往還機について - ウェイバックマシン(2005年10月31日アーカイブ分)
- X-33 History Project page on NASA.gov (英語)
- X-33 cancellation press release, NASA, March 1, 2001. (英語)
X-33
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 02:08 UTC 版)
詳細は「X-33 (航空機)」を参照 X-33はベンチャースターに必要な先端技術を実証するために、NASAとロッキード・マーティンの共同でスカンクワークスチームにより開発が進められていた実験機である。ベンチャースターと同じような形状で、全長21m、全幅23m、総重量129tと、半分以下の大きさをしており、最高速度もマッハ13程度に抑えられていた。試験の失敗、スケジュールの遅延、予算超過に悩まされ、2001年3月1日に計画は打ち切られた。
※この「X-33」の解説は、「ベンチャースター」の解説の一部です。
「X-33」を含む「ベンチャースター」の記事については、「ベンチャースター」の概要を参照ください。
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