Windows_Journalとは? わかりやすく解説

Windows Journal

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/04 05:09 UTC 版)

Windows Journal
開発元 マイクロソフト
内包元
後継 OneNote、Microsoft ジャーナル
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Windows Journal(ウィンドウズ・ジャーナル)は、タブレットPCを使って手書きで入力し、ノートを作成するソフトウェアWindows XP Tablet PC Edition及び、Home Premium以上のWindows VistaWindows 7Windows 8/8.1に標準で付属された。Windows 10以降にはMicrosoft StoreにてUWPアプリの「Microsoft ジャーナル」が提供されている[1]

概要

Windowsに標準で付属するメモ帳などと違い、キーボードはほとんど使わず、ペンでノートを作成する。文字だけではなく、図や絵を書き込むこともできる。手書き文字はきれいに書いてあれば、テキストに変換することもできる[2]。ただし、認識出来るのは手書き文字だけで、画像ファイルにある活字をテキストに変換するといったOCRソフトの代わりにはならない。また、プリンターの一覧に用意されている「Journal ノート ライタ」によって、印刷するのと同じ手順で多様なファイルやウェブページエクスポートし、Journalで書き加えることができる[3]。つまり、印刷できるものなら何でもエクスポートして手書きで追加入力できる。

比較

パソコン上でペンを使って作成するという特徴から、紙や一般のワープロソフトと比較すると、以下のような利点や欠点が挙げられる。

紙との比較

  • ノートはファイルとして扱えるので、パソコン上で管理でき、電子メールで送ることもできる。
  • 簡単に編集できる。
    • 書いた後でインクの位置を変更したり、削除することが簡単である。
    • インクの太さ、色なども大量に用意されていて、いつでも変更できる。
  • 作成にはパソコンが必要なため、紙とペンに比べるとかさばり手軽ではない。

ワープロソフトとの比較

  • 図や絵を簡単に描くことができる。
  • 文字をひたすら入力する場合は遅い(ただし、Windows Journalでもキーボード入力は可能)。
  • レイアウトは非常に自由にできる。
  • 書類用などとしてきれいに入力することは困難。

なお、Microsoft Wordなど、ペンによる入力に対応したワープロソフトもある。

JNTフォーマット

マイクロソフトは、独自の.JNTファイル形式の情報を公開していないため、他の開発者やソフトウェアベンダーが.JNTファイルを読み書きすることは困難である。したがって、他のプログラムではWindows Journalファイルをインポートできない。Windows Journalで作成されたファイルを直接利用するサードパーティアプリケーションは存在しない。.JNTファイルは、外部アプリケーションで使用できるように、Journal Reader Supplemental Component[4]を使用してXMLなどの他の形式に変換する必要がある。また、OneNoteへの変換ツールも提供されている[5]。Microsoft ジャーナルではINKファイル(.ink)となり、ファイルの互換性はない。

Windows Journal Viewer

マイクロソフトがリリースしたWindows Journal Viewerを使用すると、Tablet PCソフトウェアがなくてもWindows Journalノート(.JNTファイル)を表示することができた。Windows 2000Windows XP、およびWindows Server 2003用にリリースされた最新バージョン1.5.2316.0は、2016年3月の時点では削除されている[6]

開発終了

2016年7月時点で[7]、Windows Journalは登場以来目立った更新が行われていないものの、Windowsの新バージョンの開発にあたって互換性のテストが行われ、2016年5月にもセキュリティホールへのパッチが行われた[8]

Windows 10においてWindows JournalはJuly 2015リリースおよびNovember Updateで利用可能であるが、Anniversary Updateでは削除された[9]。Windows 8.1およびWindows 7でも、KB3161102にてアプリケーションが削除された[10]。削除後も個別のソフトウェアとして提供されており、インストールすることで再び利用可能となる[11]

そのほとんどの機能はOneNoteで利用可能であり、Windows 10に統合されている。OneNoteはJNTファイルをサポートしていないが、マイクロソフトはジャーナルファイルをOneNoteファイルに変換するツールを提供している[12]2021年からは、Microsoft ジャーナルが提供され更新されている[13]

関連項目

脚注

  1. ^ Microsoft ジャーナルヘルプと学習 - Microsoft サポート
  2. ^ Windows Journalを使ってみよう!:Windows Journalって何だ?”. ITPro. 2021年4月2日閲覧。
  3. ^ Journal ノートライタ”. 初心者のためのOffice講座 (2007年6月4日). 2021年4月2日閲覧。
  4. ^ Microsoft Windows Journal Reader Supplemental Component for the Windows XP Tablet PC Edition Development Kit 1.7”. Microsoft Developer Network. Microsoft Corporation (April 2005). May 25, 2015閲覧。
  5. ^ Windows Journal を Microsoft OneNote のコンバーター (ベータ版) 用の更新プログラム - Microsoft サポート
  6. ^ Download Microsoft Windows Journal Viewer 1.5 from Official Microsoft Download Center”. Microsoft Download Center. Microsoft Corporation (14 March 2005). 2016年1月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。29 July 2014閲覧。
  7. ^ Windows Journal 向け2016年7月更新プログラム - Microsoft サポート
  8. ^ May 2016 – Microsoft Patch Tuesday”. GFI Software (2016年5月12日). 2016年7月8日閲覧。
  9. ^ Sticky Notes updated for preview users - MSPoweruser”. MSPoweruser (2016年5月5日). 2016年7月9日閲覧。
  10. ^ Windows Journal コンポーネントの削除に関する更新プログラム - Microsoft サポート
  11. ^ Windows 用 Windows ジャーナル アプリケーション - Microsoft サポート
  12. ^ Journal to OneNote Importer - OneNote Testing”. Microsoft (2007年12月21日). 2016年7月9日閲覧。
  13. ^ Microsoft ジャーナル リリース ノート - Microsoft サポート

外部リンク


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