Travel Medicineとは? わかりやすく解説

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旅行医学

【英】:Travel Medicine

旅行医学とは「海外渡航者の健康問題究明し予防する医学」であり、渡航医学とも呼ばれている。その対象となるのは、観光旅行者、商用旅行者海外長期滞在者(駐在員留学生)、海外永住者で、在日外国人難民医療も広い意味では旅行医学の範疇含まれる欧米では専門医療施設トラベルクリニック数多く設置されているが、日本では1990年代より、経済グローバル化海外旅行ブームとともに、その必要性認識されてきた。
旅行医学があつかう健康問題としては、自然環境の変化による疾病気候による疾病航空機内の疾病時差症候群高山病など)や衛生環境変化による感染症がその代表的なものである。さらに長期滞在者にとっては、生活習慣病メンタルヘルス障害大きな健康問題となる。また、海外滞在中の医療に関する諸問題医療機関受診医療費支払い)も対処すべき課題である。
トラベルクリニックでは、こうした健康問題未然に防ぐ予防対策重点おかれる出国前には健康指導(トラベルアドバイス)や現地医療情報の提供を行い必要に応じて健康診断実施するワクチン接種感染症予防のためには重要な対策である。帰国後の健康診断有症者への診療トラベルクリニック業務含まれる
日本国内でも近年は、国立病院中心にトラベルクリニック整備する動きがみられており、都市部では民間クリニックの数も増えている。こうしたトラベルクリニック情報は、検疫所日本渡航医学会のホームページから検索することができる。(濱田篤郎

参考日本渡航医学ホームページ http://www.travelmed.gr.jp/

渡航医学

(Travel Medicine から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/23 15:11 UTC 版)

渡航医学(とこういがく、travel medicine) は、医学の一分野であり、海外旅行者を対象とした健康問題の予防治療を扱う。旅行医学とも呼ばれる。


国際化と旅行

国際化に伴って疾病はこれまでにない速さで拡散するようになり、健康を脅かす様々な環境に身を置く旅行者も増えつつある。渡航医学の扱う内容としては、旅行者の健康を脅かす病気の地域別流行状況(疫学)、予防接種マラリア予防、そして年間6億人に及ぶ海外旅行者の健康を守るための旅行前カウンセリング、などが挙げられる。推定では、年間8,000万人の海外旅行者が、先進国から発展途上国へ旅行しているとみられる[1]

有病率と死亡率

死亡率研究によれば、旅行中の死亡の最大の原因は循環器疾患(50-70%)であり、外傷事故(~25%)が続く。感染症は旅行中・旅行後の死亡原因のうちわずか2.8~4%を占めるに過ぎない。一方有病率研究によれば、先進国からの旅行者が途上国で1ヶ月を過ごした場合に、半数以上が病気になるとされる[1]。中でも旅行者下痢症は最もよく見られる問題である。

専門領域

渡航医学を取り巻く学問領域としては、疫学感染症公衆衛生熱帯医学・高地生理学・旅行に関連した産科学精神医学産業医学・軍事医学・移民医学・環境衛生が含まれる。 特別な旅程や活動としては、クルーズ客船による旅行・ダイビング[要曖昧さ回避]・大集会(例: ハッジ)・荒野や辺境の地への旅行などが挙げられる。 基本的に、渡航医学は4つの主要分野に分けることができる。

  • 予防  予防接種と生活指導
  • 支援医学 緊急帰国や旅行者への治療
  • 辺境地医学 高地医学・クルージング医学・探検医学など
  • 保険医学 

活動範囲

渡航医学に含まれる活動として、渡航前相談や検診、旅行中の不慮の事故への備え、旅行後の健康相談などが含まれる。地域別の健康情報や飛行機旅行そのものによる危険についてなど、基礎となる情報は世界保健機関旅行情報 (英語)として提供されている。他にもアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の旅行情報 (英語)や日本の厚生労働省検疫所から有用な情報が得られる。

カバーすべき内容のメインは、ワクチン予防接種だが、他に「6つのI」として、次のようなアドバイスも行われる。

  1. 虫刺され(Insects): 虫除け蚊帳・マラリア予防薬
  2. 食中毒(Ingestions): 水質や食べ物への注意、旅行者下痢症対症療法など
  3. 分別のある行動(Indiscretion): HIV性感染症
  4. 外傷(Injuries): 事故を避ける工夫、身の安全の守り方、破傷風狂犬病
  5. 水に触れる際の注意(Immersion): 住血吸虫症
  6. 旅行保険の活用(Insurance): 担保内容の確認や、具体的な治療の受け方の指導

特に問題となる疾患

救急箱

旅行の際には、リスクに備えて持っていくと役に立つ薬がある。行き先や状況にあわせて、解熱鎮痛剤・マラリア予防薬・コンドーム旅行者下痢症の治療薬、絆創膏湿布ハサミなどの応急手当セットを用意するとよい。

関連項目

参考文献

  1. ^ a b Supercourse on Travel Medicine
  2. ^ CDC黄熱病のページ(英語)
  3. ^ CDC髄膜炎近世髄膜炎のページ(英語)
  4. ^ CDCマラリアのページ(英語)

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