T-69
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「ウェスト・ミッドランズ・メトロの車両」の記事における「T-69」の解説
ウェスト・ミッドランズ・メトロ(旧:ミッドランド・メトロ)の開業時に導入されたのは、同線向けのオーダーメイド車両としてイタリアのアンサルドブレーダによって製造されたT-69であった。前後車体の運転台側に主電動機を搭載したボギー台車が、中央部に付随台車が設置された3車体連接車で、動力台車が設置されている箇所を除いた車内全体の60 %が床上高さ350 mmの低床構造となっていた。全長は24,360 mm(79 ft 11 in)で、イギリスのライトレール向け車両の中で最も小型であった。塗装は赤や青、黄色(乗降扉部分)など多数の配色を用いたものが基本であったが、銀色を主体に車体上下をピンク色で塗った07や10、かつてバーミンガムに存在した路面電車(バーミンガム・コーポレーション・トラムウェイ(英語版))の復刻塗装を纏った11など例外も幾つか存在した。 1999年5月31日からの営業運転の開始に備え、1998年から1999年にかけて16両が導入され、1時間に最大10本の列車が運用可能な車両数を確保した。だが、運用開始後は電気配線を始めとしたメンテナンス費用が想定以上に嵩む事が明らかとなり、運用の面でも課題が多数挙がる事態となった。それでも2010年代まで主力車両として運用されていたが、2000年代後半になると耐用年数が近づく中で大規模な改修が必要となり、その中で製造が既に終了した事でアンサルドブレーダ側から予備部品の供給が不可能となっていた。更に、2009年時点で予定されていた延伸区間にある急勾配はT69の性能、特に制動装置の構造では不十分であった。これらの事情を踏まえ、新型車両として次項で解説するウルボス3を導入し、T69を全面的に置き換える事が決定された。 2014年からウルボス3の営業運転が開始された事に伴いT-69の運用離脱車両が発生し、以降はウルボス3の増備に合わせて営業運転からの離脱が続き、翌2015年4月をもって定期運用が終了した。それ以降も多客時の予備車として全車とも車両基地に残存していたが、2018年に1両を除いてウエスト・ミッドランズ合同行政機構(英語版)の一部門であるウエスト・ミッドランズ交通局(英語版)が主催したネットオークションに出品され、1両(07)がイギリスの路面電車業界団体であるUKトラムに、もう1両(11)がバーミンガム博物館へ売却された。また、オークション以降も2両(10、16)が車両基地に残存しており、そのうち16は事業用車両への改造が計画されているが、売却先が見つからなかった12両(01 - 06、08、09、12 - 14)についてはスクラップとして解体され2020年の時点で現存しない。 車内 屋根上の機器(01、2005年撮影) 07は塗装が異なっていた(2006年撮影)
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