ザウバー・C37
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/26 11:09 UTC 版)
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マーカス・エリクソンがドライブするC37
(プレシーズンテストにて) |
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カテゴリー | F1 | ||||||||
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コンストラクター | ザウバー | ||||||||
デザイナー | ヨルグ・ザンダー | ||||||||
先代 | ザウバー・C36 | ||||||||
主要諸元 | |||||||||
エンジン | フェラーリ 062 EVO 1.6L V6ターボ |
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タイヤ | ピレリ | ||||||||
主要成績 | |||||||||
チーム | アルファロメオ・ザウバーF1チーム | ||||||||
ドライバー | ![]() ![]() |
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出走時期 | 2018年 | ||||||||
表彰台(3位以内)回数 | 0 | ||||||||
通算獲得ポイント | 48 | ||||||||
初戦 | 2018年オーストラリアGP | ||||||||
最終戦 | 2018年アブダビGP | ||||||||
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ザウバー・C37 (Sauber C37) は、ザウバーが2018年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カーである。
概要
前年のC36はフェラーリの型落ちパワーユニット(PU)を使用していたが、C37は最新仕様のPUを搭載する[2]。アルファロメオとのパートナーシップを結び、カラーリングも白地に青のラインに変わり、赤く塗られたエンジンカウル部分にアルファロメオのロゴが大きく描かれている[3]。
サイドポンツーンの開口部がコックピットに寄せられて非常に小さくなっていて、サイドポンツーン自体も前後長が短くなり、後端部が低くなっている。コックピット上方のエアインテークが複数のスリットに分かれていて、レギュレーションの変更により小さくされたシャークフィンにもスリットが設けられている[3]。
2018年シーズン
ドライバーはマーカス・エリクソンが残留、新たにFIA F2選手権チャンピオンのシャルル・ルクレールを迎えた。
アルファロメオとの提携により、資金難が解消。最新仕様のPUを使用できるようになったこともあり、前年妥協を強いられたシャシー設計も大きく改善された。そのため、完走率は向上し、時折、バックマーカーとなってしまうものの、ウィリアムズやマクラーレンの不調もありその常連的な存在から脱却。序盤は予選Q1敗退が多かったが、第4戦でルクレールが予選Q2へ進出したのをきっかけにチームの予選成績が向上し始め、ルクレール自身は第8戦フランスGPで初めてQ3へ進出したのをきっかけにQ3の常連となった。そのうえ、2台でQ3進出に成功したGPもあり、前年より入賞圏内に入れるチャンスが増えている。その結果、第9戦オーストリアGPで2015年第3戦中国GP以来のダブル入賞を達成。また、フェラーリのチーフデザイナーを務めているシモーネ・レスタがシーズン中にガーデニング休暇なしでザウバーへ移籍し、フェラーリとの関係強化と同時にマシン開発が強化されることとなった[4]。 シーズン全体ではそれも換算してエリクソンが第2戦バーレーンGPの9位入賞を筆頭に6回、ルクレールは第4戦アゼルバイジャンGPの6位入賞を筆頭に10回と下位ではあるものの入賞を重ねており、特に第20戦ブラジルGPは予選でエリクソン7位、ルクレール8位と3強(メルセデス、フェラーリ、レッドブル)に次ぐ健闘を見せ、決勝もルクレールが3強に次ぐ7位に入賞を達成した(エリクソンはリタイア)。この健闘により、コンストラクターズランキングは8位に上がり、ルクレールはフェラーリへの昇格が決まった。前年に比べるとマシンの感触はドライバーに好印象を与えており、「最高のシーズンを過ごせた」という過去に例のない感想も発せられるなど、モチベーションの向上が光ったシーズンであった[5]。
スペック
シャシー
- シャシー カーボンファイバー製モノコック
- サスペンション
- フロントサスペンション ダブルウィッシュボーン インボードスプリングおよびダンパーによるプッシュロッド式
- リアサスペンション ダブルウィッシュボーン インボードスプリングおよびダンパーによるプルロッド式
- ブレーキ
- ブレーキキャリパー ブレンボ
- ブレーキパッド ブレンボ カーボンファイバー製
- ブレーキディスク カーボン・インダストリー
- トランスミッション フェラーリ 8速クイックシフト・カーボンギアボックス 縦置き カーボンファイバー製クラッチ
- シャシー電子機器 MES
- ERS フェラーリ
- ステアリングホイール ザウバーF1チーム
- タイヤ ピレリ
- ホイール O・Z
- 全長 5,500 mm
- 全幅 2,000 mm
- 全高 950 mm
- フロントトレッド 1,650 mm
- リアトレッド 1,550 mm
- 重量 733 kg(ドライバーを含む、空タンク時)
エンジン
- 名称 フェラーリ 062 EVO
- 気筒数・角度 V型6気筒 90度
- 排気量 1,600 cc
- ボア径 80 mm
- ストローク 53 mm
- バルブ数 24
- 最高回転数 15,000 rpm(レギュレーションで規定)
- ターボチャージャー シングルターボ
- 最大燃料流量 100 kg/h
- 最大燃料容量 105 kg
- インジェクション 500 bar 直接噴射
- ユニット数 3(1台あたり)
ERSシステム
- バッテリー出力:4 Mj(1周あたり)
- MGU-K 出力:120 kW
- MGU-K 最高回転数:50,000 rpm
- MGU-H 最高回転数:120,000 rpm
記録
年 | No. | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | ポイント | ランキング |
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AUS![]() |
BHR![]() |
CHN![]() |
AZE![]() |
ESP![]() |
MON![]() |
CAN![]() |
FRA![]() |
AUT![]() |
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ITA![]() |
SIN![]() |
RUS![]() |
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USA![]() |
MEX![]() |
BRA![]() |
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2018 | 9 | ![]() |
Ret | 9 | 16 | 11 | 13 | 11 | 15 | 13 | 10 | Ret | 9 | 15 | 10 | 15 | 11 | 13 | 12 | 10 | 9 | Ret | Ret | 48 | 8位 |
16 | ![]() |
13 | 12 | 19 | 6 | 10 | 18† | 10 | 10 | 9 | Ret | 15 | Ret | Ret | 11 | 9 | 7 | Ret | Ret | 7 | 7 | 7 |
脚注
- ^ “ザウバーF1、アルファロメオとの提携後初のマシン『C37』を初公開”. AUTOSPORTweb. (2018年2月20日) 2018年2月20日閲覧。
- ^ “ザウバーF1、ホンダとの提携取りやめ、フェラーリとパワーユニット契約。2018年は最新仕様搭載へ”. AUTO SPORT web (2017年7月28日). 2017年9月18日閲覧。
- ^ a b “アルファロメオ、F1"復活"第1号マシン。ザウバーC37が発表”. motorsport.com. (2018年2月20日) 2018年2月20日閲覧。
- ^ “跳馬No.2のシモーネ・レスタ、フェラーリを離脱し最高技術責任者としてザウバーに加入。深化するパートナーシップ”. formula1-data.com (2018年5月28日). 2018年11月17日閲覧。
- ^ “「僕にとって最高のF1シーズン」とエリクソン”. ja.espnf1.com (2018年11月26日). 2018年11月26日閲覧。
- ^ “The C37”. Sauber F1 Team (2018年2月20日). 2018年2月20日閲覧。
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