Sass
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 15:14 UTC 版)
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登場時期 | 2006 |
---|---|
設計者 | ハンプトン・キャトリン |
開発者 | ネイサン・バイゼンバウム、クリス・エプシュタイン |
最新リリース | 3.5.5/ 2021年5月12日[1] |
型付け | 動的 |
主な処理系 | Ruby、C++、Dart |
影響を受けた言語 | CSS、YAML、Haml、LESS |
影響を与えた言語 | LESS、Stylus、Tritium |
プラットフォーム | クロスプラットフォーム |
ライセンス | MITライセンス |
ウェブサイト | http://sass-lang.com/ |
拡張子 | sass 、scss |
Sass(サース[2][3]、英: Syntactically Awesome Style Sheets)は、ハンプトン・キャトリン[4]が設計しネイサン・バイゼンバウム[5]が開発したスタイルシート言語である。[6][7] 後にSassファイルに用いられる単純なスクリプト言語である SassScript 用の拡張が加えられた。
Sass は Cascading Style Sheets (CSS)で解釈される2種類の構文で構成されたスクリプト言語であり、SassScript はスクリプト言語自体を示す。 はじめにできた「インデント構文」では、Hamlと同様にコードブロックや改行コードを分離する際に字下げを活用している。単にSassと言ったらインデント構文のことを指す場合も多い。[8]新しい構文である「SCSS」(Sassy CSS)は、CSSのようなブロックの書式を使用し、ブロック内の別々の行にブロックとセミコロンを示すため波括弧を用いている。
CSS3はグループルールを適用するセレクタ及び擬似セレクターの一群で構成されている。 SASSは伝統的なプログラミング言語、特にオブジェクト指向言語で利用可能ないくつかの仕組みで、CSS3にはないものを提供することでCSSを拡張している。 SassScript の解釈時には、Sass ファイルで定義された様々なセレクタとして、CSSルールのブロックが作成される。 Sass インタプリタが SassScript をCSSに変換する。sass
か scss
の保存時に Sass がこれらを監視し、CSS出力変換を行っている。[9] CSS用の単純な糖衣構文でもある。
公式に Ruby で実装されているオープンソースソフトウェアであるが、 PHPを含めた多言語の実装も存在しており、中には libSass と呼ばれるC++による高性能の実装や、[10][11]JSass と呼ばれる Java による実装がある。[12]また、RubyによるSassが低速で、C++によるSassが新しい機能が追加しにくくなってきたことから、Dartによるdart-sassという実装が生まれた。[13][14]
インデント構文はメタ言語であり、SCSS はネストされたメタ言語であるように、プログラム意味論上では妥当なCSSは、妥当なSCSSである。Mozilla Firefox ウェブブラウザの拡張機能である Firebug との統合に対応している。[15]
変数
定義する変数は「$
」(半角ドル記号)で始まり、代入に半角のコロン「:
」が用いられる。[15]
数(単位を含む)、(引用符の有無にかかわらず)文字列、色(色名か指定記号)、ブーリアン型のデータ型に対応している。[15]
Sass 構文 | SCSS 構文 | コンパイル結果 |
---|---|---|
$blue: #3bbfce
$margin: 16px
.content-navigation
border-color: $blue
color: darken($blue, 10%)
.border
padding: $margin/2
margin: $margin/2
border-color: $blue
| $blue: #3bbfce;
$margin: 16px;
.content-navigation {
border-color: $blue;
color: darken($blue, 10%);
}
.border {
padding: $margin / 2;
margin: $margin / 2;
border-color: $blue;
}
| .content-navigation {
border-color: #3bbfce;
color: #2b9eab;
}
.border {
padding: 8px;
margin: 8px;
border-color: #3bbfce;
}
|
ネスティング
CSSは論理的なネストに対応しているが、コードブロック自体はネストされていない。 Sass により、ネストされたコードは互いに挿入できる。[8]
SCSS 構文 | コンパイル結果 |
---|---|
table.hl {
margin: 2em 0;
td.ln {
text-align: right;
}
}
li {
font: {
family: serif;
weight: bold;
size: 1.3em;
}
}
| table.hl {
margin: 2em 0;
}
table.hl td.ln {
text-align: right;
}
li {
font-family: serif;
font-weight: bold;
font-size: 1.3em;
}
|
名前空間のネストや親の参照を含むより複雑な種類は、公式文書で説明されている。[15]
ミックスイン
CSSはミックスインに対応していないため、同じコードを別の位置に繰り返し記載する必要がある。 ミックスインは、任意の妥当な Sass コードを含むコード節を示し、実行されるたびに翻訳結果が呼び出し元の位置に挿入される。 これにより効率的なコーディングや記述の簡略化だけでなく、内容変更を容易にする。[8]
SCSS 構文 | コンパイル結果 |
---|---|
@mixin table-base {
th {
text-align: center;
font-weight: bold;
}
td, th {padding: 2px}
}
#data {
@include table-base;
}
| #data th {
text-align: center;
font-weight: bold;
}
#data td, #data th {
padding: 2px;
}
|
反復処理
@for
、@each
、@while
を用いてIDやClassに変数を適用できる。
Sass 構文 | コンパイル結果 |
---|---|
$squareCount: 3
@for $i from 1 through $squareCount
#square-#{$i}
background-color: red
width: 50px * $i
height: 120px / $i
| #square-1 {
background-color: red;
width: 50px;
height: 120px;
}
#square-2 {
background-color: red;
width: 100px;
height: 60px;
}
#square-3 {
background-color: red;
width: 150px;
height: 40px;
}
|
引数
Sass 構文 | コンパイル結果 |
---|---|
@mixin left($dist) {
float: left;
margin-left: $dist;
}
#data {
@include left(10px);
}
| #data {
float: left;
margin-left: 10px;
}
|
組み合わせ例
SCSS 構文 | コンパイル結果 |
---|---|
@mixin table-base {
th {
text-align: center;
font-weight: bold;
}
td, th {padding: 2px}
}
@mixin left($dist) {
float: left;
margin-left: $dist;
}
#data {
@include left(10px);
@include table-base;
}
| #data {
float: left;
margin-left: 10px;
}
#data th {
text-align: center;
font-weight: bold;
}
#data td, #data th {
padding: 2px;
}
|
セレクタの継承
SCSS 構文 | コンパイル結果 |
---|---|
.error {
border: 1px #f00;
background: #fdd;
}
.error.intrusion {
font-size: 1.3em;
font-weight: bold;
}
.badError {
@extend .error;
border-width: 3px;
}
| .error, .badError {
border: 1px #f00;
background: #fdd;
}
.error.intrusion,
.badError.intrusion {
font-size: 1.3em;
font-weight: bold;
}
.badError {
border-width: 3px;
}
|
脚注
- ^ Latest releases
- ^ “The Future of Sass by Hampton Catlin”. 2016年2月18日閲覧。
- ^ “#01 Sassとはなにか?”. 2016年2月18日閲覧。
- ^ 英: Hampton Catlin
- ^ 英: Nathan Weizenbaum
- ^ Sass - Syntactically Awesome Style Sheets
- ^ “Nathan Weizenbaum's blog”. 2014年1月17日閲覧。
- ^ a b c Sass - Syntactically Awesome Stylesheets
- ^ Sass — Syntactically Awesome Stylesheets 解説書
- ^ https://drupal.org/project/sass
- ^ ハンプトン・キャトリン (2012年10月15日). “Hampton's 6 Rules of Mobile Design”. HTML5 Developer Conference. 2013年7月11日閲覧。
- ^ https://code.google.com/archive/p/jsass/
- ^ http://sass.logdown.com/posts/1022316-announcing-dart-sass
- ^ https://github.com/sass/dart-sass
- ^ a b c d Sass (Syntactically Awesome StyleSheets)
関連項目
外部リンク
Sass
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/25 06:38 UTC 版)
共にCSSプリプロセッサとして、規格化したプログラミング記法で整ったCSSを記述できる。 LESSのVer1.4以降はネスティングや、&:extendsと@extends擬似セレクタを経由した継承に対応した。それ以前のSassなど他のプリプロセッサとの主な違いは、CSSコードの重複回避に役立つ、クラス全体のルールの継承をサポートするための指向的@extends要素の有無であった。 SassはCSSの簡素化(中括弧などの冗長な要素を構文中から削除するなど)し拡張するため設計された。一方のLESSは可能な限りCSS記法に従い設計されたので、構文は既存のCSSコードと同じであった。その結果、既存のCSSは有効なLESSコードとして使用できる。 Sassの新Verでは、SCSS(Sassy CSS)と呼ばれるCSSに似た構文を導入した。 より多くの構文の比較については、https://gist.github.com/674726 を参照。
※この「Sass」の解説は、「LESS」の解説の一部です。
「Sass」を含む「LESS」の記事については、「LESS」の概要を参照ください。
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