NYSLとは? わかりやすく解説

NYSL

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/24 13:55 UTC 版)

NYSL (煮るなり焼くなり好きにしろライセンス) は、k.inabaが自作のフリーウェアのために作成したソフトウェアライセンスオープンソースのライセンスである[1]が、コピーレフトではない。

目次

主な特徴

  • 自由に複製し、頒布できる。
  • 自由に改変したものを公開できる。
  • BSDライセンスと異なり、著作権表示の義務はない。
  • GPLと異なり、コピーレフトではない。すなわち派生作品には好きなライセンスを設定でき、ソースコード公開の義務もない。

ライセンスを設定することの意味

作者の説明によれば[2]、NYSLはパブリックドメインであることを宣言しているにすぎない。それにもかかわらずライセンスとして明示することには、以下のような意味があると考えられる。

  • 日本では1990年代以前、著作権を留保したフリーウェアが誤ってパブリックドメインソフトウェア (PDS) と呼ばれることがあった。ライセンスを設定することにより、そうした誤解をしているわけでないことを明示できる。
  • 上記の誤解により、日本のフリーウェア作者にはPDSという呼称を忌避する傾向がある。ライセンスを設定することにより、PDSという名称を用いる必要がなくなる。
  • 日本では著作者人格権を放棄できないため、厳密な意味でのPDSは存在できないという主張がなされることがある。NYSLはこの主張に対抗するため、いかなる改変も著作者の意に反することはないと明示している[3]

NYSDL

NYSDLはフリーコンテントな文書(作者曰く、フリーコンテントより狭義の「Everyone'sDocument」)に適用するため、NYSLを書き換えたライセンス。GPLに対するGFDLと同様の関係にある。NYSLのライセンス文書自体もかつてNYSDLで公開されていた。現在は、NYSLはCC0でライセンスされている。CC0は機能上NYSDLとほとんど同等のライセンスである。

ライセンス全文

以下はNYSL Version 0.9982の全文。○○○○の部分は、ライセンスを設定する者が自分の名前に書き換えて使用する。

A. 本ソフトウェアは Everyone'sWare です。このソフトを手にした一人一人が、
   ご自分の作ったものを扱うのと同じように、自由に利用することが出来ます。

  A-1. フリーウェアです。作者からは使用料等を要求しません。
  A-2. 有料無料や媒体の如何を問わず、自由に転載・再配布できます。
  A-3. いかなる種類の 改変・他プログラムでの利用 を行っても構いません。
  A-4. 変更したものや部分的に使用したものは、あなたのものになります。
       公開する場合は、あなたの名前の下で行って下さい。

B. このソフトを利用することによって生じた損害等について、作者は
   責任を負わないものとします。各自の責任においてご利用下さい。

C. 著作者人格権は ○○○○ に帰属します。著作権は放棄します。

D. 以上の3項は、ソース・実行バイナリの双方に適用されます。

脚注

  1. ^ ただし作者自身はオープンソースという呼び名を使っていない。
  2. ^ NYSL - 他のライセンス:PDS
  3. ^ NYSL - よくある質問

関連項目

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