エムペグ【MPEG】
MPEG
別名:エムペグ
ムービング・ピクチャー・エキスパート・グループ。動画の圧縮、及びデスクトップ上の映画公開の基準。このMPEGファイルを起動するには特別な表示アプリケーションが必要。
エムペグ
MPEG 【Moving Picture Experts Group】
MPEG-1が1993年、MPEG-2が1994年、MPEG-4が2000年、MPEG-7が2001年にISO国際標準化された。
MPEG-1からMPEG-4までは、主として映像・音声信号の圧縮に関する規定であったが、MPEG-7以降は、検索や著作権保護等を考慮したより広範囲な内容を含む様になった。
MPEG-1からMPEG-4の映像信号圧縮の技術は、画面(フレームまたはフィールド)を縦横に細分化してデータ変換するDCTを用いた圧縮技術と、時間的に連続した画面間(フレーム間またはフィールド間)から変化した部分を抜き出してその動きを表現する技術が基本となっている。
MPEG-1
CD-ROM 等のパッケージメディアを想定し、最大1.5Mbps程度に映像信号と音声信号を圧縮する方式としてまとめられた(同期システムに関する規定も含む)。映像信号フォーマットは通常352画素 240本 30 フレーム/秒(NTSC 対応時)であり、ビデオCD 等に利用されている。
MPEG-2
放送、通信、パッケージメディア等、広範囲なメディアを想定し、映像信号と音声信号を圧縮する方式(同期システム規定も含む)。
映像信号フォーマットは、720画素 480本 30フレーム/秒の4:2:0フォーマットをはじめ、1920画素 1080本のHDTVなど種々のフォーマットに対応している。MPEG-1以上の高解像度でフレーム/フィールド対応も可能であり、より高画質な映像を得ることが出来る。HDTVを含む衛星デジタル放送、DVDパッケージメディア等に利用されている。
MPEG-4
移動体通信(携帯端末)やインターネットでの使用を想定し、映像信号をより低い転送レートで伝送出来ることを目的とした圧縮方式及びシーン合成等の同期システム規定。コンピュータグラフィックスや静止画等も組み込むことが出来る。人物や背景、文字やコンピュータグラフィックスなど、画面を構成する要素や音声をオブジェクトとして扱って別々に圧縮したり、伝送時の誤り補償を強化するなどの対応が図られている。視聴者がオブジェクトを選択して再生できるインタラクティブ性も備えている。
MPEG-7
デジタル化されたコンテンツの中から、ユーザーが欲しい情報を効率良く検索出来ることを目的として、コンピュータグラフィックスや静止画も含む映像信号及び音声信号のデータの内容の記述方法を標準化したものである。
例えば、ある映像作品のデジタルデータにタイトルや内容記述、文字、色や形などの情報をメタデータと呼ばれる形で付加することにより、ホームサーバーやインターネット流通等での検索を容易にする。
【参】DCT,JPEG,GOP
MPEG
Moving Picture Experts Group
動画像圧縮符号化の国際標準である「MPEG」(Moving Picture Experts Group)とは、動画の符号化技術を研究するISO/IECの専門化グループの略称で、このMPEGというグループ名がそのまま規格名になっている。用途は幅広く、蓄積メディア系のCD-ROMやDVDなどから、放送系、通信(インターネット)系に至るマルチメディア・コンテンツの圧縮符号化の国際標準規格となっている。
MPEGは、基本的に次の3つの規格で構成されている。
(1)MPEG ビデオ :画像の圧縮符号化規格
(2)MPEG オーディオ :音声の圧縮符号化規格
(3)MPEGシステム :これらをコンピューター上で扱うためのシステム規格
これらは、それぞれMPEG-1規格、MPEG-2規格、MPEG-4規格の中に含まれている。
最新の画像圧縮符号化規格であるH.264/AVCは、画像圧縮だけの規格のため、上記のオーディオ規格やシステム規格と合わせて使用されている。H.264/AVCは、MPEG-4ビデオの仲間。
なお、音楽配信などで広く普及しているMP3は、MPEG-1オーディオの規格(レイヤーⅠ、レイヤーⅡ、レイヤーⅢの3種類ある)の1つで、最も高い圧縮率をもつ「MPEG-1オーディオ・レイヤーⅢ」の略。
関連用語:
エムペグ (MPEG)
MPEG [Moving Picture Coding Experts Group]
MPEG [Moving Picture Coding Experts Group]
MPEG (エムペェグ)
MPEG
読み方:エムペグ
MPEGとは、映像データを圧縮する際に用いられる方式のことである。ISOにより設置されたグループの名称がそのまま用いられている。
MPEG-1やMPEG-4といったさまざまな規格があり、それぞれに目的が異なっている。例えば、動画や音声のデジタル符号化規格としてのMPEG-1ではVTR並み、MPEG-2ではハイビジョンテレビ並みの画質を規定している。また、映像データがどの様なものであるかを説明するためのデータ作成方法を規定しているMPEG-7などもある。
.mpeg
Moving Picture Experts Group

Moving Picture Experts Group(ムービング・ピクチャー・エクスパーツ・グループ、動画専門家集団)あるいはMPEG(エムペグ)は、ビデオとオーディオに対して符号を付与する基準の開発責任を負ったISO/IECのワーキンググループで1988年1月に設立し、その最初の会議はオタワ(カナダ)で1988年5月に開催された。2005年の終わりの時点で、MPEGは、様々な産業、大学および研究機関から約350人のメンバーが参加している。MPEGの公式名称はISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11である。「Motion 〜」などとも呼ばれる。
グループの略称をMPEGといい、またはそこがつくった動画等の標準規格の名称としてMPEGが使われるようになった。標準規格の名称がMPEGであり、略称ではない。音声圧縮方式のMP3やファイルフォーマットのMP4はMPEGが規格化した方式である。MPEG-2システムはH.222.0、MPEG-2ビデオはH.262、MPEG-4 Part 10 AVCはH.264と同じ内容であるように、MPEGとITU-Tは共同で規格化作業を行うことがある。
主なMPEG規格
MPEGは以下のような圧縮フォーマットおよび付随的な基準を標準化した。ヒトの視覚は目に入る左上頂点から認識する特性があることから、それを原理的に取り入れ、各種な圧縮展開方策が取られている。
- MPEG-1 - 最初のビデオ・オーディオ圧縮基準。その後、ビデオCD用基準として使用。著名なMP3(Layer 3)オーディオ圧縮フォーマットを含んでいる。
- MPEG-2 - テレビジョン放送向けの伝送に使用するビデオおよびオーディオ基準。ATSC・DVBおよびISDBといった放送されているデジタルテレビ放送の規格、ディッシュ・ネットワークのようなデジタル衛星放送、デジタルケーブルテレビの信号に利用されている。そして少し修正されてDVDビデオディスクにも使用されている。
- MPEG-3 - もともとはHDTV用の規格として設計されたが、MPEG-2がHDTVに十分だったことが判明したためMPEG-2に吸収された。
- MPEG-4 - MPEG-1を拡張して、3D・低ビットレート符号化およびデジタル権利管理をサポートするために規格化されたビデオ・オーディオオブジェクトである。MPEG-2ビデオより新しく高い効率ビデオ規格が設定されており、プロファイルの単純化を進めて、ビデオ・コーディングの効率化を図った。
- MPEG-7 - マルチメディア内容について記述するための形式上のシステム。
- MPEG-21 - MPEGはこの将来の基準をマルチメディア・フレームワークと評している。
規格 | MPEG-1 | MPEG-2 | MP3 | MPEG-3 | MPEG-4 | MPEG-7 | MPEG-21 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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用途 | 動画(映像や音声)の撮影や録音、及び再生。CD規格 | 同左をDVD規格に最適化 | 音楽、音声に特化した規格 | HDTV用規格で設計したが、MP-2で対応できたのでMP-2に吸収統合された。 | 映像の音声、字幕、その他情報を個別に記録(オブジェクト化)し、一つのデータで多言語、年齢制限などへの対応 | MP-4の各データの構成を統一化し、読込時間の短縮化 | 著作権やコンテツ保護を目的とした次世代規格 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
データ内容 | 映像+音声 | 映像+音声 | 音声のみ | 映像+音声 | MP-1,-2の画質、音質の改良、オブジェクト化の追加。 | MP-4のオブジェクトの改良。※画質、音質の規定なし。 | MP-7以前の規格を21世紀の次世代規格。※画質、音質の規定なし。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
規格の根底 | CDに1時間程度の動画を保存 | 標準デジタルテレビ放送(SDTV)の送信容量でDVDに最適化 | 音楽、音声に特化し、他のMP-xの音源データ | 高精度デジタルテレビ放送(HDTV)の送信容量 | 映像の国際化(多言語、年齢別)と動画の高圧縮、権利保護 | MP-4以前のデータの記述方法を統一し、読込時間の短縮 | 著作権やコンテンツの保護 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
記録媒体容量 | CD:700MB
(再生時間79分58秒) |
DVD:4.7GB | MD:140MB | - | BD:25GB
HD DVD:15GB ※USBメモリー、SSD、HDD、クラウドなどの容量は複数あり | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ビットレート | 最高1.15Mbit/s | MP-2標準:
3.5Mbit/s DVD: 9.8Mbit/s |
MD:1.2 Mbps
MP3標準が対応している最高水準:320 kbit/s |
- |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
圧縮技術 | H.261 | H.262 | - | H.263
MP-4-10以降 H.264 |
- | - | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
拡張子 | .dat, .mpeg, .mpg, .mpa, .mpv, .mp1,
.m1a, .m1v, .mp2, .m2a, .mp3 |
.mpg
.m2p .m2ps |
.mp3
|
- | .mp4 | .mp7
.mp47 |
.mp21 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
データの内容 | ラジオ、ライブ音の生中継 | ライブ等の生中継 | MP-2の元データを加工したもの。その他データ(音声、字幕、モザイク等)を別々に追記 | 動画編集をしているためパソコンやスマホ等 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
互換性 | - | MP-1の上位互換 | MP-1,2の共通 | MP-2の上位互換 | MP-4の上位互換 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
国際規格 | ISO/IEC
11172 |
ISO/IEC
13818 |
MPEG-1 Audio Layer IIIまたはMPEG-2 Audio Layer III | ISO/IEC
14496 |
ISO/IEC
15938 |
ISO/IEC 21000 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
制定年(初版) | 1993年 | 1995年 | 1999年 | 2002年 | 2001年 |
※表中のMP-xはMPEGーxの省略です。
※CD、BD、HD DVDは標準的な片面1層の容量で、読込速度も1倍速再生で倍速は含まない。また、各メディアに複数の規格があるが、一般的な物とする。
関連項目
- ISO/IEC JTC 1
- MPEG LA - MPEG開発及び特許権管理団体[1]
- MP4
- MS-MPEG4
- H.264 - H.264/AVC
- 安田浩
- コーデック#音声圧縮のコーデック - オーディオコーデック
- コーデック#動画圧縮のコーデック - ビデオコーデック
- ビデオ品質
- データ圧縮
- Pro-MPEG - プロ仕様のビデオ機器の標準規格
- ISAN
脚注
外部リンク
- PIONEER R&D 技術解説 - ウェイバックマシン(2011年11月24日アーカイブ分)
- VIDEO-ITを取り巻く市場と技術-ファイルフォーマットとは?
MPEG
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:32 UTC 版)
「標準化団体 (コンピュータと通信)」の記事における「MPEG」の解説
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