【M14】(えむいちよん)
アメリカのスプリングフィールド兵器廠が開発した自動小銃。
兵器廠の閉鎖後は同名の民間メーカーが製造を行っている。
アメリカ軍初の突撃銃として、M1ライフルを近代化する形で設計が行われた。
不満のあったクリップ装填を箱形弾倉式に改め、より低反動の7.62×51弾を採用するなどした結果、M1に比べれば洗練されたモデルとなった。
ただし、なお強すぎる反動とクラシックな曲銃床のおかげで、突撃銃の特徴たるフルオート射撃が使い物にならないという致命的な欠陥があった。
さらに初陣のベトナム戦争では、重くて長すぎたためジャングルで兵士の負担となり、軽快な突撃銃のイメージとはかけ離れた姿を晒してしまう。
その後間もなくM16が登場し、アメリカ軍史上最短の採用期間で第一線を退くこととなる。
しかし、大口径故にパワーと射程は優れていたため、突撃銃としては失敗に終わったものの、狙撃銃としては活躍の場を得た。
特に湾岸戦争やイラク戦争では、交戦距離の長い砂漠での戦闘だった為に、ベトナムとは逆にM16に対する優位を見せつけた。
また、パワフルなバトルライフルを再評価する動きもあり、登場から実に数十年経って評価され始めることになる。
スペックデータ
種別 | アサルトライフル(バトルライフル) |
口径 | 7.62mm |
全長 | 1,118mm |
銃身長 | 559mm |
重量 | 4,500g |
使用弾薬 | 7.62mmNATO弾 |
装弾数 | 20発(箱形弾倉) |
作動方式 | ガス圧利用(ショートストロークピストン式)・ターンロックボルト |
発射速度 | 毎分700~750発 |
銃口初速 | 850m/秒 |
配備数 | 138万丁 |
主な配備国 | アメリカ軍、イスラエル国防軍など |
バリエーション
- 軍用派生型
- M14E1:空挺隊員や装甲車輌乗員のために開発された折りたたみ銃床のテストモデル。制式化されず。
- M14A1/M14E2:木製銃床を直銃床・独立握把にして、折り畳み式の前方握把を追加し、フルオート射撃時の操作性と安定性を向上させようとしたモデル。
- M21:狙撃専門モデル。各部パーツを狙撃に適した形状に加工・変更するなどの改良を施されている。
- M14DMR:海兵隊で採用されている選抜射手用モデル。マッチグレードM118LR(175グレイン 長距離弾)を使用する。
- M14SMUD:M14ナショナル・マッチ・ライフルにスコープを取り付けて制式化したモデル。爆発物処理隊員が不発弾処理時に使用する。
- M39EMR:海兵隊におけるM14DMRの後継で、後述のM14EBRに類似したカスタマイズがされている。
- M14K:M60軽機関銃の部品を流用したモデル。連射時の発射速度を可変させることができる。
- AWG C2:AWC社が開発したM14ベースのブルパップ式狙撃銃。
- 57式歩槍:中華民国(台湾)軍で運用されているモデル。銃自体は生産地が違うだけでM14とほぼ同じ物である。
- BM59:イタリアのベレッタ社が開発したM14に似た小銃。M1ガーランドの7.62mm NATO弾仕様をベースに全自動射撃機能を追加した。
- TEI M89SR:イスラエルのTEI(TCI)社が開発したM14ベースのブルパップ式狙撃銃。
- M14(ノリンコ製):ノリンコ社によるM14のデッドコピー。
オリジナルの米国製M14やM1Aと較べて、使用部材の強度に問題があるなどと短所が指摘されているが、詳細は不明。
- M14E1:空挺隊員や装甲車輌乗員のために開発された折りたたみ銃床のテストモデル。制式化されず。
- 民間派生型
- M1A:M14の民間向けモデル。フルオート機能が排除されている。
- スカウト・スクワッド・モデル:M1Aの派生型の一つで、銃身基部の薬室付近に上下分割式のマウントベースを挟み込んで装着している。別名「ブッシュガン」。
- SOCOM 16:M1Aの派生型の一つで、M14(M1A)の銃身を元の22インチから16.25インチまで短縮したカービンモデル。フルオート機能はない。
- SOCOM II:SOCOM16の改良型モデル。マウント部分を廃止し、前部にヴォルター・インダストリー製クラスターレイルを搭載した。
- M25:M21からフロントサイトを廃し独特のマズルブレーキを備えたモデル。
- SOCOM Mk 14 Mod 0:Troy社のM14用近代化改修キット。
引き出し式伸縮銃床(スピード・ストック)と独立式ピストルグリップを備え、全面的に近代化されピカティニー・レールを上下左右にふんだんに備えた、金属製銃床を持つ。 - M14 SOPMOD II:Mod0の全面改修型で、M14近代化コラボレーションモデルの最新型である。
- M14 EBR:軍、警察向けにショットガンなどのカスタムモデルやパーツを製造しているセージ社のM14。
スピードストックやレール付きフレーム等、Troy社と似たコンセプトを持つ。
セミオートマチックのライフルでありながら、ボルトロック機構を搭載したモデルも存在している。 - M14SE クレイジーホース:M14をアメリカ軍特殊部隊向けに改良したもの。アメリカ特殊作戦軍が採用。
銃身はいわゆるMidium Contour Barrelの4条のライフリングのものに交換されている。
リファマイシンM‐14
分子式: | C43H58N2O13 |
その他の名称: | リファミド、リファマイシンM-14、Rifamide、Rifamycin M-14、N,N-ジエチルリファマイシンBアミド、Rifomycin M-14、Rifomycin B diethylamide、Rifomide、Rifamycin B diethylamide、Rifampicin M/14、RF M-14、NCI-143418、M-14、N,N-Diethylrifamycin B amide、リホマイシンM-14、リホマイシンBジエチルアミド、リホミド、リファマイシンジエチルアミド、リファマイシンBジエチルアミド、リファンピシンM/14、4-O-[2-(Diethylamino)-2-oxoethyl]rifamycin |
体系名: | 4-O-[2-(ジエチルアミノ)-2-オキソエチル]リファマイシン |
M14
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/03/24 10:47 UTC 版)
M14
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M14
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 06:14 UTC 版)
詳細は「スプリングフィールドM14」を参照 第二次世界大戦中の1944年頃から、M1ガーランドにセレクティブファイア機能や着脱式箱型弾倉などを追加する改良計画が進められていた。多くの設計者がこの計画に参加し、多数の設計案が試作された。そのうち、M1ガーランドの設計者であるガーランド自身が手がけたモデルがT20である。性能試験の後に改良を加えたモデルがT20E2で、1945年には100,000丁の調達が予定されたものの、まもなくして日本の降伏により第二次世界大戦が終結したため、実際の製造数は100丁程度に留まった。 その後もT20E2をベースに設計が進められ、最終的にM14として制式採用されることとなった。着脱式箱型弾倉を採用し、フルオート射撃が可能になった。民生型の「M1A」、狙撃銃型の「M21」などのバリエーションが存在する。ベトナム戦争中にM16自動小銃に更新された。
※この「M14」の解説は、「M1ガーランド」の解説の一部です。
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