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JP‐7

分子式C22H25NO4
その他の名称1-[4-[2-[(3,5-Dimethylphenyl)amino]-2-oxoethyl]phenoxy]cyclopentane-1-carboxylic acid、JP-7、1-[4-[(3,5-Dimethylphenyl)carbamoylmethyl]phenoxy]cyclopentanecarboxylic acid
体系名:1-[4-[2-[(3,5-ジメチルフェニル)アミノ]-2-オキソエチル]フェノキシ]シクロペンタン-1-カルボン酸、1-[4-[(3,5-ジメチルフェニル)カルバモイルメチル]フェノキシ]シクロペンタンカルボン酸


JP-7

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/31 04:42 UTC 版)

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JP-7: Jet Propellant 7)は、アメリカ空軍超音速航空機向けに開発されたジェット燃料である。MIL規格:MIL-T-38219によって制定されている[1]

概要

JP-7は、ロッキード SR-71 ブラックバードP&W社製J58 エンジン燃料として開発された[1]。これは、巡航速度M3以上になると空気の断熱圧縮によって機体表面が高温となり、低揮発性で熱安定性の高い燃料が必要とされたためである[1]

JP-7は、主に炭化水素からなる混合物であるが、通常のケロシンなどの石油蒸留燃料とは異なり、精製された炭化水素を精密に合成して作られた合成燃料である[1]。そのため、普通の燃料に比べて硫黄窒素および酸素などによる不純物はほとんど含まれない[1]。主成分はアルカンシクロアルカンアルキルベンゼンナフタレンなどである。JP-7以前は特殊燃料のPF-1が用いられていたが、これは腐食性が強いため、低腐食性のJP-7の開発に伴い更新された[2]

空中給油機として、JP-7が搭載可能なタンクを有するKC-135Q ストラトタンカーが開発されている[3]

また、JP-7は無人高速試験機X-51の燃料にも用いられている[4]

JP-7は、非常に安定性が高いため点火しにくいという欠点も併せ持つ。そのため、点火にはトリエチルボラン(TEB)によるバイナリー点火が使用されている。また、レーダーに写りにくくするために、A-50と呼ばれるセシウムを含有する合成物を添加している。

性質

  • 融点:-30℃
  • 沸点:282~288℃
  • 密度(at15℃):779~806kg/m3
  • 蒸気圧(at300°F(149℃):155mm Hg(20.7kPa)
  • 引火点:60℃
  • 燃焼熱量:43.5MJ/kg

脚注

  1. ^ a b c d e Military Jet Fuels, 1944-1987 - Defense Technical Information Center,P-6” (1987年11月). 2017年5月27日閲覧。
  2. ^ Lockheed Blackbird: Beyond the Secret Missions (Revised Edition). Bloomsbury Publishing. (2016). p. 77. ISBN 9781472815248 
  3. ^ 航空ファン別冊 No.32 アメリカ軍用機1945~1986 空軍編. 文林堂. (1986). pp. 104-105. ASIN B01JRL7Y92 
  4. ^ Boeing (2012年9月). “X-51A WaveRider”. 2017年5月27日閲覧。

外部リンク


JP-7

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 02:17 UTC 版)

ジェット燃料」の記事における「JP-7」の解説

SR-71高高度偵察専用燃料詳細は「JP-7」を参照

※この「JP-7」の解説は、「ジェット燃料」の解説の一部です。
「JP-7」を含む「ジェット燃料」の記事については、「ジェット燃料」の概要を参照ください。

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