IBM_メインフレーム_ユーティリティプログラムとは? わかりやすく解説

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IBM メインフレーム ユーティリティプログラム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/20 05:55 UTC 版)

IBM Mainframe Utility Programs(IBMメインフレームユーティリティプログラム)とは、MVSのようなIBMメインフレームコンピュータ用のオペレーティングシステム向けに供給されている、データセットの操作、データセットとデータセットを結びつけることを実施するプログラム群のことである。


ICKDSF

ICKDSF はDASDをインストールしたり、初期化したり、保守するのに用いられる。オペレーティングシステムに繋いでいても、切り離されていても使用できる。

サンプル (VTOCをデフォルトサイズで作成)
//ICKDSF1 JOB (ICKDSF,,TEST),'DISK INIT',CLASS=A,MSGCLASS=A,
//         MSGLEVEL=(1,1)
//ICKDSF01 EXEC PGM=ICKDSF
//SYSPRINT DD  SYSOUT=*
//SYSIN    DD  *
  INIT UNIT(unitaddr) NOVERIFY VOLID(volume) VTOC(END)
/*

IDCAMS

IDCAMS は VSAM データセットを生成したり、変更を加えたりするのに用いる。

サンプル(DB2の一時表領域の作成をしている)
//WRKFILE EXEC PGM=IDCAMS
//SYSPRINT DD SYSOUT=*   
//SYSIN DD *             
 DEFINE  CLUSTER -
       ( NAME(DSNCAT.DSNDBC.WRKFILE.DSN4K01.I0001.A001) -
         LINEAR -
         REUSE -
         VOLUMES(volume)  -
         CYLINDERS(1000 50) -
         SHAREOPTIONS(3 3) ) -
    DATA -
       ( NAME(DSNCAT.DSNDBD.WRKFILE.DSN4K01.I0001.A001) ) - 
    CATALOG -
       ( DSNCAT )

IEBCOMPR

IEBCOMPR は順次データセットまたは区分データセットを比較(コンペア)するのに用いる。

サンプル(順編成ファイルの比較している)
 //STEP001  EXEC PGM=IEBCOMPR
 //SYSPRINT DD  SYSOUT=*
 //SYSUT1   DD  DISP=SHR,DSN=COMPARE.DATA
 //          UNIT=3390,VOL=SER=WRKVOL
 //SYSUT2   DD  DISP=SHR,DSN=TARGET.DATA
 //          UNIT=3390,VOL=SER=GYOVOL
 //SYSIN    DD  *
    COMPARE   TYPORG=PS
 /*

IEBCOPY

IEBCOPY は区分データセットをコピー、圧縮(コンプレス)、合併(マージ)するのに用いられる。コピーする際、メンバーの選択 (select, exclude)、メンバー名の変更 (rename)、メンバーの置換 (replace) ができる。

サンプル(メンバーコピー)
 //STEP01   EXEC PGM=IEBCOPY,REGION=4M
 //SYSPRINT DD SYSOUT=*
 //SYSUT3   DD SPACE=(CYL,400),UNIT=SYSDA
 //SYSUT4   DD SPACE=(CYL,400),UNIT=SYSDA
 //I1       DD DISP=SHR,DSN=USER.LIBRARY1
 //O1       DD DISP=SHR,DSN=USER.LIBRARY2
 //SYSIN    DD *
   COPY I=I1,O=O1
     S M=(PGM001)
 /*

IEBDG

IEBDG ('Data Generator') は、パターン化されたデータから成るテストデータセットを作成する。

IEBEDIT

IEBEDIT は、JCL の一部分をコピーする。

IEBGENER

IEBGENER は、順次データセットのレコードをコピーする。あるいは、区分データセットに格納する。


サンプル(順次データのコピー)
 //STEP01   EXEC PGM=IEBGENER,REGION=4M
 //SYSPRINT DD SYSOUT=*
 //SYSUT1   DD DISP=SHR,DSN=USER.SEQDETA1
 //SYSUT2   DD DSN=USER.SEQDATA2,
 //          DISP=(NEW,KEEP,DELETE),UNIT=3390,VOL=SER=volume,
 //          SPACE=(TRK,(850,100),RLSE)
 //SYSIN    DD DUMMY

IEBIMAGE

IEBIMAGE は IBM 3800 プリントサブシステムのロードモジュールを扱う。

IEBISAM

IEBISAM は ISAM データセットの印刷やデータのロード、アンロードを行う。

IEBPTPCH

IEBPTPCH は順次データセットまたは区分データセットを印刷、またはパンチする。

IEFBR14

IEFBR14 はダミープログラムで、通常はデータセットのアロケーション(作成)やデリート(削除)に使用する。IEFBR14 は最初、機械語命令の1つ "Branch to Register" 14 のみで出来ていた。IBMのアセンブリ言語では記憶するのに BR 命令を使用した。そこから、IEF BR 14 の名が付いた。この命令が1つだけのプログラムは、エラーを内包する。それはリターンコードをセットしない、というものだ。そこで、リターンコードをクリアするために2つめの命令が付け加えられた。現在では、正しいステータスとともに終了する。

IEBUPDTE

IEBUPDTE は順次データセットと区分データセットの変換を実施する。

IEHINITT

IEHINITT ('INIT Tape') は、ラベルを書き込むことによってテープを初期化する。

IEHLIST

IEHLIST はデータセットのリストを取る。

IEHMOVE

IEHMOVE は、データの集まりを移動したりコピーしたりするのに用いる。

IEHPROGM

IEHPROGM はシステム制御データを作成したり (build) 保守したりするのに用いる。また、データセットを消したり (scratch) 、名前を変更する (rename) のに用いられる。

関連項目


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