GE社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 07:00 UTC 版)
「マスター・コントローラー」の記事における「GE社」の解説
間接式制御器の生みの親であるスプレーグ自身が、元々エジソンのスタッフの一人であったという経緯から、エジソンが創設したGE社は早期よりこの画期的なシステムの製品化に取り組んできた。その成果は早くも1901年に現れており、電磁式単位スイッチ機構がこの年完成した。後にMコントロールの名で知られるようになったこの合理的なシステムは、直流600 Vの架線電圧を直接その動作に使用する点に特徴があった。前述の通り1910年代には回路構成を大幅に簡略化した手動進段式のMKが派生し、さらに自動進段式のMA (M Automatic) 系は1910年代中盤以降単位スイッチ機構をカムスイッチに置き換えたPC(Pneumatic Cam)へ移行し、1920年代には多段化や発電制動に対応したPCM(Pneumatic Cam Magnetic)が誕生、さらには1940年代に複数カム軸使用とカム軸のパイロットモーターによる電動化を施したMCM(Multiple Cam Magnetic)へと発展、これをコンパクトにまとめたパッケージ式制御器が誕生して技術的な絶頂を迎えた。その後アメリカにおける電気鉄道の衰退期に入ってMCMを整理・簡素化したSCM(Simplified Cam Magnetic)が1960年代に実用化され、これは電力用半導体素子の利用による電子制御実用化まで普及した。 当然ながら、自動進段式のMA系と、手動進段式のMK系とでは、その制御段数の相違からコントローラーの仕様が異なっており、相互の併結は不能であった。 日本においては、総括制御導入初期に事実上の市場独占を実現しており、特に新性能車の導入まで省線電車・国鉄電車の標準マスコンとして長く採用され続けたMC1形主幹制御器は、GE社のC36形マスター・コントローラーを改良したものであった。さらに、MCMは戦後国鉄が開発したいわゆる新性能電車用制御器の基本となったCS12形のプロトタイプとなり、パッケージ制御器の技術はGE社の日本におけるライセンス提携先である東芝の手により、冷房搭載に伴い艤装の小形化が特に強く求められた名鉄5500系や名鉄7000系などにMC-11系制御器として導入されている。
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