BREMとは? わかりやすく解説

Brem

名前 ブレム

ブルム (食品)

(BREM から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/26 01:56 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
板状の菓子であるブルム

ブルムBrem)は、インドネシア菓子および醸造酒。菓子はBrem cakeライスワインBrem wineとも呼ばれる[1]。なお、Bremはジャワ語などの雑穀を発酵させた液体を意味する[2]

菓子のブルム

菓子のブルムは薄い板状、ないし円板状で白色を呈し、アルコールの微香がする[2]。やや酸味があり、口内に含むと速やかに溶けて爽やかな風味が広がる[2]ジャワ島の中部から東部にかけ、市場で山積みにして販売されている[2]を十分に糖化させた上で濃縮するため、成分のほとんどは糖質であり、60 - 70%をブドウ糖などの還元糖が占める[3]。また5 - 18%程度がデンプンであり、発酵によって生じたわずかな乳酸アルコールも含まれる[3]

産地

マディウンウオノギリ英語版が有名な産地であり、それに応じてブルムマディウンブルムウオノギリとも呼ばれる[2][4]。前者は淡い黄褐色で矩形のものが多く、後者は白色で円板状のものが多い[4]。なお実際の産地は、マディウンから東北に30km離れたカルバンインドネシア語版やウオノギリの郊外であり、そのほかボヨラリ英語版などでも製造されている[4]

製法

白粳米を原料とし、2 - 4時間かけて十分に浸水させてから1時間ほど蒸し煮する[4]。室温まで放冷した後、糖化のために粉末状に砕いたのラギを散布する[4][注釈 1]またはプラスチック製のに米飯を移し、バナナポリエチレンのシートで包み、毎日ほぐしながら3 - 5日かけて固体発酵させる[4]。水は加えないが、1日後には淡黄色の糖化液が底に貯まり始める[4]。この際、デンプンはSaccharomycopsisやクモノスカビケカビによって分解され、サッカロミケス属酵母によってアルコール発酵が進行する[3]

糖化が完了すると、甘酸っぱいのような香りを有するもろみが得られる[4]タペ・クタン[注釈 2])。もろみを圧搾し、淡い灰茶色の糖液が得られたら、大鍋に移して煮て濃縮させる[7]。適度な濃度になったら深い容器に移して撹拌して空気を取り込み、白くなったら熱いうちに型板の上に流し込む[3]。この際、板にはバナナの葉やポリエチレンのシートを敷いておき、状の糖液をへらで練りながら延ばす[3]。2日間乾燥させるとブルムが完成し、切って成形して包装する[3]。円板状にする場合は、型板に延ばす際に円形に整える[3]

醸造酒のブルム

バリ島醸造酒のブルム

ライスワインのブルムはバリ島のものが有名であり、ブルムバリとも呼ばれる[1][8]。バリ島では観光客向けにサヌールの工場で生産され、ングラ・ライ国際空港や土産物屋などで販売されている[9]。また、農村部で流通しているブルムの大半はロンボク島で生産されているが、島内のカランガスム県などでも醸造が行われている[9]2010年の調査によれば、農村ではトゥアックなどとともに販売され、価格は500ml入りで13,000ルピア(当時の為替レートで約130)であった[10]

バリ・ヒンドゥーにおけるブルム

ブルムはバリ・ヒンドゥーの儀式にも用いられ、アラックなどとともに地面に注がれる[8]。また、ピトラ・ヤドニャにおいては祖霊に捧げられる[8]赤米を原料としたブルムはアントシアニン系の色素によって赤色を呈し、ブラフマーを象徴するとされる[5][11]。また、白米を用いたブルムは黄色を呈する[11]ヒンドゥー教マジャパヒト王国時代はジャワ島でも盛んに飲まれていたが、イスラム教が優勢な近年では酒のブルムは飲まれなくなった[11]

製法

ブルムの醸造は固体並行発酵によるものであり、中国酒淋飯酒などの製法と類似している[8]トーマス・ラッフルズ1817年に書いた『ジャワ史英語版』によれば、当時は以下のような製法が取られていた[8]もち米を大量に煮て、餅麹のラギを混合し、発酵が始まるまで蓋の開いたに入れておく[8]。続いて土器に入れて密封し、土の中に数か月間埋めてから、煮沸して濃縮する[8]。数年間貯蔵したものは、特に珍重される[8]

注釈

  1. ^ ラギは9世紀に中国人がインドネシアに持ち込んだもので、製法は長い間中国人にのみ伝わる秘伝とされていた。[5]
  2. ^ タペ・ケタンとも[5]。ブルムはタペ・クタンの生産過程で得られる副生物である。[6]

脚注

参考文献


BREM

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 01:06 UTC 版)

BTR-70」の記事における「BREM」の解説

回収車輌

※この「BREM」の解説は、「BTR-70」の解説の一部です。
「BREM」を含む「BTR-70」の記事については、「BTR-70」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「BREM」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「BREM」の関連用語

BREMのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



BREMのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのブルム (食品) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのBTR-70 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS