Asianux
アジア圏で共通して利用できるLinuxの開発を目的に、日本のミラクル・リナックス社、中国のRedflag Software社、韓国のHaansoft社の3社が協同で開発したLinuxディストリビューション、またはその開発プロジェクトの名称。
「信頼性/可用性/保守性の強化」、「日本語・中国語・韓国語の強化」、「操作性の強化」の3つを開発コンセプトに掲げ、アジア圏におけるサーバー用途での利用を想定して開発が進められている。データセンターや公衆通信網などの用途にも適用できる品質を目標にしており、OSDLが策定する「OSDL Carrier Grade Linux Requirements Definition, Version 2.0」(Carrier Grade Linux:CGL)に準拠している。
現在のバージョンはAsianux2.0で、ミラクル・リナックス社の「MIRACLE LINUX V4.0 - Asianux Inside」、Red Flag Software社の「Red Flag DC5.0 - Asianux Inside」、Haansoft社の「HAANSOFT Linux 2005- Asianux Inside」という、それぞれの製品共通のコアとして出荷されている。
関連見出し
Red Flag Linux
MIRACLE LINUX
OSDL
関連URL
Asianux(http://www.asianux.com/)

Asianux
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/19 15:09 UTC 版)
![]() |
![]() Asianux 4.0 | |
開発者 | Asianux Consortium |
---|---|
OSの系統 | Linux OS |
開発状況 | プロジェクト終了(2015年) |
最新安定版 | 4 / 2012年1月17日 |
カーネル種別 | モノリシックカーネル |
ライセンス | Various |
ウェブサイト | Asianux.com |
Asianux(アジアナックス)は、2003年から2015年にかけて日本・中国・韓国の3か国の企業を中心にRed Hat Enterprise Linux (RHEL) をベースとして[1]共同開発されたLinux OS、およびその開発プロジェクトの名称である。2015年9月にAsianux開発プロジェクトは解散し、Asianuxの商標は各国の企業が自国で保持している。
概要
Asianux は、米国の Red Hat Linux、欧州のSUSE Linuxと並ぶ、アジアを代表するLinux ディストリビューションを提供することを目的としていた。日本語・中国語・韓国語といったマルチバイト文字を扱う言語環境は世界的に見れば特殊な分野であり、これをコンピュータで適切に処理するのは困難な問題が存在した。Asianuxの大きな特徴は、これらの言語を標準でサポートすることであり、下記「参加企業」の項目の通り、日本・中国・韓国、およびベトナム(2007年8月参加)、タイ(2008年12月参加)、スリランカ(2010年7月)にまたがる6つの企業によって共同で開発が行われた。
沿革
2003年12月にミラクル・リナックス社(日本)、Red Flag社(中国)の2社でAsianuxプロジェクトはスタートした。2004年10月にHaanSoft社(韓国)がプロジェクトに参加し、3社による共同開発を開始。2007年12月にAsianux Co.を設立し、VietSoftware社(ベトナム)、WTEC社(タイ)、Enterprise Technology社(スリランカ)がAsianuxプロジェクトに参加し、ワールドワイドで製品名を「Asianux」という名称で統一し各国で販売が行われた。日本国内ではミラクル・リナックス株式会社(現サイバートラスト株式会社) により2007年9月に「Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5」として出荷されている。その後、Asianuxプロジェクト終了し、2015年9月に解散した。なお、Asianuxは日本においてサイバートラスト株式会社の登録商標である。
参加企業
- 日本: ミラクル・リナックス株式会社(現サイバートラスト株式会社)
- 中国: 北京中科紅旗軟件技術有限公司 (Red Flag Software Co., Ltd.)
- 韓国: ハングルファコンピュータ (Hancom)
- ベトナム: ベトソフトウェア (Vietsoftware, Inc)
- タイ: WTEC (WTEC Co., Ltd.)
- スリランカ: エンタープライズテクノロジー (Enterprise Technology Co., Ltd.)
リリース
- 2004年6月30日 ‐ Asianux 1.0 リリース。以下の製品名で配布開始。
Asianux 1.0 - MIRACLE Linux V3.0 ‐ Asianux Inside
- Red Flag DC Server 4.1 ‐ Asianux Inside
- 2005年8月26日 ‐ Asianux 2.0 リリース。以下の製品名で配布開始。
- MIRACLE Linux V4.0 ‐ Asianux Inside
- Red Flag DC Server 5.0 ‐ Asianux Inside
- Red Flag 5.0 Workstation
- Haansoft Linux 2006 Server & Server 64 ‐ Asianux Inside
- Haansoft Linux 2006 Workstation 正式版は2006年3月27日無償配布開始。その後製品版を発売。
- 2007年4月8日 ‐ Asianux OpenEdition 3 GA がHaansoft Linuxよりリリース(無償公開)。以下の製品名で配布開始。
- Asianux Desktop 3 - 2007年6月22日
- 2007年9月18日 ‐ Asianux Server 3.0 の製品名で配布開始。
- MIRACLE LINUX V5
- 2012年1月17日 ‐ Asianux Server 4.0 の製品名で配布開始。
注釈
- ^ /etc/redhat-release 参照。例えば、Asianux Server 3.0 は Red Hat Enterprise Linux Server release 5 (Tikanga) が開発ベースであると分かる。
関連項目
- MIRACLE LINUX
- Haansoft Linux
- Red Flag Linux(红旗 Linux)
- Red Hat Enterprise Linux
- SUSE Linux
- Linux ディストリビューションの比較
外部リンク
- Asianux.com……Asianux 公式ウェブサイト
- 合併の完了および合併に伴う人事について……サイバートラスト株式会社
- MIRACLE LINUX サポート&テクノロジーサイト
- Red Flag Software Co., Ltd. ウェブサイト
- Asianuxのページへのリンク