MH-6 (航空機)
AH-6/MH-6 リトルバード
MH-6 リトルバード(英語: MH-6 Little Bird)は、MDヘリコプターズが生産している軽汎用・攻撃強襲用ヘリコプターである。OH-6の軍用派生版。
愛称はMH-6がリトルバード(Little Bird)、AH-6がキラーエッグ(Killer Egg)。
本項では武装攻撃型のAH-6も記述し、特記がない限りはAH/MH-6と呼称する。
概要

この機材となったベースのOH-6の前史は当該項目に詳しい記述があるが、AH/MH-6が開発される契機となったのは、1980年のイランアメリカ大使館人質事件におけるイーグルクロー作戦である。この作戦については当該項目に詳しい記述があるが、ヘリコプターの選択ミス及びトラブルが重なった事により作戦が失敗してしまった。この失敗による調査委員会で、急襲に必要な部隊と航空機の欠如が指摘され、特殊作戦航空能力開発のための特別プロジェクトである「ハニー・バジャー(ミツアナグマ)作戦(Operation HONEY BADGER)」が開始される事となる。
この計画では第101空挺師団の3個飛行大隊を中心に当時新鋭機だったUH-60およびベトナム戦争でも活躍した大型ヘリコプターCH-47の開発及びイラン大使館の人質の再奪還を目標としていた。
その中でAH/MH-6を開発する事になったのが、第229攻撃ヘリコプター大隊である。OH-6Aを運用していた同大隊は、この作戦のためにパイロットを提供し、アラバマ州フォートラッカーで同機の開発が行われた。そして同機が完成し、先のUH-60、CH-47の部隊と統合しタスクフォース158が創設され、同大隊はリトルバード運用部隊となった。そして第二の奪還作戦が行われる予定であったが、1981年にイランとの交渉が進展した結果、同年1月20日に人質が解放される事となり、この作戦も中止となった。
ところがこのタスクフォース158は後の同種作戦で必要と判断され、解散せずに現在の第160特殊作戦航空連隊 ナイトストーカーズとなり、同機は連隊本部特殊作戦航空訓練中隊及び第一大隊に配備され活躍している。
なお、アメリカ陸軍においてはナイトストーカーズのみで運用されているが、FBIのHRTにも民間型のMD 530Fが配備されている。
また、派生型としてボーイング・ロータークラフト・システムズが開発した無人航空機(UAV)タイプのAH/MH-6X、電子戦/指揮機のEH-6も存在する。
現在ナイトストーカーズで現役で運用されているのは、MH-6H、AH/MH-6J、AH/MH-6Mである。
主な参加作戦
- グレナダ侵攻
- アージェントフューリー作戦に参加。アメリカ海軍の船舶へ死傷者を搬送するために活躍。
- コントラ戦争
- 1983年にロナルド・レーガン政権によるニカラグアへの介入の際の紛争で活躍。
- イラン・イラク戦争
- 1987年9月にイランからのイラク籍タンカーへの攻撃を阻止するべくプライムチャンス作戦に参加。イランの機雷敷設船舶を攻撃した。
- パナマ侵攻
- モガディシュの戦闘
- 所謂ソマリア紛争。ゴシックサーペント作戦に参加し、捕獲対象の居るビルへデルタフォースを屋上からエントリーさせるための支援、MH-60墜落現場へ急行、夜間における民兵掃討で活躍。
- イラク戦争
- イラク・フリーダム作戦に参加。この際AH-6が捕虜になったジェシカ・リンチ救出のために援護。また、MH-6がイタリア人民間軍事会社社員及び武装勢力に誘拐されたポーランド人実業家の救助に使用される。
- ブラバ急襲
- ケニアのモンバサで起きたホテル爆破事件の首謀者でアルカーイダと繋がりがあったサレ・アリ・サレ・ナブハンに対する殺害作戦セレスティアル・バランス作戦に参加。AH-6が車列を攻撃しナブハンが死亡した。
派生型
- MH-6C
- 攻撃/輸送兼用型。現在訓練用として使用。
- MH-6E
- C型改良版。
- MH-6H
- E型改良版。AN/ALQ-114ジャマーおよびAN/AAQ-16第一世代型FLIRを装備。現在も使用されている。
- AH-6C
- 武装型。
- AH-6F
- C型改良版。
- AH-6G
- F型改良版。
- AH/MH-6J
- MD 530MGベースの能力向上型。
- HH-47のような5枚の中型液晶モニターからなるグラスコックピットタイプとなり、GPS/慣性航法システムを搭載した型。また、MH型では着脱式ベンチシートが使用可能。
- AH/MH-6M MELB(Mission Enhancement Little Bird)
- 2002年導入のAH/MH-6Jの能力向上改修型。このタイプでは完全に相互運用性が付与された。
- また、J型より更に改良が施され、大型液晶モニター2枚、中型モニター1枚などから構成されるグラスコックピットとなり、ナイトビジョンに対応し、第二世代型FLIR AN/AAQ-16、戦術インターネットを搭載する最新型[1]。
- AH/MH-6X
- AH-MH-6MのUAV型。ボーイングAH-6とも
- EH-6E
- 電子戦/指揮機型。
性能諸元
- MD 530ベース
出典: U.S. Army Aircraft,[2] MD 530F data[3][4]
諸元
- 乗員: 2名
- 定員: 6名(外装式ベンチ使用時)
- 全長: 9.80m (32.6ft)
- 全高: 3.0m (9.8ft)
- ローター直径: 8.30m (27.4ft)
- 空虚重量: 722kg (1,591lb)
- 最大離陸重量: 1,406kg (3,100lb)
- 動力: T-63-A-5-AまたはT63-A-700 ターボシャフト、317kW (425shp) 離陸時:375shp(280kW) × 1
- ローター:メインローター6枚 テールローター4枚
- 搭載可能燃料量:62USガロン(242L)または 403lb(183kg)
性能
- 最大速度: 282km/h=M0.23 (152ノット)
- 巡航速度: 250km/h=M0.20 (135ノット)
- 航続距離: 430km (232海里) (5,000ft時)
- 実用上昇限度: 5,700m (18,700ft)
- 上昇率: 10.5m/秒 (2,061ft/分)
武装
- 機銃
- ロケット弾
- LAU-68D/A ハイドラ70
- ミサイル
- AGM-114ヘルファイア×2(M型除くAH-6のみ)、またはFIM-92 スティンガー×2基(M型除くAH-6のみ)
- その他
- Mk19 自動擲弾銃(M型除くAH-6のみ)
採用国
- アメリカ陸軍 - 第160特殊作戦航空連隊が運用。
- 連邦捜査局 - 人質救出チームが民間型を運用。
登場作品
映画
- 『ブラックホーク・ダウン』
- ナイトストーカーズ所属のMH-6Jが登場。デルタフォースを作戦地域に降下させるほか、コールサイン「スター41」が上空から地上部隊の指揮を執る。また、夜間戦闘時にコールサイン「バーバー52」が屋上のソマリア民兵に対してM134 ミニガンで機銃掃射を行う。
- 『マン・オブ・スティール』
- 兵員の輸送に使用される他、内2機が地上部隊を援護するためミニガンでクリプトン人を攻撃するも車を投げつけられ、1機は回避するも後ろのもう1機に直撃し墜落する。
漫画・アニメ
ゲーム
- 『ArmA: Armed Assault』
- アメリカ陸軍とサーラニ王立軍の装備としてAH-6とMH-6が登場。キャンペーン中ではAIが操縦することが多いが、ミッションを自作するなどでプレイヤーも操縦可能。
- 『ARMA 2: Operation Arrowhead』
- 米陸軍の装備としてAH-6・MH-6・AH-6Xが登場。キャンペーンのAH-64D アパッチ・ロングボウを使用するミッションではAH-6Xを操作し、AH-64DのAGM-114 ヘルファイアを誘導することも可能。
- 『Just Cause』
- 「Delta 5H4 Boxhead」の名称で登場する。武装としてスタブウイングに機関銃とロケット弾ポッドを搭載している。
- 『Operation Flashpoint: Dragon Rising』
- アメリカ海兵隊陣営で使用可能なヘリコプターとしてAH-6Jが登場する。武装としてスタブウイングにM134 ミニガンとスティンガーミサイルを搭載している。
- 『Wargame Red Dragon』
- NATO陣営のアメリカ軍デッキで使用可能なヘリコプターとしてAH-6Cが登場する。武装としてMk.19 グレネードランチャーを搭載している。
- 『グランド・セフト・オートシリーズ』
- 『コール オブ デューティシリーズ』
脚注
出典
- ^ “Boeing Manned/Unmanned Light Helicopter Makes First Flight”. News Release. St. Louis: Boeing IDS (2006年10月9日). 2011年5月13日閲覧。 [リンク切れ]
- ^ Harding, Stephen. "McDonnell-Douglas H-6 Cayuse/Little Bird". U.S. Army Aircraft Since 1947. Schiffer Publishing Ltd., 1997.
- ^ MD 530F Overview, MD Helicopters.
- ^ MD 530F Performance Specifications. MD Helicopters.
関連項目
- OH-6 - ベース機
- MD 500 - J/M型ベース機
- 第160特殊作戦航空連隊 - 主に軍用ではこの部隊のみ使用されている
アジアハイウェイ6号線
アジアハイウェイ | |
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AH-6 | |
アジアハイウェイ6号線 | |
地図 | |
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路線延長 | 10,533km |
起点 | ![]() |
主な経由国 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
終点 | ![]() (欧州自動車道路E30号線と接続) |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
アジアハイウェイ6号線(アジアハイウェイ6ごうせん)はアジアハイウェイの路線の一つで、総延長は10,533km[1]である。
概要
起点は大韓民国釜山広域市中区中央洞から日本海沿岸を通り、北朝鮮を経由してロシア連邦沿海地方に入った後、ウスリースクから西に向かい、中華人民共和国を経由して再びロシア連邦に入る。チタからはシベリア鉄道とほぼ同じルートをたどるが、アジアハイウェイ6号線はオムスク州から190km程カザフスタン領を通過する。その後、アジアハイウェイ6号線はクルガン州から三度ロシア連邦に入り、モスクワを通り抜けた後、スモレンスク州クラスニンスキー地区のロシア・ベラルーシ国境が終点となる。
なお、オムスク州オムスクから終点のスモレンスク州クラスニンスキー地区までの区間は欧州自動車道路E30号線との重複区間である。
経路
大韓民国
朝鮮民主主義人民共和国
ロシア連邦
ロシア連邦道路A189 : 沿海地方ハサン地区ハサン - ラズドルノエ
ロシア連邦道路A370 : ラズドルノエ - ウスリースク
- 支線 :
ロシア連邦道路A370 : ラズドルノエ - ウラジオストク
- 支線 :
ロシア連邦道路A184 : ウスリースク - ポグラニチニ
中華人民共和国
G301国道 : 黒龍江省綏芬河市綏芬河口岸 - 綏芬河市洛河橋村
綏満高速道路 : 綏芬河市綏芬河IC - ハルビン市 - チチハル市甘南県 - 内モンゴル自治区フルンボイル市ハイラル区ハイラル東IC
G301国道 : フルンボイル市ハイラル区 - 満洲里市満洲里口岸
ロシア連邦
ロシア連邦道路A350 : ザバイカリエ地方ザバイカリスク地区ザバイカリスク - チタ
- シベリア横断道路 : チタ - チェリャビンスク州チェリャビンスク
ロシア連邦道路R258 : チタ - ブリヤート共和国ウランウデ - イルクーツク州イルクーツク
ロシア連邦道路R255 : イルクーツク - クラスノヤルスク地方クラスノヤルスク - ノヴォシビルスク州ノヴォシビルスク
ロシア連邦道路R254 : ノヴォシビルスク - オムスク州オムスク - イシリクルスキー地区
カザフスタン
ロシア連邦
ロシア連邦道路R254 : クルガン州ペトゥホフスキー地区 - チェリャビンスク州チェリャビンスク
ロシア連邦道路M5 : チェリャビンスク - (アジア・ヨーロッパ境界) - バシコルトスタン共和国ウファ - サマラ州サマーラ - モスクワ州モスクワ
ロシア連邦道路M1 : モスクワ - モジャイスク - スモレンスク州ガガーリン - スモレンスク - クラスニンスキー地区(ロシア・ベラルーシ国境)
国境
脚註
- ^ “Asian Highway Handbook” (PDF). UNESCAP (2003年). 2013年1月7日閲覧。
出典
関連項目
AH.6
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 21:25 UTC 版)
「アグスタウェストランド リンクス」の記事における「AH.6」の解説
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