9M31
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/14 03:44 UTC 版)
9M31は、姉妹機である9M32や、アメリカの同世代機であるFIM-43 レッドアイと同様、冷却装置をもたない硫化鉛(PbS)焦電素子による赤外線ホーミング方式を採用している。しかし、9M31においては、単純に赤外線の放射源を追尾するのではなく、自然環境において空に存在する赤外線の背景放射(2µm以下、0.4-0.7µmをピークとする)を利用して、この背景放射の空白部分を追尾するという、極めて変則的な手法が採用された。この手法は光学コントラスト効果ホーミング(英: optical photo-contrast homing, 露: фотоконтрастное наведение)と呼ばれており、9M31に対して、この世代の赤外線誘導型地対空ミサイルとしては唯一の全方位交戦能力を実現する一方で、信頼性の低下を招くことにもなった。 2.6kgの高性能炸薬による破片効果弾頭を搭載し、信管はRF近接信管である。推進方式は標準的な単段式固体ロケット・モーターであり、最大射程は6,500メートル、最大射高は3,500メートルである。なお、改良型のストレラ-1M・システムでは9M31M ミサイルが採用されているが、こちらは最大射程8,000メートル、最大射高6,100メートルに延伸されている。
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