850TCとは? わかりやすく解説

850TC

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 08:30 UTC 版)

フィアット・600」の記事における「850TC」の解説

かねてよりアバルト様々なタイプGTマシンサーキットレース挑み実績重ねていたが、当時ツーリングカークラスに導入されたのは750デリヴァツィオーネのみで、より戦闘力高めたモデルが必要とされていた。あわせてロードユースのユーザーからもモアパワーを望む声が高まり、それらの声に応える形で1961年に「アバルト・850TC」を発表する車名の「TC」は「トゥーリズモ・コンペティツィオーネ(Turismo Competizione)」を意味する排気量633 ccから847 cc拡大するとともに専用鍛造クランクシャフトコンロッドピストンバルブなどを採用し圧縮比を9.2:1まで高めた。さらに大径ソレックス32PBICキャブレターや、マルミッタ・アバルトを引き続き採用するなど多岐にわたるチューニング施され最高出力53 PS / 5,800 rpm最高速140 km/hというスペック発揮した大幅に向上したパフォーマンス対応して足回り強化され当時ツーリングカーでは珍しかったディスクブレーキ(ガーリング製)をフロント備える。 インテリアではタコメーター中央配したイエーガー製の3連メーターや、3スポークレーシーステアリングホイール装備されるまた、リアスカート下からは放熱性高めたフィン刻まれオイルパン覗きエンジンフード浮かせて固定させるという様式以降アバルトTC系でも伝統として引き継がれて行く。 こうして誕生した850TCは高性能サルーン代名詞となり、好評セールス記録してアバルト大きく躍進させる1台となったレースでも目覚ましい活躍見せ1961年9月ニュルブルクリンク500 kmレースでは850TCがツーリングカー850 ccクラス1 - 3位を独占し総合成績でも強豪相手12 - 14位と健闘したアバルトはこの勝利を記念し高性能版となる「850TCニュルブルクリンク」をラインナップ追加する排気量そのまま圧縮比を9.8:1まで高めキャブレター一回り大きなソレックス34PBICに換装し、さらにはバルブタイミング変更排気系効率化などの入念なチューニング施され最高出力56 PS / 6,000 rpmまで高められた。エクステリアではフロントスカート下にサブラジエーターが配された点がポイントとなる。850TCでもフロア下の中央にサブラジエーターが備わっていたが、より冷却効率高めるためにフロント移設された。 続いてレース仕様の「850TCコルサ」もラインナップ追加。こちらは完全なレーシングカーとして速さ追求したチューニング施され最高出力79 PS発揮する至った後継となる1000TC登場後も850TCの改良継続され1965年1966年には1000TC同等大型ラジエーター装着されている。 それまでアバルト一般的にはチューニングメーカーとして認識されており、自動車メーカーとしてはレース用を中心としたGTカー少量生産するのみだったが、850TCの登場によってマニュファクチャラーとしての存在感一気高め事となった。

※この「850TC」の解説は、「フィアット・600」の解説の一部です。
「850TC」を含む「フィアット・600」の記事については、「フィアット・600」の概要を参照ください。

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