高橋健二 (レーサー)とは? わかりやすく解説

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高橋健二 (レーサー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/03 04:36 UTC 版)

高橋 健二Kenji Takahashi、たかはし けんじ、1946年5月18日 - 2005年1月1日)は、東京都出身の元レーシングドライバー全日本F2選手権富士GCシリーズ全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権(JSPC)、全日本ツーリングカー選手権(JTC)などで活躍、1997年に現役引退。

経歴

1969年、高橋はマイナーツーリング(富士グランチャンピオンシリーズと併催のツーリングカーレース)にフェアレディ・2000でデビューし、東名自動車チューンのフェアレディZ日産・サニー使いとして知られ、1973年の富士マイナーツーリングではFR車のサニー・クーペに乗る高橋と、FF車チェリー・クーペに乗る日産ワークス[1]星野一義が毎戦競い、高橋がシリーズチャンピオンを獲得。

フォーミュラでは1975年までFJ1300に参戦、松本恵二とはFJ時代から同時期参戦した。1976年に当時の国内フォーミュラー・トップカテゴリーである全日本F2000選手権(F2の前身)にステップアップ、1980年からF2にタイヤ供給を開始したADVAN横浜ゴム)の顔を高橋国光とともに務めた[2]1982年第2戦富士でADVANタイヤのF2初優勝を高橋がもたらした[3]。タイヤ性能・構造開発も担い、1984年ADVAN・ノバから全日本F2にフル参戦したステファン・ヨハンソンも「ケンジさんがこれって言うタイヤなら間違いない」と信頼を寄せた[4]

以後、1986年まで11年間全日本F2選手権に参戦。富士グランチャンピオンレースには1988年まで参戦した。トップフォーミュラがF2からF3000へ移行され、ちょうど40歳だったこともありこれを機にフォーミュラを引退。以後は全日本F3000テレビ中継(CBCテレビ製作)の解説を担当した。

JSPCでは高橋国光とコンビを組み活躍し、1985年と1986年にチャンピオンを獲得[5]1987年ル・マン24時間レースでは、マイナーツーリング時代からの戦友である松本恵二・星野一義と共に出場した。

その後はJTC(全日本ツーリングカー選手権)日産・スカイラインBMW・M3で出場し、1989年にはチャンピオンを獲得。また、1990年から投入される日産・スカイラインGTーR(BNR32)型の開発ドライバーを務め、1991年タイサンからGTーRで土屋圭市とコンビを組み参戦、チームランキング3位を獲得した。このGT-R(R32型)では、1993年N1耐久シリーズにもエンドレス・ADVANスカイラインで2レース参戦している。

1996年から全日本GT選手権・GT300クラスにポルシェ・993Sでフル参戦。51歳を迎えるシーズンとなった1997年10月26日開催の全日本GT最終戦・SUGOラウンドをクラス11位完走、これが現役最後のレースとなった[6]

2005年1月1日肝硬変により死去(享年58歳)。ADVANで長くコンビを組んだ高橋国光は葬儀に参列した際、「僕の出身が小金井で健二が三鷹なので、家が近かったこともあってコンビを組む前から親しかったんです。レースではいつも僕を立ててくれて、いいやつでした。」と後輩の早い死を悔やむコメントで偲んだ。

レース戦績

  • 1979年 全日本フォーミュラ・パシフィック ランキング2位(1勝)
  • 1980年 全日本フォーミュラ・パシフィック ランキング3位
  • 1981年 全日本フォーミュラ・パシフィック ランキング4位(2勝、1PP)
  • 1982年 全日本フォーミュラ・パシフィック ランキング2位(3勝、1PP)

FJ1300

マシン 1 2 3 4 5 6 7 8 順位 ポイント
1974年 東名自動車マーチ・733 SUZ FSW
1
SUZ
6
SUZ
SUZ
SUZ
1975年 東名 マーチ・733 日産 SUZ SUZ
3
SUZ
2
FSW FSW
アルピーヌ・A364 NIS
3
SUZ
Ret
SUZ
1976年 東名 マーチ・733 SUZ FSW SUZ
2
SUZ SUZ

全日本F2000選手権 / 全日本F2選手権

所属チーム シャシー エンジン タイヤ 1 2 3 4 5 6 7 8 順位 ポイント
1976年 村上商会東名自動車 マーチ・742 BMW M12/7 D FSW
Ret
SUZ
3
FSW
Ret
SUZ
Ret
SUZ
4
5位 28
1977年 マーチ・742 D SUZ
12
SUZ
8
NIS
Ret
SUZ
15
FSW
6
FSW
6
SUZ
2
SUZ
5
7位 36
1978年 村上商会RSワタナベ東名 マーチ・742改 D SUZ
8
FSW
Ret
SUZ
2
SUZ
2
SUZ NIS
3
SUZ
3
4位 55
1979年 マーチ・782 SUZ
5
NIS
3
SUZ
1
FSW
Ret
SUZ
8
SUZ
2
SUZ
5
3位 63 (66)
1980年 村上商会東名自動車 マーチ・782 SUZ
5
NIS
DNS
SUZ SUZ C 12位 7
ADVAN マーチ・802 Y SUZ
10
SUZ
Ret
1981年 ADVAN東名自動車 マーチ・802/812 Y SUZ
8
SUZ
9
SUZ
8
SUZ
2
SUZ
6
6位 29
1982年 マーチ・822 SUZ
4
FSW
1
SUZ
3
SUZ
5
SUZ
6
SUZ
9
4位 50 (58)
1983年 ADVAN PIAA 東名 マーチ・822/832 SUZ
8
FSW
1
NIS
6
SUZ
5
SUZ
3
FSW
2
SUZ
3
SUZ
14
3位 71 (74)
1984年 ADVAN PIAA NOVA東名 マーチ・842 SUZ
Ret
FSW
9
NIS
10
SUZ
6
SUZ
12
FSW
7
SUZ
12
SUZ
9
11位 15
1985年 ADVAN マーチ・85J SUZ
6
FSW
5
NIS SUZ
Ret
SUZ
8
FSW
3
SUZ
9
SUZ
6
9位 37
1986年 ADVAN マーチ・86J ヤマハ・OX66 SUZ
Ret
FSW
6
NIS
7
SUZ
10
SUZ
10
FSW
8
SUZ
Ret
SUZ
10
12位 16

マカオグランプリ

チーム シャーシー/エンジン 予選 レース1 レース2 総合順位
1979年 TOMEI MOTOR ノバ・53P 日産・LZ14 DNS NC

全日本耐久選手権/全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権

所属チーム コドライバー 使用車両 クラス 1 2 3 4 5 6 7 順位 ポイント
1984年 アドバンスポーツノバ 高橋国光
ジェフ・リース
ポルシェ・956 C1 SUZ TSU SUZ
1
FSW 9位 20
1985年 高橋国光 ポルシェ・962C C1 SUZ
3
FSW
Ret
FSW
1
SUZ
1
FSW
Ret
FSW
1
1位 72
1986年 高橋国光 C1 SUZ
1
FSW
1
FSW
2
SUZ
Ret
FSW
8
FSW
2
1位 70
1987年 HOSHINO RACING 星野一義
デイヴ・スコット (Rd.5)
日産・R87E C1 SUZ
Ret
FSW
Ret
SUZ
6
FSW
16
SEN
C
FSW
Ret
30位 9
星野一義 日産・R86V FSW
8
1988年 カルソニックNISMO 星野一義
鈴木利男
日産・R88C C1 FSW
Ret
SUZ
6
FSW
7
FSW
5
SUZ
Ret
FSW
9
18位 20
1989年 BA-TSU ADVAN アルファ東名 茂木和男 ポルシェ・962C C1 FSW
9
FSW
10
FSW
Ret
SUZ
Ret
FSW
10
1990年 TAISAN SG Alphaレーシング ウィル・ホイ
スタンレー・ディケンズ
ポルシェ・962C C1 FSW
FSW
C
FSW
SUZ
SUG
2
FSW

ル・マン24時間レース

チーム コ・ドライバー 使用車両 タイヤ クラス 周回 総合順位 クラス順位
1987年 NISMO 星野一義
松本恵二
日産・R87E B C1 181 DNF DNF

全日本ツーリングカー選手権

チーム コドライバー 使用車両 クラス 1 2 3 4 5 6 順位 ポイント
1986年 STP・ラリーアート 高橋国光 三菱・スタリオン DIV.3 NIS SUG TSU SEN FSW
Ret
SUZ
1987年 アドバンスポーツ東名 和田孝夫 日産・スカイラインRSターボ DIV.3 NIS
Ret
SEN
3
TSU
3
SUG
4
FSW
7
SUZ
7
1988年 ReebokハセミMS 長谷見昌弘 日産・スカイラインGTS-R JTC-1 SUZ
5
NIS
Ret
SEN
Ret
TSU
8
SUG
5
FSW
Ret
1989年 タイサン ADVAN alpha スタンレー・ディケンズ BMW・M3 JTC-2 NIS
1
SEN
1
TSU
1
SUG
1
SUZ
Ret
FSW
1
1位 126
1990年 チーム・タイサン ウィル・ホイ JTC-2 NIS
7
SUG
Ret
SUZ
2
TSU
2
SEN
1
FSW
Ret
5位 62
1991年 チーム・タイサン 土屋圭市 日産・スカイラインGT-R JTC-1 SUG
Ret
SUZ
2
TSU
2
SEN
3
AUT
4
FSW
3
6位 128

N1耐久シリーズ

チーム コドライバー 使用車両 タイヤ クラス 1 2 3 4 5 6 7 8 順位 ポイント
1993年 ENDLESS ADVAN 木下みつひろ
駒光武
日産・スカイラインGT-R Y C-1 AID SEN SUZ
Ret
FSW
8
TOK SUZ MIN SUG

全日本GT選手権

チーム 使用車両 タイヤ クラス 1 2 3 4 5 6 順位 ポイント
1996年 アイ・オート GAB ポルシェ・993S Y GT300 SUZ
6
FSW
Ret
SEN MIN
4
SUG
11
MIN
9
12位 18
1997年 GT300 SUZ
Ret
FSW
Ret
SEN
11
FSW
9
MIN
5
SUG
11
19位 10

関連項目

脚注

出典

  1. ^ 【素晴らしきハコの世界②】「日産チェリー」はFFツーリングカーの代表選手 webモーターマガジン 2020年3月20日
  2. ^ ADVAN、待ってました!伝統のブランドがトップフォーミュラに Toyota GazooRacing 2016年2月16日
  3. ^ 自ら「TEAM ADVAN」を編成して参戦 YOKOHAMA モータースポーツ活動、60年の軌跡 2017年9月13日
  4. ^ ASインタビュー 新人物物語・ステファン・ヨハンソン「F1への限りなきチャレンジャー」 オートスポーツ 三栄書房 1984年6月15日発行
  5. ^ 1985年、鈴鹿でチャンピオンを決めた高橋国光/高橋健二組 オートスポーツ 2022年4月1日
  6. ^ SUGO GT選手権レース JGTC (300) リザルト JAFモータースポーツ

外部リンク




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