鈴とは? わかりやすく解説

読み方:すず

「鈴」とは、金属陶器などで作る振ると音が出る鳴り物のことを意味する表現

「鈴」とは・「鈴」の意味

「鈴」は、金属陶器作られ小さな中空の外身の中に小さな石や玉を入れた音を出す道具で、乾燥したムクロジなどの木の実を振ると中で種子動いて音を出すことに着想得て作られと言われている。その起源定かではないが、縄文時代にはすでに土で作られた同じ構造道具作られていた。農耕文化始まった縄文時代には、音を出す道具合図など意思表現用いたり作物荒ら動物クマなどの大型追い払うための重要な道具であり、実際に多く出土品も見つかっている。さらに弥生時代には鈴を大型にした銅鐸、続く古墳時代には金属製の鈴が存在していたことが考古学によって実証されている。

さらに、鈴の澄んだ音色魔除け効果があるとされ、古くから祭礼にも広く用いられていた。日本の宗教である神道では、神々祀る神社拝殿吊るされている鈴を「本坪鈴(ほんつぼすず)」と呼び、本坪鈴から下がっている綱「鈴緒すずお)」を揺らすことで悪を祓い魔を退散させるとともに神霊呼び出して神様会いに来たことを知らせるという意味を持つ。他にも仏教における仏具リン」や、キリスト教礼拝道具香り香炉」など、スピリチュアルな面からも鈴と宗教とのつながりは深い。

また、鈴の音色は清らかな美しさ連想させることから、「美しく清らかに育って欲しい」という思い込めて「鈴」の字を子ども、特に女の子の名前に付けることが多い。ただし、ネットで「鈴 名前」と検索すると「鈴 名前 よくない」と関連キーワードが提示されるが、これは金・銀・鉱に関する字は名前にふさわしくない、といういわれや、「中身空洞」で縁起が悪いということ理由思われる。しかし、実際に名前ランキングでも常に上位ランクインしている漢字であり、「美鈴」「鈴音」など人気の名前も多い。

「鈴」の語源・由来

「鈴」は「金」と「令」を組み合わせた文字で、土地の神祀るための金の象形と、冠の下でひざまずく人の象形から成り立っている。その語源は明らかではなく江戸時代中期国学者谷川士清たにかわことすが)による国語辞典和訓栞」の中にある「鈴とよむは音の涼(すず)しきより名づくなるべし」が起源であるという説や、音色表現した音の清(すず)しき意ともする」など諸説ある。

「鈴」の熟語・言い回し

お守り鈴とは


お守り鈴とは、お守り付いている小さな鈴のこと。お守り鈴には魔除け邪気浄化するという意味と、神様来てくれるように願う「神の訪れ」が、鈴の音身近に聞くことで「神の音連れ」となり、神様との縁を結ぶという意味もある。

鈴鳴りとは


鈴鳴りとはギターサウンドを形容する際によく使われる言葉で、鈴のように高音きらびやか美し音のこと。シングルコイルピックアップを持つエレキギターハーフトーンでこの表現用いられることが多い。

五十鈴とは


五十鈴は、奈良県吉野郡にある天河大辨財天社てんかわだいべんざいてんしゃ)に「神宝」として祀られている鈴。3つの鈴が正三角形つながった形状で、それぞれ「いくむすび」「たるむすび」「たまめむすび」という魂の状態を表しており、この鈴の清流のような音の響きによって魂が深く清められ、本来あるべき状態に戻ると言われている。天河大辨財天社では各種授与品販売されている。

土鈴とは


土を焼いて作った鈴。古くから祭祀動物除け遠方との連絡などに使われており、縄文時代遺跡などから数多く出土品が見つかっている。現在でも地域にちなん土鈴干支土鈴など、魔除け縁起物郷土玩具で見ることができる。

りん

別表記:

「りん」とは、仏壇にある邪気払い故人祈り届け仏具のことを意味する表現

「りん」とは・「りん」の意味

「りん」とは、仏壇においてある仏具一つである。漢字では「鈴」と書く。元々は、僧侶読経する際の始まり区切り終わり知らせ役割担っていた。現在では、読経で使う以外にも、毎日供養や、盆や彼岸訪問の際に鳴らし、その使われ方変わりつつある。りんは、音によって邪気祓うとともに、音に乗せて故人への思い届けものといわれている。そのため、供養前に数回鳴らすことは間違いではない。なによりも故人のことを思うことが、りんを鳴らす上で大切なことである。

りんには、様々な種類があり、大きさや、形、素材製法などが異なる。大きさは、5センチから15センチ程で、小さいものは高く大きいものは低く伸びのある音になりやすい。音の高さには厚みも関係していて、厚いものは低く、薄いものは高い音になる。また、りんには、鉢や壺のような形があり、鉢の方が一般的である。素材は、真鍮や、シルジン青銅サハリ、金が使われていて、鋳造鍛造といった製法作られている。りんは、種類が多いため、仏壇大きさ音色確認して、最も適したものを選ぶとよい。

りんと読む漢字はいくつ存在する例えば、燐や、、輪、倫、臨、凛、琳、、厘などが挙げられ日常生活でよく目にするものや、普段見ないものなど、様々である。その中でも、「凛」という漢字女の子の名前によく使われる漢字である。そのため、「名前女の子」と検索されることも多く、「凛」という一文字の名前は、近年では赤ちゃん名前ランキング女の子部門で、上位方にランクインしている。

「凛」という漢字は、「凛々しい」や、「凛として」という言葉使われるため、その意味から上品さ強さ美しさ読み取ることができる。将来女の子のある美しい女になってほしいと願い込めて、「凛」という名前がつけられる。その一方で、「凛」という漢字は、名前に適さない漢字だともいわれている。その理由一つが「凛」には、厳し寒さという意味があるためである。この「厳しい」という意味が名前に適さないといわれている。また、「凛」の部首が「冫(にすい)」で氷を意味していて、氷の冷たさから冷淡な人間連想させるため、名前に適さないという意見もある。このような理由から「凛」は、「名前良くない」と検索されることもあるが、「凛」は人名使用して良い漢字であるため、名前の漢字として使用することは全く問題ない

「りん」の読み方

「りん」は、りんと読む。

「りん」の熟語・言い回し

りんととは


「りんと」とは、漢字で「凛とと書くことができ、心身ともに引き締まっている様子を表す。また、「りんと」という名前の飲食店東京都立川市にある。有限会社やまとフードサービス運営していて、懐石料理の提供や、冠婚葬祭などの仕出し弁当寿司オードブル販売行っている。

凛としたとは


凛とした」とは、心構え姿勢しっかりしていて、様子りりしく引き締まっていることを意味する。「凛とした女性」や「凛とした態度」などと使われることが多くポジティブ印象与え言葉である。

燐の火とは


「燐の火」とは、「燐火」のことを意味し墓地や夜の暗闇発生する青白い火のことをいう。別名は、人魂や、鬼火狐火である。心霊現象一つとして有名だが、実際燐火水素燃焼によって起こっていることが多い。

燐としてとは


「燐」は、元素番号15番元素であり、元素記号は「P」である。色は、白や赤、紫、黒があり、マッチ殺虫剤として用いられることもある。例えば「燐として」は、「漢字を燐として、子どもにりんという名前をつけることはできない。」と使うことができる。「燐」は人名には使うことができない漢字である。

すず【鈴】

読み方:すず

金属陶器などの、下部裂け目のある空洞の球の中に小さい玉が入っていて、振り動かして音を立てるもの。神社にある大きなものや、合図用・装飾用・玩具用のほか、神楽能楽歌舞伎などの楽器として用いられる。「拝殿で—を鳴らす」「の首に—をつける」

(「鐸」とも書く)釣鐘型で、舌(ぜつ)をつるし、振り動かして音をたてるもの。風鈴の類。鐸(たく)。れい。

西洋音楽打楽器の一。1および2形状のもの2種がある。ベル

駅鈴(えきれい)。

「—ばかり給はって」〈平家・五〉

「鈴」に似た言葉

りん【鈴】

読み方:りん

⇒れい


りん【鈴】

読み方:りん

すず。れい。

ベル電鈴(でんれい)。

小さ鉢形をした仏具響銅(さはり)で作る読経の際に小さい棒でたたいて鳴らす。


れい【鈴】

読み方:れい

常用漢字] [音]レイ(漢) リン(唐) [訓]すず

[一]レイすずベル。「駅鈴金鈴振鈴電鈴予鈴

[二]リンすず。「風鈴


れい【鈴】

読み方:れい

すず。りん。ベル

法具の一。金属製小さな鐘の中に舌があり、上部の柄を持って振り鳴らす。金剛鈴など。


すず 【鈴】

鈴には種々の型があるが、大別すると球か扁球中に小玉入れたいわゆる鈴系のものと、鐘形で中に舌をつるした鐸系のものとがある。日本繩文時代には土鈴があったが、中国文化移入後、銅鐸などの金属製のものが出現する。もともとは宝器または祭器として作られたもので、古墳時代には帽子帯金具などに付着する装飾品でもあった。馬具にもつけた。シベリアシャーマン衣服に鈴をつけている。邦語スズは音が涼しいからだろうと『倭訓栞』にある。また鐸はサナキ佐奈伎)ともいうが、『延喜式』の鎮魂祭の項目では鈴と佐奈伎とを区別している。だが仏教では鐸(鐘)型のを鈴と呼び形で棒で打ち鳴らすのを鈴といっている。いわゆる鈴型のものは仏具としても使用する伊勢皇大神宮御手洗となっている五十鈴川の名は多くの鈴の意)。

れい 【鈴】

密教法具で、小さな鐘形に柄と舌のついた鳴り物金剛鈴鈴杵。鈴は別。→ 鈴

鈴 【りん】


作者勝目梓

収載図書禁断の宴
出版社講談社
刊行年月1996.11
シリーズ名講談社文庫


作者青木知子

収載図書季節はずれ
出版社澪標
刊行年月2004.10


作者森銑三

収載図書新編 物いう小箱
出版社講談社
刊行年月2005.3
シリーズ名講談社文芸文庫


作者城島明彦

収載図書怪奇がたり
出版社扶桑社
刊行年月2008.7
シリーズ名扶桑社文庫


読み方:すず

  1. 金鎖。〔第七類 雑纂
  2. 金鎖を云ふ。
  3. 金鎖のことをいう。

読み方:すず

  1. 鈴。亀頭の称。転じて陰茎をいふ。「あらばと鈴を鰐口参らせう」「鰐口に舞はせて鈴は太鼓打ち」「鈴の緒をはづして御戸帳ひんまくり」「鰐口と鈴で陰陽和合なり」「奥の院鈴ふり立てて拝むなり」「ふんどしのはづれたやうな宮の鈴」。
  2. 男陰の異名鈴口ともいう。大形の鈴を鰐口称し、これは女陰名にいわれる。〔風流
隠語大辞典は、明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録しているため、不適切な項目が含れていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

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読み方
すず
すずさき
すずざき
れい

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/28 06:27 UTC 版)

神楽鈴をもつ巫女

(すず)とは、を出す道具のひとつ。

概要

土器金属陶器などでできた中空の外身の中に小さなが入っており、全体を振り動かすことで音を出すもの。

似たものにがあるが、鐘は人間撞木を動かして音を生じさせるものである。鐘の場合、舌や撞木は人間が触れることができ、ワイヤーで鐘の外身あるいは鐘の置かれた建造物と繋がれている。

鈴の場合は鐘とは異なり、中の玉は外身にくるまれており人間が触れることはできず外身ともどことも繋がれてはいない。

英語では鐘も鈴も「bell」と呼ぶ。

鈴は、縄文時代クルミなどの木の実やマメを振ると外殻や莢の中で種子が動いて鳴ることに着想を得て作られた道具ともいわれる。マメや木の実の種子が殻や莢とはくっついておらず何処にもつながれていないのに外殻とともに成長するというのは、人間にとって、この上なく神秘的であった[要出典]

歴史

熊を追い払うための「クマ鈴」

人類がいつから鈴を用いているかははっきりしない。鈴や太鼓といった音の出る器物は、人類の歴史の古くから人間の暮らしや精神活動に深くかかわってきた。音は、人間にまつろわぬ獣や魔物を追い払って己の生命を守る楯であり、同時に己の仲間である獣や神を引き寄せる合図でもあった。

日本でも縄文時代には既に土鈴(どれい)と呼ばれる音を出す用途を意図して作られた器物が存在し、弥生時代にはの類である銅鐸が存在した。古墳時代中期の5世紀ごろになると金属製の丸い鈴が出現した[1](『古事記』で、雄略天皇の時代に、犬に鈴を付けていた記述と合致する)。

実例として、千葉県木更津市長須賀の金鈴塚古墳からは、1950年(昭和25年)7月の発掘調査石棺から純金製の鈴5個が検出されている[2]。なおこの鈴は、木更津市の歴史博物館に展示され、館名(木更津市郷土博物館金のすず)の由来ともなっている[3]

古墳時代に製作された形象埴輪の人物、馬、犬、大刀の護拳などには鈴を身に着けたものがある。埴輪に限らず、古墳後期には鏡に付属させた鈴鏡が見られる。『日本書紀』の顕宗紀には、即位元年の2月に「繩端懸鐸 無勞謁者 入則鳴之 朕知汝到 於是 老嫗奉詔 嗚鐸而進 天皇遙聞鐸聲」とあり、置目という名の老婆が顕宗天皇のもとに亡父の骨の所在を示したため、天皇は礼として置目を宮殿の近くに住まわしめ、自分のもとに参る時は「縄の端に鐸を掛けて鳴らし、取次の者に到着を知らせよ」と詔したという記述がある。農耕が始まってからは農作物を荒らす動物を追い払うため鳴子を田畑に設置したり、現在でも山菜採りなどで山に入るときには熊除けなどのために鈴を腰につけていく。土鈴については郷土玩具や縁起ものとして江戸時代以降に作られている素焼きに絵付けをしたものもある。

文字を持たない共同体においても人々が神を呼んだり共同体の結束を確認する祭りに楽器と音楽は欠かせず、日本の祭りでも神や仏を呼ぶのに楽器と音楽を用いる(人間を楽器と考えるならば歌謡と舞踊を用いると表現してもよい)。神社でを鳴らして神に拝むのもそうであるし、仏壇でを鳴らして先祖を拝むことも、除夜の鐘や教会の鐘、さまざまな合図としての鐘も、根源的には人間が音に対して抱いている観念、すなわち超常的な力を持つものに通じる畏怖と人間が操り制御することのできる親しみとが根底にある。

神具として

神社の鈴

日本

神道において「鈴」は、参拝時に神社拝殿で振り鳴らして用いられる。神社の拝殿には、鈴緒とよばれる縄の上のほうに大型の鈴(本坪鈴など)が取り付けられており、人間は鈴緒の下のほうを手で振り動かして鈴を鳴らし、神へ呼びかける。ただし、神社で鈴を鳴らして拝むのは戦後に広く行われるようになったもので、出雲大社などでは昔も現在も拝殿に鈴はなく、地域の社や祠などにももともと鈴はさげられていなかった。柏手を打って拝むのが本来である。

神楽舞(かぐらまい)を舞うときに巫女が手に持って鳴らす「巫女鈴」(神楽鈴)というものもある。中心となる棒に取っ手とその上部に3段に分けて、小さな鈴を15(=3+5+7)個付けた「七五三鈴」等が使われる[4]。これは「鈴なり」の言葉の語源ともなった。

出雲大社では「瑞鈴」という鈴を用いる。これは毎年8月に行う「みたまむすびの霊行」にて、氏子や教信徒らが本殿瑞垣神域を「おにわふみ」を行う時に抱く神聖な鈴である[5]

西洋

キリスト教の一教派である正教会では、振り香炉に鈴が取り付けられ、その音により祈る者の心を神の国へと向ける働きを持たせている[6]

楽器として

スレイベル
インドなどのダンサーがアンクレットとして身に着けるグングル (アンクレット)英語版

「鈴」は、クラシック音楽などで打楽器として用いられる。

プラスベル[7]
プラスチックなどでできた丸い輪に数個の鈴を取り付けたもの[7]。元 たま石川浩司は足にはめて演奏していた。
スレイベル[7](ジングルベル[7]
そりの鈴。「スレイ」はそりの意[7]スレイベルの項目を参照。また、日本では、馬に付けた鈴を模した駅路という楽器がある[8]
ハンドベル[7]
ハンドベルの項目を参照。
テンプルベル
テンプルベル」とは、主に近代音楽以降、特に現代音楽において用いられる。金剛鈴と同じ物。また、英語のtemple bellには梵鐘の意味もある。
マレットで叩く奏法のほか、弦楽器の弓で擦ることもある。
カウベル
本来は、牛の首につけ、牛の位置を把握するための鐘鈴であるが、楽器としても用いられる。
ラテン音楽では、これを楽器に特化するように改良した物が使用される。

動物に付ける鈴

スレイベルが取り付けられた輓馬
牛、放牧している家畜(カウベル)
といった家畜に鈴をつけることは古くから世界各国で行われてきた。放牧している牛の場合は音色を頼りに家畜の所在を把握するのに付けられる。牛と同様の目的では山羊などにも付けられる。
馬、ロバなど運輸に使われた動物(馬鈴、駝鈴)
馬の場合は周りに馬の存在を知らしめ通行人に用心を促し駅馬伝馬などの任務を滞り無く行えるようにする役割がある。馬と同様の目的では驢馬駱駝等に鈴が取り付けられる。欧米では伝統的に牛馬にはカウベルを一つ首に括り付けている事が多いが、日本では馬に用いる場合トーラス型で外周部に全体を一周する開口部がある馬鈴(ばれい)が用いられる。この鈴は他の鈴に比べ接触による振動減衰が起こりにくい特徴がある。牛馬の中でもを輓く目的で用いられる個体には、多数のクロタルベル(英語版)がぶら下げられたスレイベル(ジングルベル)が取り付けられる。
去勢した一頭の牡羊ベルウェザー英語版に着けられる。去勢されたことで羊飼いに従順になり、羊飼いの命令で羊を先導するようになる。羊は群れを作る動物なのでリーダーの羊一頭を見つければどこに行こうとしているのか群れの位置が判断できる。このように群れを率いるリーダーとしての姿から、政治やトレンドなどの先導者などをベルウェザーという場合がある。
の首輪に鈴を付ける事も、中国では代から代頃には戦車を輓く輓馬の装備品として馬鈴が用いられるのと同時期に既に行われていた。日本では現代でも猟犬向けに作られる青銅鈴が支那鈴(しなすず)の名称で呼ばれているが、これは中国で古代より馬鈴として用いられていた青銅製のクロタルベルを意匠をその儘に小型化したものである。狩猟者達は猟犬に支那鈴を付ける事で、猟犬が山中の何処に居るのか、獲物を追って走っているのか否か、そして猟犬と追われる獲物が自身に対してどの方向から現れうるのかを、鈴の音から判断する事が出来るのである。日本の文献上、犬に鈴をつけた記述は、『古事記』に、雄略天皇の時代(5世紀後半)、志幾の大県主がお詫びの品として献上した白犬に鈴をつけていたとする。
首輪に猫鈴(英語版)を付けた猫
猫に鈴を付ける行為は近代まであまり一般的ではなく、日本では江戸時代から昭和にかけて、主に農家以外で飼いの首輪の喉の部分に鈴を一つつけることが行われてきた。現在でも飼い猫用の首輪には鈴がつけられていることが多い。これは、江戸時代以降に日本に広まった西洋のイソップ寓話をもとにした「猫に鈴をつける話」の影響である。ネコは足音をたてずに歩き、己より体の小さい獣ネズミなどを狩る肉食獣である。音もなくやってくるネコに日々追われるネズミたちが相談をして、ネコに鈴をつければよいという案で一致した。しかし、実際に自分がネコに鈴をつけに行こうと申し出るネズミはいなかった。そのため今もネズミはネコに追われているのである、という話である。なお、ネズミがネコに追われる理由の説明として、東洋では十二支と関連づけて説明する別の話がある(「子 (十二支)」を参照)。
日本ではネコはネズミを獲るからこそ飼われてきた。ネズミは収穫した穀物すなわち自然から切り離して完全に人間の所属となったものを食いあらす害獣であり、己より大きな寝ている乳児や弱った病人をかじる動物である。ネコはその逆で、穀物は食べず、己より大きなものは襲わない。それゆえネズミを好んで捕え、寝た子を守る役目をする動物として珍重されてきた。日本ではネズミを除けるために、穀物を貯蔵する高床倉庫や経典や書類や宝物を収蔵する正倉にはネズミ返しとよばれる木の板の仕掛けが必ずつけられてきた。寺院では経典や木製の仏具がかじられて破損されるのを防ぐためにネズミ除けとしてネコを飼うことが行われ、日本には仏教文化の伝来とともにネコを飼うことが始まったともいわれるほどである。そうしたネズミの害を減らすために好まれてきたネコの首に鈴をつけるのは、ネズミの害を忘れ西洋的価値観を取り入れた[9]江戸明治大正時代の富裕層や、昭和高度成長期の脱農したサラリーマン家庭の流行であった。
鈴をつけるメリットとして、猫の居場所がわかる[10]。また、野生動物保護となる効果も確認される[11](シドニーでは、野生動物保護のために鈴を2個つけることを推奨している[12])。デメリットとして、猫の性格や音量によっては猫のストレスとなる場合がある[10]

脚注

出典

  1. ^ 古墳時代の鈴の音 京都国立博物館
  2. ^ 木更津市郷土博物館金のすず 2010, pp. 10–11.
  3. ^ 展示室”. 2020年4月21日閲覧。
  4. ^ 読売新聞 2015年12月23日 17面掲載。
  5. ^ 出雲大社教大祭 出雲大社教
  6. ^ 炉儀
  7. ^ a b c d e f 楽器紹介 JEI ONE
  8. ^ 字通,世界大百科事典内言及, 精選版 日本国語大辞典,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,普及版. “駅路とは”. コトバンク. 2022年3月16日閲覧。
  9. ^ もっとも、西洋でもウイスキーキャット首相官邸ネズミ捕獲長に見られるように、ネズミ対策としてもネコが飼われていた。
  10. ^ a b ねこのきもちWeb編集室 (2019年7月8日). “可愛いけどストレスに!? 猫に鈴をつけるメリット・デメリット|ねこのきもちWEB MAGAZINE”. cat.benesse.ne.jp. 2023年9月13日閲覧。
  11. ^ Nelson, S.H.; Evans, A.D.; Bradbury, R.B. (2005-10). “The efficacy of collar-mounted devices in reducing the rate of predation of wildlife by domestic cats” (英語). Applied Animal Behaviour Science 94 (3-4): 273–285. doi:10.1016/j.applanim.2005.04.003. https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0168159105000742. 
  12. ^ 野生動物保護で猫に「外出禁止令」、シドニーで検討”. Reuters (2011年6月8日). 2023年9月13日閲覧。

参考文献

関連項目

鈴の柄
  • (かね)
  • 梵鐘(ぼんしょう)
  • 鈴 (仏具)…仏具としての「りん、れい」。
  • 呼び鈴(よびりん)- 合図や注意のために音を発する器具。
  • 風鈴(ふうりん)- 日本の夏の風物詩。風で鳴らす鐘鈴。 
  • 土鈴(どれい) - 土器陶器の鈴。
  • 駅鈴 - 日本の律令時代に、官吏に支給された駅の使用を許可する鈴。

外部リンク


鈴(すず)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/05/26 12:33 UTC 版)

のちのちのシトロン」の記事における「鈴(すず)」の解説

本作主人公である少女

※この「鈴(すず)」の解説は、「のちのちのシトロン」の解説の一部です。
「鈴(すず)」を含む「のちのちのシトロン」の記事については、「のちのちのシトロン」の概要を参照ください。

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発音(?)

名詞

  1. すず中空中に玉等が入っていて、振ると音が出る鳴物
  2. (りんれい)仏前で鳴らす


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