貝層
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/31 15:41 UTC 版)
貝層(かいそう)とは、地中に貝類が堆積して貝殻による層をなしたもの。過去人類の活動によって形成された「人為貝層」(いわゆる「貝塚」)と、太古の海に生息していた貝類の死骸が海底に堆積して形成された「自然貝層」がある[1]。
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人為貝層
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過去人類が食用等の目的で採取し、集落内外の捨て場に遺棄したもので、「貝塚」とよばれる遺跡を構成する。主に考古学の研究対象となる。人為貝層は、遺跡を構成する土層の一種であり、かつそれ自体が遺構でもある。ハイガイやハマグリ、アサリ、ヤマトシジミ、マガキ、アワビ、サザエなど様々な食用貝類からなり、太古の人類(縄文時代人や弥生時代人など)の食生活や環境を知るための重要な考古資料となる。
考古学では貝類の密度に応じて以下のように分類されている[1]。
- 純貝層(じゅんかいそう):ほぼ貝殻のみで形成される層。
- 混土貝層(こんどかいそう):土より貝殻の割合が多い層。
- 混貝土層(こんかいどそう):貝殻より土の割合が多い層。
人為貝層の例
自然貝層
太古の海に生息していた貝類が死んだ後、海底土砂と共に地層化したもので、多くは化石と化している。 主に地質学・古生物学の研究対象となる。隆起により陸地化した場合、地層の露頭などで観察され、古環境復元の研究などで活用される。国や地方自治体によって天然記念物に指定されているものもある。
自然貝層の例
- 木下貝層(きおろしかいそう):千葉県印西市木下。国の天然記念物[2]。
- 亜深海性貝類の産状を示す野島層の露頭(あしんかいせいかいるいの さんじょうをしめす のじまそうのろとう): 神奈川県横浜市金沢区大道1丁目。横浜市指定天然記念物[3]。
- 平床貝層(ひらとこかいそう):石川県珠洲市正院町。石川県指定天然記念物[4]。
- 吉田貝化石層(よしだかいかせきそう):鹿児島県鹿児島市西佐多町。鹿児島県指定天然記念物[5]。
- 南種子町河内の貝化石層(みなみたねちょうかわちのかいかせきそう):鹿児島県熊毛郡南種子町中之上。鹿児島県指定天然記念物[6]。
脚注
参考文献
- 金子浩昌「貝層」『新日本考古学小辞典』(江坂輝彌・芹沢長介・坂詰秀一編)ニュー・サイエンス社 2005年 pp.70 NAID BA72195827
関連項目
- >> 「貝層」を含む用語の索引
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