紋様とは? わかりやすく解説

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もん‐よう〔‐ヤウ〕【文様/紋様】

読み方:もんよう

調度器物衣服などの表面装飾され図形。同じ図柄反復繰り返しによって構成されるものをいうことが多い。模様


紋様

作者北原なお

収載図書再会
出版社企画集団ぷりずむ
刊行年月2002.5
シリーズ名ゆきのまち幻想文学賞小品集


模様

(紋様 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/19 07:56 UTC 版)

模様の例

模様(もよう)とは、ものの表面に自然に発生する、または人工的に表されたなどのこと。また、なりそうな様子やそのような状況、という意味で慣用句として用いることもある[1]。一例として、空模様気象)などがある。

類義語に紋様(もんよう)と文様(もんよう)がある。紋様は平面上に広がった模様のことを特に示す語でたとえば海岸や砂丘に風や波によって描かれた模様を「砂紋」という。文様は人工的に表された模様のことを特に示す語で、例えば土器に縄を使ってつけた模様を「縄文」という[要出典]。また文様のうち、いくつかの線を斜めに交わせることによって表され模様のことを特に(あや)という。

概要

自然天候や人間以外の動植物によるものを含む)に作られた模様と、人工的に作られた模様がある。

自然に作られた模様としては、例えば、指紋旋毛(つむじ)、警告色のように動物の体表に表れるもの、砂紋(人工的なものもある)、地層、植物に見られる葉脈年輪などがある。人工的なものでは、刺青衣服、実用品、建築などに施され、塗布、彫り付ける、焼き付ける、刷り付ける、織り込むなどにより描き出される。

文様

歴史

地域を問わず、古代より土器や服飾、建築装飾や実用品に至るまで施された。人工的な模様は、警告や注意のため、装飾の目的のため、また、魔除けの意味を持たせることがある。 最も古い時代に描かれたのは幾何学文様や渦巻、格子などだったが、やがて身の回りにいる動物や植物が取り入れられるようになった。例えば古代エジプトではワニカバパピルスロータスがモチーフとなった装飾文様が見られる。動物崇拝が盛んだったメソポタミアでは、グリフィンのような神格化された有翼動物がモチーフとされた。また、古代ギリシアに伝わり伝統的なモチーフとなったパルメット文様やロゼット文様も見られる[2]

古代ローマ以来、ヨーロッパの文様は周辺地域の影響を受けて発達した。ローマ人に征服されたケルト文化では巴形の渦巻文や組紐文(ギローシュ)(en)が発達しており、後のキリスト教美術に影響を与えた。また、サーサーン朝ペルシアなど、イラン高原の王朝で発達した花喰鳥、連珠文、樹下動物、双獣文、有翼獣、狩猟文などの様式がシルクロードを経て東西へ伝播した。ペルシアの文様は7世紀のウマイヤ朝アッバース朝と続くイスラム文化圏の形成に受け継がれた。イスラム教では偶像崇拝が禁止されたが、アラベスクや装飾文字、幾何学文様がめざましく発達し、スペインやイタリアを経由してヨーロッパの文様に影響を与えた[2]

中国新石器時代土器には、魚や人面を描いて魔除けとした例があり、日本の古墳時代では赤い三角形菱形を規則的に並べた模様を身に着けたと考えられており、規則的に並べた赤い三角文を付けた「冠を被る男子埴輪」が福島県から出土している。北海道のアイヌ民族は江戸時代後期までアイヌ文様を衣装に用い続けた[3]

現代でも、案内や警告、注意を促す道路標示などの標示、服のデザイン、書籍等の表紙、製品の表装、建物・乗り物・機器等の表面などに使われている‥

種類

文様は、次のように大別される。[4]

図案は様々で、ある種の規則性がある模様もあり、規則性が全く見られない模様もある。千花模様のように、絵といってもいいような模様がある一方で、七宝文や「蛇の目」のように、幾何学的な模様もある。

連続したものから、絵画のように描かれたものまであり市松模様(石畳・チェック)や縞模様(しま・ストライプ)、格子のように同じ形態が繰り返し用いられることが多いが、それに限らず、植物や動物、風景などを図案化した模様もある。和柄では縁起のいい模様を吉祥文様と呼ぶ。[5]

文字であっても、図案化・装飾化されていたり、繰り返し用いられている場合には文様と呼ぶ。日本では、武士歌舞伎役者などが用いた家紋や「役者文様」に多く、「鎌輪ぬ(かまわぬ)」や「斧琴菊(よきこときく)」のように文字と図を並べた模様[3]や「吉祥文字崩し」のように文字を分解して散りばめた文様などがある[6]。また、文字としてではなく絵の一部として文字を組み込んだ「葦手絵(あしでえ)」という模様も用いられ、和歌や物事を関連する絵柄に組み込んだ[3]。家紋では、石田三成などが用いた「大吉大一大万(だいきちだいいちだいまん)」や島津氏などが用いた「十文字(じゅうもんじ)」などがある。

関連項目

参考文献

  1. ^ 金田一春彦編『学研 現代新国語辞典 改訂新版』学習研究社 1994年
  2. ^ a b 視覚デザイン研究所編『ヨーロッパの文様事典』視覚デザイン研究所、2000年、ISBN 4881081519 pp.5-7,47-49.
  3. ^ a b c 早坂優子著『日本・中国の 文様事典』視覚デザイン研究所 2000年
  4. ^ 『ビクトリア現代新百科』学習研究社 第12巻
  5. ^ 吉祥文様の意味20種類[1]
  6. ^ 中村重樹編著『日本の伝統文様』エムディエヌコーポレーション 2005年

外部リンク

  • 求古図譜高島千春、有隣堂、1868年(日本の伝統文様など)

紋様

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/20 23:09 UTC 版)

ウィピル」の記事における「紋様」の解説

ウィピルの紋様や形状自治体によって異なり、同じ民族であってもしばしばごとに異なる。メキシコオアハカ州テワンテペク地峡(イスモ・デ・テワンテペク地方)に住む海岸部サポテコ族ウィピルは、黒いベルベットなどにチェーンステッチ大きな花模様原色刺繍してレースなどで装飾したもので、マニラ・ガレオン貿易もたらされ中国フィリピン花模様刺繍影響受けて発達した一方で、同じオアハカサポテコ族でも、イダルゴ・ヤララッグ(英語版)などに住む山地サポテコ族既婚女性白木綿をはぎ合わせた継目と裾の縁にのみ刺繍し、胸と背に色糸の房を飾ったシンプルなものを、未婚女性はそれに縦の花模様刺繍正面中央両脇背面中央加えたものを用いる。また、オアハカ周辺のバジェス・セントラレス地方サポテコ族女性ウィピルではなく胸元細かな花模様刺繍したブラウス着用するチナンテコ族クイカテコ族縫取織ウィピル平織絡み織併用した白木綿に、赤を基調にした菱形などの幾何学模様などを密に織り出している。呪術習慣知られるミシュテカ族太陽・花・サソリ・クモなどの刺繍も有名である。グアテマラマヤ人ウィピルは肩から胸・背にかけて密に刺繍施したものが多い。

※この「紋様」の解説は、「ウィピル」の解説の一部です。
「紋様」を含む「ウィピル」の記事については、「ウィピル」の概要を参照ください。

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