理論的な枠組みと性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 14:02 UTC 版)
「Weakly interacting massive particles」の記事における「理論的な枠組みと性質」の解説
WIMP的な性質を持つ粒子は、素粒子物理学の標準模型の一般的な拡張であるRパリティを保存する超対称性によって予測されるが、未だ超対称性を持つ新粒子は観測されていない。 WIMP的粒子は、普遍的余剰次元理論やリトルヒッグス理論によっても予言される。 モデルパリティ候補者SUSY Rパリティ 最軽量超対称粒子(LSP) UED KK-パリティ 最軽量のカルツァクライン粒子(LKP) リトルヒッグス Tパリティ 最軽量のT-odd粒子(LTP) WIMPの主な理論的特徴は次のとおり: 弱い核力と重力、あるいは弱いスケール以下の断面積を持つような他の相互作用を介した相互作用を持つ。 標準模型粒子と比較して大きな質量(GeV以下の質量を持つWIMPは軽い暗黒物質と見なされる場合がある)を持つ。 通常の物質との電磁相互作用がないため、WIMPは通常の電磁観測では見えない。また質量が大きいため、それらは比較的動きが遅く、したがって「冷たく」なる。 この低速度により互いの重力を振り切ることが出来ないため、WIMPは一箇所に凝集する傾向がある。 WIMPは、コールドダークマターの主な候補の1つと見なされている。その他の候補には、巨大なコンパクトハローオブジェクト(MACHO)とアクシオンがあるが、これらの名前は、対照的に意図的に選択されたものであり、MACHO(マッチョ、逞しい人)はWIMP(弱虫)よりも後に名前が付けられている。 MACHOとは対照的に、素粒子物理学の標準模型には、WIMPのすべての特性を備えた既知の安定した粒子は存在しない。ニュートリノなどの通常の物質との相互作用がほとんどない粒子はすべて非常に軽いため、動きが速い、つまり「高温」になる。
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