普及率
世帯普及率
普及率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 01:12 UTC 版)
表1:企業・事業所規模別のメンタルヘルス対策への取り組み割合企業・事業所規模取り組み割合2007年度調査2002年度調査(前回調査)5000人以上 100.0% 88.9% 1000人-4999人 95.5% 90.6% 300人-999人 83.0% 64.7% 100人-299人 64.1% 44.0% 50人-99人 45.2% 32.4% 30人-49人 36.8% 26.6% 10人-29人 29.2% 20.2% 表2:各企業・事業所におけるメンタルヘルス対策の内容と割合内容割合(複数回答)労働者からの相談対応(心理カウンセリングなど)の体制整備 59.3% 労働者への教育研修・情報提供 49.3% 管理監督者への教育研修・情報提供 34.5% 表3:メンタルヘルス対策にまだ取り組めていない場合の理由と割合理由割合(複数回答)専門スタッフがいない 44.3% 取り組み方が分からない 42.2% 必要性を感じない 28.9% 労働者の関心がない 27.7% 経費がかかる 12.1% その他 17.5% 不明 0.7% 2007年度に厚生労働省が取りまとめた全国規模の企業・事業所現場調査によると、労働者300人以上のいわゆる大企業は、80%-100%が産業精神保健に取り組んでいる(表1)。 労働者300人未満のいわゆる中小企業では、規模と取り組み割合は正比例しており規模が小さい企業・事業所ほど取り組みが遅れているが、労働者10人-49人程度の小規模企業(個人事業・自営業)であっても、およそ3ヶ所に1ヶ所は、既に産業精神保健に取り組んでいる(表1)。 この結果を2002年度調査(前回調査)と比較すると、大企業-中小企業までの全ての規模の企業・事業所において、産業精神保健への取り組み割合が増加・拡大している(表1)。 ただし、中小企業における産業精神保健への取り組み割合は、最大でも64%程度であるが(表1。企業・事業所規模:100人-299人を参照)、中小企業は労働者の人数が少ない性質上、職場内の人間関係が閉鎖化・固定化しやすいことがあり、好ましくない関係性が固定化してしまった場合には、そのような職場風土に起因したストレスやハラスメントが生じる恐れがあると指摘されているため、今後の着実な取り組み推進が急務とされるなど、特に中小企業における労働者への専門的なケアの充実は、いまだ途上の段階にある。 一方、各企業・事業所において最も多く取り組まれている産業精神保健は、「心理カウンセリングなどの体制整備」で、対策全体の約60%を占めており、今日では心理職専門家による心理カウンセリングが、産業・労働分野においての健康管理の一環として、一定の普及・定着を見せていることが現場から報告されている(表2)。 他方、いまだ産業精神保健に取り組めていない企業・事業所が回答した理由では、「専門スタッフがいない」「取り組み方が分からない」がほぼ同率で第1位と第2位を占めている(表3)。企業・事業所の大小を問わず、経営者にとってはネックとなりがちな「経費がかかる」との回答は、12%程度で、具体的な回答項目の中では最も少なく、産業精神保健が遅れている各企業・事業所が抱えるのは、コスト面の課題よりもメンタルヘルスケアの担い手とのマッチング面の課題の方が、より大きなウエイトとなっていることが報告されている(表3)。 この課題に対する支援としては、各地方の産業精神保健支援センターや地域産業保健センターも相談を受け付けている。また、医療系ポータルサイトのWAM NETや心理士職能団体の日本臨床心理士会が各都道府県の医療機関・相談機関の検索サービスを公開しており、労働者自身でも個別にそれらの専門機関を探せるほか、企業・事業所へ「外部EAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)」を提供している専門機関も含まれているため、各企業・事業所の経営者にとっても、産業精神保健導入時の情報ツールのひとつとなっている。
※この「普及率」の解説は、「産業精神保健」の解説の一部です。
「普及率」を含む「産業精神保健」の記事については、「産業精神保健」の概要を参照ください。
「普及率」の例文・使い方・用例・文例
- 普及率のページへのリンク