敵対関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:56 UTC 版)
ロナルド・ウォレス 白髪に鷲鼻という、御伽話に出てくる悪い魔法使いのような風体をした老人。死霊使い(ゴースト・テイマー)の異名を持つ死霊術師(ネクロマンサー)。漂う亡霊を捕らえ、死霊として手駒にする。 死霊使いの異名は、呪殺はせず、他者に死霊を憑依させ、操って標的を物理的に殺害するという手段から。そのことから呪的暗殺者とも言われる。 中でも有名な話は、三年前にたったひとりの人間(マフィアのボス)を殺害するために、120人の人間に爆弾を持って特攻させ、300人の死傷者を出させたこと。 依頼を受け、標的である霧香の殺害を目論んだが、綾乃の妨害に遭い、ふたりまとめて始末しようとする。水晶玉を通してふたりの様子を見ているところへ和麻が現れ、振り返ると同時に首を切断されて死亡した。しかし、死霊使いが死んでも操られた死霊が解放されることはなく、目的を達するまで行動し続ける。その死霊たちも和麻によって浄化された。 楊 飛浪(ヤン フェイラン) 朧の蔵から宝貝(パオペイ)を盗み出した40代くらいの中年導士。水晶玉を覗いた者を洗脳したり、罠を仕掛けたり、封印された妖魔を配下にするなど卑怯な手段を用い、決して自分では戦おうとしない。 実力自体はたいしたことはないが、性格は尊大で傲岸不遜。常に大物ぶった態度をとって他人を見下しており、綾乃を「精霊術士ごとき卑賤の輩」と馬鹿にしていた。和麻に「大物ぶった態度ははたからみると馬鹿丸出しだからやめとけ」と言われ、激昂した。 朧の蔵から宝貝を盗み出したため、命を狙われている(宝貝を取り返すことよりも、楊の殺害が優先されている)。占い師に扮装して洗脳した花音と芹沢に宝貝を与え、朧と煉の抹殺を計った。芹沢に両刃の直刀の宝貝による近接戦闘を仕掛けさせ、花音に渡した遠隔攻撃用宝貝・火竜鏢(かりゅうひょう)で三人を仕留めるという作戦を開始するが、花音は和麻に破れ、計画は失敗に終わる。 罠を仕掛けて朧たちを迎え撃とうとしたが、仕掛け終わるよりも早く居場所に乗り込まれたため、これも失敗。追い詰められた楊は、宝貝・大極図のレプリカを用いて戦う。が、これも効力に回数制限があったため、失敗。絶対的な死を覚悟した際に、最後の宝貝・紅葫蘆(べにころ)で朧との相討ちを狙うも和麻に妨害され、真っ二つにされて死亡した。 最期まで失敗を続けた典型的な小物であったが、それでも死を覚悟した敵は侮れないという手本を見せた。 更に大極図のレプリカと相性がよく、和麻の風の刃を無力化したり、手駒の妖魔が木っ端微塵に破壊されても一瞬で復活させられるほどの力を引き出した。 技一覧 洗脳 水晶玉を覗き込んだ人間の自我を封じ操り人形に変える。作中では占い師に扮して花音と芹沢を傀儡にした。ただし洗脳時の記憶はいくらか残る模様。 透明化 姿を隠して透明人間のようになる術。綾乃と和麻を監視するのに使用。綾乃は気づかなかったが和麻には見抜かれていた。 奇門遁甲 対象の周囲を濃霧で多い、異次元に存在する荒涼とした大地に引きずり込む。出口は八つあるが本物は一つだけで、残りの7つは通るとロクでもない目に遭うほか「死門」は通った瞬間に即死するという最悪なもの。本物を見つけ出すのは和麻でもできなかった。 槍文 指向性を持った槍を放つ。対象に命中するまで追い続けるが、和麻によって地面に突き立てられ無力化された。 太極図のレプリカ 朧のもとから盗み出した宝貝。万物を操る太極図のレプリカだが飛浪とは相性がよく、朧の予想を超えた力を引き出した。ただ回数制限があるため和麻たちとの戦闘中に使用不能となった。 以下は太極図によって起こされた効果を記す。攻撃の無力化 和麻の風の刃を消し去り防御に使用。 復活 血泥やペースト状になるまで破壊された妖魔を復活させた。 空間転移の門 空間と空間を隔てる「門」を生み出す。妖魔たちを援護し奇襲攻撃用に使用した。ただし門を移動中に閉じてしまうと上半身と下半身が分断されてしまう。 紅葫蘆(べにころ) 朧から盗んだ宝貝の一つ。呼びかけに答えた者を瓢箪の中に吸い込んで溶かしてしまう。太極図を攻略され追い詰められた際に、道連れ覚悟で朧に使用したが和麻の風の刃によって持ち主ごと切断された。 白和麻(ホワイトかずま) 朧が作った複製人形(コピーパペット)という宝貝。風術に対して強力な耐性があり、和麻の思考を読んだような動きまでできる。また、縮地(しゅくち)という術を用いて空間に干渉し、距離を短縮して動くことが可能。その技術を持って和麻から逃げ果せた。身体能力も和麻同様に高く、不良数人を一瞬で叩き伏せてしまった。 和麻と瓜二つの容姿だが、挿絵では全体的に若干白っぽく描かれている。性格はオリジナルとは逆に、誠実で心根の優しい青年であり、無償で人助けをすることが生きがいとなっている。というよりも、良心回路というものが組み込まれており絶対に人を見捨てられない「究極のお人よし」として生まれている。 和麻が物理的なショックを与えてしまったため、一部の機能が破損してしまい、自分自身を本物の和麻だと思い込んでしまっている――と朧は説明していたがそれも怪しいものだと和麻は疑っており、全て兄弟子が仕組んだものではないと見ていた。風術は使えない様子。 本物より誠実で優しい人間として描かれており、特に綾乃に対してはかなり優しく接しており、キスまでしようとするなど愛情が窺えた。 和麻の風の刃を躱すと綾乃に当たる、という状況に追い込まれてしまい、身を挺して綾乃を護ろうとした。最期は綾乃を護るという思いから和麻の風と拮抗するも消滅した。和麻自身は「この程度で綾乃が死ぬはずがない」と見越しての行動だった。実際、白和麻が消滅した際に狙いが外れた風の刃が綾乃へと飛来したが、彼女はあっさりと炎で焼き尽くしてしまった。 佐伯竜二(さえきりゅうじ) 自分は特別「ツイている」と思い込んでいる男性。初めて犯した盗みが成功したため、味を占めて何度も引ったくりを犯して生活をしていた。 その所為で自分は幸運に恵まれていると思っていたが、警官に追われることとなり、逃げている最中に煉、綾乃、和麻を人質に取ろうとして、最終的に病院送りの重体にされてしまう。 煉に関節を決められて無理やり逃げたまではよかったが、綾乃を人質にとって膝の皿を砕かれ、執念で和麻に狙いを定めるがあっという間に蹴り飛ばされ、不運にも吹っ飛んだ先に綾乃がいたため「来るな!」とぶっ飛ばされ、更にとんだ先に和麻がいたため、という風に打撃の嵐でピンボールのように弾き飛ばされていた。 警官に保護される佐伯の姿を見た七瀬に「特別ついてない人間もいるんだな」とコメントされてしまった。 柴田(しばた) 髪を七三分けにし、銀縁眼鏡をかけた三十代前後の男性。岡島組の若頭を勤めているインテリヤクザ。組長の娘を誘拐した和麻(実際は意にそぐわない結婚をさせられそうになったため、娘が和麻に逃亡の手助けを依頼した)のマンションに子分を連れて現れ、先手を打って室内に手榴弾を投げ込むなど思慮に欠けた部分がある。 そのことを煉から指摘され、「家の中に娘さんがいたらどうするんですか」といわれたが、部下と一緒にその話題は無理矢理流してしまった。狙いは飽くまで和麻であり綾乃たちとやり合う気はなく、すぐに白旗を挙げてしまった。 ラーン 風の聖痕リプレイ「深淵の水龍」に登場した水術師。黒のローブを着た中年の男性で同作における黒幕的存在に当たる。知的探求心が非常に強く、そのためならば手段を択ばない性格。分類としては水術師だが下地に魔術を用いており、これによって水術を強化している。本人は水の壁などで防御に徹し、呼び出した水の精霊獣で攻撃する。 加倉島に四大精霊の力によって封印されていた龍(膨大な自然の力)を復活させるべく暗躍し、思春期の少年少女たちの力を利用して狂った水の精霊を生み出し、封印を解こうとしていた。その結果聖陵学園に妖魔化した水の精霊が現れ、怪異を起こし始めることに。偽の業者を手配して学園の給水塔に仕掛けを施すなど聖痕の中でもからめ手を用いている。 その後、美琴の存在を知ると「夢」という形で美琴の精神と接触し、彼女を迎えに行くことを告げる。綾乃が結界を展開してラーンの侵入を妨害しようとしたが、あっさりと通り抜けている。そして見事に一行を出し抜き、龍が封印されている異次元である「幻夢宮」に美琴を捕らえることに成功。和麻たちとの戦いで滅ぼされた、風巻流也に憑依していた上級妖魔の欠片(風の妖魔)と美琴を接触させ、力を取り戻させる。そして妖魔が持つ精霊を狂わせる能力によって封印を破り龍を復活させた。己と龍をリンクさせ暴走を抑え込むが、しかし復活した龍をどうこうするわけではなく、「復活したらどうなるのか」と観察するのが目的であり、このやり口はアルマゲストの術師と同じく「愉快犯」的なものと例えられた。ラーン自身は正しいリンクの切り方を知らず、無理に切れば龍が暴走する危険性があった。そのため燎たちは、龍を鎮める唯一の方法としてラーンを倒すこととなる。 救出された美琴と力を合わせた燎の一撃により倒される。燎から敗因として人と人の絆を信じなかったことを突きつけられ「反省材料としよう」と敗北を認めながら息を引き取った。 原作者が考案したキャラクターではなく、「深淵の水龍」を執筆した三輪清宗によるもの。『風の聖痕』の設定が多く取り入られている。著者が西洋の魔術に詳しいことと、原作の敵に西洋魔術師が多く登場することからラーンが誕生した。
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