散漫な動きの回避
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 09:50 UTC 版)
「マルコフ連鎖モンテカルロ法」の記事における「散漫な動きの回避」の解説
マルコフ連鎖モンテカルロ法の効率を下げる要因の一つは、マルコフ連鎖が近い状態を行きつ戻りつする散漫 (diffusive) な動きである。散漫な動きを防ぐ工夫を持つアルゴリズムが様々提案されている。これらのアルゴリズムは実装が難しくなるが、より高速な収束を得られる可能性がある。つまり、少ない試行から正確な結果を得られるということである。 SOR法 – モンテカルロ法を応用したSOR法はギブスサンプリングの一種とみなすことができ、散漫な動きを避けることがある。 ハイブリッドモンテカルロ法(HMC法)– ハミルトニアン・モンテカルロ法とも。補助の運動量ベクトルを導入しポテンシャルが対象となる確率分布の負の対数密度関数となるハミルトニアンを構築する。標準的な方法では,ハミルトニアン方程式を近似的に解く確定的動きと、運動量ベクトルを更新する確率的動きによって候補を生成する。確定的な動きのおかげでHMC法でのマルコフ連鎖は標本空間をより大きなステップで移動し、相関が弱く、目標の分布により素早く収束することが期待される。 NUTS法 – ベイズ統計学で広く用いられる、統計モデリングプラットフォームである Stan では、HMC法の変法である NUTS法(No-U-Turn Sampler)が採用されている。 スライスサンプリングの一部は散漫な動きを回避する。
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