惰性
「惰性」とは、「これまで続いてきた動作や習慣などをそのまま維持しようとするさま」を指す意味で用いられる表現である。とりわけ、消極性や面倒くささから従来通りの判断や行動に甘んじようとすること(の理由)というネガティブな意味合いの表現として用いられることが多い。
- 惰性で付き合っている → 互いに不満や問題を抱えていたりするが、きっぱり別れることもためらわれ、消極的に関係を維持している
- 惰性で続けている → あえて継続する理由も動機も失われているが、解消する手続きが億劫なので何もせず、結果として継続している
- 惰性で生きている → これといった目標た生きがいを持たず、新しいことに挑むでもなく、これまでの生活をひとまず継続するようにして人生を送っている
- 惰性で服を選ぶ → ファッションを楽しむでもなく、積極的に着たいと思うわけでもなく、これまで着てきた系統だから無難だといった消極的な理由で着るものを選ぶ
「惰性」の読み方
惰性の読み方は、「だせい」である。「惰性」の語源・由来
惰性の「惰」には「怠ける・だらける」という意味もあるが、「これまでの状態を維持する」という意味合いもある。この「惰(状態維持)の性質」がすなわち「惰性」である。「惰性」という言葉そのものに明確な語源や出典は特に見いだせない。
近代日本において inertia の訳語として考案された「和製漢語」である、とは一般的には考えられていない。
「惰性」と「怠惰」の違い
「惰性」は性質・要因・法則を指す名詞である。「怠惰」は様子や性質(性格)を指す名詞または形容動詞である。
「惰性」の類語
惰性の類語には、漫然・習慣・常例・慣性・流儀・因習・格例・式例などがある。漫然は明確な目標がなく過ごす様のことで、習慣は定期的に同じ行動をすることだ。常例は通例に沿った行動や習わしで、慣性は何かの物体が外的な力を受けずに運動状態になる性質のことをいう。流儀は決まった物事のやり方、作法のことで、因習は古くから伝わってきた習わしのことだ。格例・式例は従来行われているしきたりや規則のことである。
慣性
![]() | この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2011年10月) |
古典力学 |
---|
![]() |
ウィキプロジェクト 物理学 |
カテゴリ 物理学 |
慣性(かんせい、英: inertia)とは、運動している物体が動き続けようとする性質をいう。惰性(だせい)あるいはイナーシャともいう。 運動状態の物体は、外力が働かなければ運動状態が変化しないため、停止せずに動き続ける。
ある基準系(観測者)に対して慣性の法則が成り立つ。慣性の法則が成立する系を慣性系と呼び、それ以外を非慣性系と呼ぶ。 慣性の法則は次のように説明される:
『(ある慣性系を基準とし)基準慣性系に対して静止している物体は、その物体に力が働かない限り、基準慣性系に対し静止を続ける。また同様に、基準慣性系に対して運動する物体は、その物体に力が働かない限り、基準慣性系に対する運動状態を一定に保つ(等速直線運動する)。』
例えばニュートンの運動方程式について、運動方程式を非慣性系に対する物体の運動にそのまま適用することはできない。仮に対象の非慣性系の慣性系に対する加速度が分かるとすれば、慣性系における運動方程式をもとに座標変換することで、非慣性系における運動方程式が得られる。ニュートンの運動方程式の場合、座標変換の結果は、慣性系における運動方程式と形式上同じであり、非慣性系の慣性系に対する相対運動は、見かけの力(慣性力)として現れる。
見かけの力が充分小さいと見なせるなら、その非慣性系は近似的に慣性系と見なせる。非慣性系が近似的に慣性系とみなせるかは、対象となる物体の運動に依存する。
外力に対する応答として、物体の速度の変化がある。外力に対し、速度変化が乏しく慣性運動を継続する性質が強いことを、俗に「慣性」が大きいと表現する。
物体の速度変化の激しさは加速度によって表される。ニュートンの運動方程式より質量を持つ物体に加わる加速度は、物体に加わる力と質量の比で表される。