天然染料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/09 18:17 UTC 版)
古代から染料として様々な動物、植物から抽出した天然色素が用いられてきた。植物由来の染料が最も種類としては多く、アカネ、アイ、ベニバナ、ムラサキ(紫根)などが古代から知られている。動物由来のものとしてはイボニシ等から得られる貝紫やエンジムシから得られるコチニールがある。これらの色素の多くは大量の天然物を処理してもわずかな量しか得られないため、希少品であり使用が限られていた。 なお、黄土や赭土・赤土・弁柄などは「鉱物染料」として挙げられることがあるが、これらは水等の溶媒に不溶であり、一般的には顔料に分類される。「顔料染め」という表現もあるが、ある種の歪さは残っている。真の鉱物染料と呼べるのは着色力をもつ可溶性の無機化合物であり、大島紬を染めるのに使う泥や過マンガン酸カリウム、コバルトの錯塩くらいである(しかも後二者は実際に染料として用いられるケースは稀である)。
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