否認防止とは? わかりやすく解説

否認不可

(否認防止 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/12/18 16:19 UTC 版)

否認不可(ひにんふか)または非否認(ひひにん、: Non-repudiation)は、論争当事者が文書や契約の有効性を否認または反駁できないことを保証する概念である。この概念はテレビやラジオを含めた任意の通信に適用できるが、最も一般的なのは署名の認証と信用性である。デジタル署名の場合、否認防止ともいう。

契約書や他の文書への署名を署名者が否認することは珍しくない。そのような否認は次の2つの形態となる。1つは詐欺偽造であると署名者が主張するもので、「私はそれにサインした覚えはない」ということになる。もう1つは署名したことは認めるが、それが強制によるものだったから有効ではないと主張するもので、脅迫状や拷問といったシナリオが考えられる。

法的な立証責任は否認理由に依存して異なる。前者のシナリオでは有効性を主張する側に立証責任があり、後者のシナリオでは署名者に立証責任がある。

情報セキュリティにおける否認防止

情報セキュリティにおいては、否認防止の意味と用途は次のように変化する[1]

  • データの完全性と起源の証明を提供するサービス
  • 高度な保証によって本物であることを断定できる認証

通常データ完全性を証明することでこれら要件を容易に満たすことになる。一般にSecure Hash Algorithmのようなデータハッシュを使えば、データが知らないうちに改ざんされた可能性を極めて低くするのに十分である。このような対策を施しても、中間者攻撃フィッシングといった手段で転送中のデータを改ざんできる可能性はある。このため、データ完全性を最大限保証するには、必要な検証情報を受信者が事前に入手している必要がある。

デジタルデータが本物であることを保証する最も一般的な方法は、デジタル署名などの公開鍵基盤に基づく公開鍵証明書を利用することである。これらは暗号化にも使える。これによってデジタルデータが本物であるということは、単に秘密鍵を所持する者が署名したということをある程度の信用度で保証するにすぎない。鍵の所有者がその安全な保管を怠った場合、デジタルデータの偽造を疑う余地が生まれる。

信頼される第三者 (TTP)

当事者が署名を容易に否認できると、署名そのものへの信頼性が揺らぐことになる。この危険性を低減する一般的手法として、「信頼される第三者 (trusted third party、TTP)」の導入がある。

一般的なTTPとして、筆跡鑑定人と公証人がある。筆跡鑑定人は署名などの手書き文字を既存の本物とされている署名などと比較し、問題の署名の真贋を評価する。公証人は一種の証人であり、署名者が本人であることを認証できる(私署認証)。

デジタルの場合、唯一のTTPは公開鍵証明書のリポジトリである。これにより、それまで一度も公開情報のやりとりがなくとも、受領者がそのアイテムが本物かどうかを照合する手段を提供している。しかし、デジタル署名は本物も偽物も全く同じで、鑑定しても区別できない。すなわち、ある人が秘密鍵を持っていれば「本物」の署名が可能である。秘密鍵の保護という考え方は、アメリカ国防総省の Common Access Card (CAC) の背景にもある。このカードは秘密鍵を保持し、外部に漏らすことなく暗号化に利用できる。そして、カードを利用するには暗証番号 (PIN) の入力が必要である。デジタル署名を物理的な署名と同等にする現実的解決策は実現されていない。

脚注

参考文献

関連項目


否認防止

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/02 06:51 UTC 版)

デジタル署名」の記事における「否認防止」の解説

詳細は「否認防止」を参照 暗号世界では否認という単語メッセージ対す責任放棄するあらゆる行為を指す(司法世界における否認とは意味合い大きく異なる)。メッセージ受信者は、その署名者完全性に関する主張強固にするために、第三者例え裁判所)へ署名されメッセージを示す事ができる。そのため受信者は、後になって容易に否認されないようにするため、送信者の署名強く主張する事ができる。しかしながら利用者秘密鍵秘匿性を失う事は、その鍵を用いた(そして表面上その利用者'から'の)全てのデジタル署名疑わしいという事意味するであろうそれでもなお利用者署名鍵を拒否せずに、利用者署名されメッセージ否認できない。それは信頼できるタイムスタンプが無いという事実によって悪化する。したがって、(鍵が危殆化した後に)新しく作られ文書は古いものやそれ以上複雑な署名鍵の失効から切り離す事はできない公開鍵関連する利用者鍵を証明し署名否認する事ができないように、通常認証局リポジトリ呼ばれる公開鍵公開データベース保持する期限切れの証明書は普通はそのデータベースから削除されるデータの否認防止サービス提供される場合、ある期間に古い証明書保持する事は、認証局セキュリティポリシー責任問題である。

※この「否認防止」の解説は、「デジタル署名」の解説の一部です。
「否認防止」を含む「デジタル署名」の記事については、「デジタル署名」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「否認防止」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「否認防止」の関連用語

否認防止のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



否認防止のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの否認不可 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのデジタル署名 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS