古典論とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 古典論の意味・解説 

こてん‐ろん【古典論】


古典物理学

(古典論 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/17 21:03 UTC 版)

古典物理学(こてんぶつりがく、classical physics)とは、物理学において量子力学を陽に扱わない理論・手法のことである。特殊相対性理論一般相対性理論もこれに含まれる。古典論とも呼ばれる。

現代物理学の対義語では必ずしもないので注意を要する。

対象

古典物理学には以下の様な分野が含まれる。

概要

物理系は、ある条件を満たす場合には近似的に古典物理学によって記述できる。古典物理学の法則が通用する範囲は、宇宙の大きさから原子分子の大きさのレベルまでである。原子内または原子間では古典物理学の法則は破れており、現象の正確な記述ができない。

現代物理学における基本理論の一つである量子力学は、極めて高精度の結果を与える理論[独自研究?]であり、物性物理学における問題のほとんどは原理的には量子力学によって完全に記述されると考えられる。量子力学的効果は、特に分子原子レベルやより小さなスケールでは本質的な効果を持ち、量子力学を考慮しない場合は、例えば原子が安定に存在し得ない等、現実と大きく異なる結果となる。原子・分子レベルの現象の古典論的扱いと量子論的扱いによる結果の大きな差異は、量子論や自然の本質を理解する上で重要である。

ただし量子力学は数学的な取扱いが著しく困難であり[独自研究?]、現実の複雑な系を量子力学を用いて描くことは不可能な場合がほとんどである。一方で量子力学的な効果は、原子レベルでは本質的な効果を持つが、マクロな系に対する影響はそれほどでもなく[独自研究?]、実用的な理論・手法としては、量子力学的効果を無視したり、古典力学の範囲内で取扱い可能な形に埋め込んだりすることが行われる。このように量子力学を陽に扱うことを回避した理論・手法も古典論と呼ばれる。

数学的には、古典物理学の方程式にはプランク定数が現れない。対応原理エーレンフェストの定理によると、系をプランク定数に比べて十分大きく、重くすることにより、量子物理学から古典物理学が導かれる。これが、日常生活レベルの巨視的な系では量子的な効果を気にしなくてもよい理由である。

古典論の体系の大半は、ニュートンから始まり量子力学にはいたらない期間に構築された非相対論的な古典力学であるが、量子力学と同時期あるいはそれ以降に構築され現代物理学の一角をなす相対性理論も、量子力学を考慮に入れない限りでは古典論に含まれる。このように物理学における「古典論」という言葉は、あくまで「量子論」の対義語であり、伝統的・現代的の対比で用いることは一般的ではない。なお、現代物理学という用語は一般に、量子論と相対性理論を含む20世紀から21世紀の物理学を表す言葉である。

関連項目


古典論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 04:39 UTC 版)

振動準位」の記事における「古典論」の解説

二原子分子において2つ原子核運動をばねによって結ばれた2つ粒子調和振動子近似する2つ原子核一直線上の位置 x1, x2 にあるとすると、フックの法則からそれぞれのにはたらく力は m 1 d 2 x 1 d t 2 = − k x {\displaystyle m_{1}{\frac {d^{2}x_{1}}{dt^{2}}}=-kx} m 2 d 2 x 2 d t 2 = k x {\displaystyle m_{2}{\frac {d^{2}x_{2}}{dt^{2}}}=kx} x はばねの変位l0をばねに伸び縮みが無いときの長さとしたとき x = x2 − x1 − l0)、k はばね定数を表す。マイナス符号は、2つ反対向きの力が働くことを示す。 ここで換算質量 μ {\displaystyle \mu } を導入し2つ相対運動一方固定した1つ粒子の運動で表す。はじめの式を m1、2つ目の式を m2 で割り、2式を引いて整理すると μ d 2 x d t 2 = − k x {\displaystyle \mu {\frac {d^{2}x}{dt^{2}}}=-kx} μ = m 1 m 2 m 1 + m 2 {\displaystyle \mu ={\frac {m_{1}m_{2}}{m_{1}+m_{2}}}} この運動のポテンシャルエネルギー U の位置について微分は、粒子に働く力に負を乗じたのであるから、 d U d x = − F = − μ d 2 x d t 2 = k x {\displaystyle {\frac {dU}{dx}}=-F=-\mu {\frac {d^{2}x}{dt^{2}}}=kx} これを積分するとポテンシャルエネルギー得られる(ただし積分定数が0となるようにポテンシャルエネルギー基準点をとった)。 U = 1 2 k x 2 {\displaystyle U={\frac {1}{2}}kx^{2}} これは伸び縮みのない状態を極小とした、二次関数である。分子のなかでのまわりポテンシャルは、極小点(平衡間距離近傍においては二次関数近似できるので、調和振動子近似は、分子における相対運動近似できる考えられる。全エネルギーハミルトニアン)はこのポテンシャルエネルギー運動エネルギー加えたのであるから、次のように書ける。 H = p 2 2 μ + 1 2 k x 2 {\displaystyle H={\frac {p^{2}}{2\mu }}+{\frac {1}{2}}kx^{2}}

※この「古典論」の解説は、「振動準位」の解説の一部です。
「古典論」を含む「振動準位」の記事については、「振動準位」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「古典論」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「古典論」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「古典論」の関連用語

古典論のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



古典論のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの古典物理学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの振動準位 (改訂履歴)、ラマン効果 (改訂履歴)、回転準位 (改訂履歴)、多体問題 (改訂履歴)、分極率 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS