双葉郡とは? わかりやすく解説

ふたば‐ぐん【双葉郡】

読み方:ふたばぐん

双葉


双葉郡

読み方:フタバグン(futabagun)

所在 福島県

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

双葉郡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/02 15:29 UTC 版)

日本 > 東北地方 > 福島県 > 浜通り > 双葉郡
福島県双葉郡の範囲(1.広野町 2.楢葉町 3.富岡町 4.川内村 5.大熊町 6.双葉町 7.浪江町 8.葛尾村)
福島第一原子力発電所事故によって人の姿が消えた浪江の中心部。(2011年4月12日撮影)

双葉郡(ふたばぐん)は、福島県浜通りである。

人口10,711人、面積865.71km²、人口密度12.4人/km²。(2024年6月1日、推計人口

以下の6町2村を含む。

郡域

1896年明治29年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記の6町2村にいわき市の一部(久之浜町大久町の各町)を加えた地域にあたる。

歴史

戦国時代岩城氏江戸時代磐城平藩領地だった楢葉郡夜ノ森以南)と、戦国時代から江戸時代まで相馬氏(江戸時代は中村藩)の領地だった標葉郡(夜ノ森以北)が、1896年に合併されて成立した。

旧標葉郡は、平安時代末期から室町時代後期までは標葉氏の領地だった地域で、室町時代後期(戦国時代)から江戸時代までの相馬氏統治下では中村藩による政策で陶磁器産業が奨励され、越中国(現富山県)からの開拓者が入植した地域である。そして、20世紀前半には森林鉄道が操業していた地域である。

一方の旧楢葉郡は、7世紀前半の国造時代には石城国造多珂国の領土、戦国時代の岩城氏統治下では岩城四十八館や岩城氏家臣の居城(高倉城など)が点在し、江戸時代には譜代大名である内藤氏安藤氏が治める磐城平藩だった地域である。そして、20世紀前半には常磐炭田が広がっていた地域である。

このように、一口に「浜通り」「相双」とは括れない地理的・歴史的背景があり、現在でも夜ノ森または大熊福島第一原子力発電所)を境にして生活圏が異なっており、旧楢葉郡は水戸との、旧標葉郡は中村仙台との交流が親密である。

双葉郡は、20世紀を通じて東京エネルギーを送る「エネルギー源地帯」になって来たが、20世紀後半の高度経済成長期以後の特徴は「電源地帯」であり、長塚 (双葉町)以南は首都圏電力を送っている。また、双葉郡の全域とも平成大合併に対しては、矢祭町下伊那郡と同様に否定的であった。そして、平成大合併前から発電所財源を逆手に取った地域振興策(例:Jヴィレッジ。広野と楢葉に跨がって位置する)を出したり、平成大合併後も発電所とは無関係な名産や話題(例:DASH村。浪江の山間部)で活性化を図るなど、独立性の高い地域振興策が実施されていた。

しかし、2011年3月11日東日本大震災では、各地で10メートルを越える高い津波を被った。特に、東日本大震災に誘発された福島第一原子力発電所事故に伴い、大半の地域が帰還困難区域・居住制限区域・避難指示解除準備区域に指定されている。

沿革

1.浪江村 2.熊町村 3.大野村 4.新山村 5.長塚村 6.請戸村 7.幾世橋村 8.大堀村 9.苅野村 10.津島村 11.葛尾村 21.富岡村 22.久之浜村 23.大久村 24.広野村 25.木戸村 26.龍田村 27.上岡村 28.川内村 29.川前村(紫:いわき市 桃:楢葉町 赤:富岡町 橙:大熊町 黄:双葉町 緑:浪江町 青:合併なし)

変遷表

自治体の変遷
旧郡 明治29年4月1日 明治29年 - 大正15年 昭和1年 - 昭和25年 昭和26年 - 昭和63年 平成1年 - 現在 現在
標葉郡 浪江村 明治33年3月8日
町制施行 浪江町
浪江町 昭和28年10月10日
浪江町
昭和31年5月1日
浪江町
浪江町 浪江町
請戸村 請戸村 請戸村
幾世橋村 幾世橋村 幾世橋村
大堀村 大堀村 大堀村 大堀村
苅野村 苅野村 苅野村 苅野村
津島村 津島村 津島村 津島村
新山村 大正2年2月1日
町制施行 新山町
新山町 昭和26年4月1日
標葉町
昭和31年4月1日
双葉町
双葉町 双葉町
長塚村 長塚村 長塚村
大野村 大野村 大野村 昭和29年11月1日
大熊町
大熊町 大熊町
熊町村 熊町村 熊町村
葛尾村 葛尾村 葛尾村 葛尾村 葛尾村 葛尾村
楢葉郡 富岡村 明治33年3月8日
町制施行 富岡町
富岡町 昭和30年3月31日
富岡町
富岡町 富岡町
上岡村 上岡村 昭和25年6月1日
町制施行 双葉町
竜田村 竜田村 竜田村 昭和31年9月1日
楢葉町
楢葉町 楢葉町
木戸村 木戸村 木戸村
広野村 広野村 昭和15年4月1日
町制施行 広野町
広野町 広野町 広野町
川内村 川内村 川内村 川内村 川内村 川内村
久之浜村 明治34年6月13日
町制施行 久之浜町
久之浜町 昭和41年10月1日
いわき市
いわき市 いわき市
大久村 大久村 大久村

行政

歴代郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 明治29年(1896年)4月1日
大正15年(1926年)6月30日 郡役所廃止により、廃官
  • 郡役場 -

参考文献

関連項目

先代
標葉郡および楢葉郡の一部
川前村を除く)
行政区の変遷
1896年 -
次代
(現存)

双葉郡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 23:17 UTC 版)

福島第一原子力発電所7、8号機の増設計画の経緯」の記事における「双葉郡」の解説

後述するように双葉町大規模な公共投資実施したが、程度の差こそあれ増設期待をかけていたのは双葉町だけではなかった。 双葉郡の町村増設足掛かりに、見返りとして常磐線の完全な複線化常磐自動車道仙台延伸結びつける動きもあり、佐野鋭は「「広域的、恒久的な地域振興策を」という問題提起に対して今度は県が建設地選定というかたちで回答を示す番」と述べている。阪神・淡路大震災発生した1995年大熊町議会第1回定例会では、増設原子力防災結び付け地域振興名目積極的な道路整備を図る提案なされた具体的に当時延伸予定だった常磐自動車道富岡大熊IC予定地から浜街道国道6号線)までの4車線道路整備である。もっとも、提案議員も「今は無駄であると思うかもしれませんが」と前置きしまた、地元地権者会議では4車線不要との意見もあったが、町としては4車線計画進める旨答弁された。 佐藤栄佐久増設受入を引き延ばす中、地元では福島県大きさによる会津中通り浜通り各地域風土の差から「火発と原発増設によって浜通り地域財政だけが潤うのは県全体バランスからみて好ましくないというわけだ」といった県政対す憶測流れていたという。 双葉町増設される7・8号機は大熊町から見ると電源三法などで交付金対象となる「隣接町」に当たる。元東京電力社員で本発電所1~6号機建設時町長だった志賀秀正の息子に当たる大熊町長、志賀秀朗は増設問題に対して1999年、『月刊エネルギー』に「県が求めバックエンド対策地域振興などに国がきちんとこたえれば、県も了解するはずだ。私自身いちがいに増設進めろ、という気はない。増設決まり建設がはじまれば、町の景気はよくなり、財政も潤う。しかし、財政あくまでも健全でなければならないし、用途期限限られた交付金では、地域振興結び付きにくい。もし、現状のままなら私は交付金不要論者だ」と述べ岩本電源三法交付金について、使途柔軟化することに注文付けている。なおこれに先立つ1997年岩本は「モノ造りより人づくり目指したい。そのために大学欲しい。巨大技術縁を切るわけにはいかないのだから、原子力工学エネルギー工学専門家育てて地域根付かせたい。それが新たな国策貢献にもなる」と過去箱物志向からの転換を既に視野入れている。

※この「双葉郡」の解説は、「福島第一原子力発電所7、8号機の増設計画の経緯」の解説の一部です。
「双葉郡」を含む「福島第一原子力発電所7、8号機の増設計画の経緯」の記事については、「福島第一原子力発電所7、8号機の増設計画の経緯」の概要を参照ください。

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