作曲様式と作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/18 04:54 UTC 版)
「エルンスト・フォン・ドホナーニ」の記事における「作曲様式と作品」の解説
作風は折衷的である。ハンガリーのさまざまな民族音楽の要素を取り入れているが、コダーイやバルトークのような愛国的な作曲家とは看做されていない。ドホナーニの創作姿勢は、ヨーロッパのクラシック音楽の強力な伝統に、より深く根ざしており、とりわけブラームスの痕跡が歴然としている。いくつかの作品ではブラームス作品からフレーズを引用し、先輩作曲家への敬意を明らかに示しており、また有名なピアノ曲『演奏会用練習曲集』作品28は、ショパンの練習曲よりもむしろブラームスのカプリッチョやインテルメッツォを模範としている。 しかしながら、他にもさまざまな影響を吸収し、成熟期の作風は、R.シュトラウスやマーラーの華麗なオーケストレーションや、レーガーの複雑な対位法様式も採り入れている。渡米後の作品、たとえば最後の管弦楽曲となった『アメリカ狂詩曲』では、古いアメリカ民謡や、ジャズへの関心を窺がわせている。 『演奏会用練習曲』はゴドフスキやラフマニノフによってしばしば演奏・録音され、早くから有名であった。戦後のハンガリー政府は、初期の政権発足時に弾圧したにもかかわらず、共産党独裁体制の末期に近づいてから、ブダペストの音楽出版社よりドホナーニのピアノ曲集を刊行した。 ドホナーニは編曲も多く手掛けており、シューベルトの「高雅なワルツ」、ブラームスのワルツ集、「ジプシー風ロンド」、ヨハン・シュトラウス2世のワルツなどのピアノ独奏用編曲を残している。
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